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フエの王宮

フエは、ベトナム中部の大都市ダナンから北西に100kmほどに位置する人口30万人の都市。南北ベトナム分断当時の軍事境界線、北緯17度線の南側にあったため、南ベトナム軍や米軍と南ベトナム解放民族戦線の間で戦闘がくり広げられた場所です。

19世紀から20世紀にかけては、ベトナム最後の統一王朝、阮朝の王宮がおかれ首都だったところで、市内をフォン川(香江)が流れ、河の北西側には王宮のある旧市街、南東側にはフランス植民地時代からの新市街が広がっていて、フエ駅は旧市街側から鉄橋を渡った新市街側の南端にあります。

12月のベトナム中部は雨季の終盤。大雨の中、フエ駅から新市街のホテルへ。駅前にいるタクシーの中から、比較的信用できるとされる数社に含まれる、ビナサンタクシーを見つけて乗り込みます。チェックイン後、部屋で雨の様子を見ていたものの、大雨が収まる様子はありません。

ガン門 王宮前のフラグタワー

フエは、ベトナムで最初に世界遺産“フエの建造物群”に登録されたエリア。王宮は旧市街にありますが、歴代皇帝廟や寺院は郊外に位置し、現地ツアーに参加して周遊するのが現実的です。でも、ハノイからの夜行列車の到着する頃には、ホテルのピックアップ時刻を過ぎていて使えません。個人でまわるのはタクシーをターターするしかなく、この大雨の中ではと思い、とりあえずホテルでタクシーを呼んでもらって王宮の入口近くで降ります。

石造りのガン門をくぐってベトナム国旗に翻るフラグタワーの前までいくと堀があり、王宮門の午門が建っているのですが、修復中で屋根に覆われていてこんな残念な姿に。

王宮の入口の午門
ゲートの向こうに 大和殿

チケットを買って中へ。午門を抜けると両側に蓮池があり、ゲートの向こうに建つのは屋根に龍の装飾のある大和殿。玉座が置かれ、宮廷や国家の儀式の舞台となった建物です。ベトナムは大昔から中国の影響下にあったため、政治形態や文化は多く中国に倣ったものになっていて、フエの王宮も北京の故宮を真似たとのことですが、その規模は比較になりません。大和殿はベトナム戦争で破壊され、その後の再建だとか。

大和殿の裏には巨大な金印のオブジェが。本物が展示したあったので、皇帝の印でしょうか。その奥は皇帝の住居、紫禁城だったそうですが、ベトナム戦争で破壊され復興はまだまだこれからといった感じ。

大和殿 屋根に龍の装飾 巨大な金印
大和殿の裏にある右 皇帝の印でしょうか

大和殿から見て、金印の左には右廡、右側には左廡という建物が対称に建っていて、右廡は武官、左廡は文官の詰め所だったとか。前に置かれた大きな鍋のようなもの、北京の故宮でも見かけたような。

門をくぐって世祖廟へ 顯臨閣の大鼎の向こうに世祖廟

傘が役に立たないほどの雨の中、ここまで来たからには濡れながらの王宮見学です。午門から大和殿に向かって左手、敷地の南西側の一角は、阮朝歴代皇帝を奉った世廟。門をくぐって中に入ると、歴代皇帝や皇后の祭壇が並ぶ世祖廟があります。

世廟の前庭に建つのは、廟の前門にあたる顕臨閣。龍のいる階段の前には、歴代皇帝の名を刻んだ9つの大鼎が置かれ、大雨の水を満々とたたえています。

世祖廟のアップ 歴代皇帝や皇后の祭壇が並ぶ世祖廟
顕臨閣 顕臨閣の龍の階段と大鼎

顕臨閣の後ろには世廟門、左右には鐘楼を持つ峻烈門と鼓楼を持つ崇功門。保存修復状態がよく、王宮の中で最も見応えのある場所と思われます。

顕臨閣の裏に建つ世廟門 鐘楼を持つ峻烈門
壁にベトナム戦争の銃弾跡が残る 彰徳門

世廟のある一角を抜けると王宮を取り囲む屏があり、西側の門である彰徳門が建っています。煉瓦塀に残る傷跡はベトナム戦争の弾痕だとか。

そのベトナム戦争で破壊され、今では草原になっている皇帝の住居、紫禁城跡を抜けて博物館に向かいます。途中にこんな龍の壁がありました。北京の九龍壁のミニチュア版でしょうか。

紫禁城の跡は草原に 龍の壁があった

 

フエ宮廷骨董博物館

王宮の敷地から東側の顕仁門を出た所にあるフエ宮廷骨董博物館のチケットが、王宮のチケットに付属しているので行ってみることに。前庭に大砲が並ぶ建物は20世紀の初め頃の建築だとか。宮廷で使用されていた日用品や衣裳、外国からの貢ぎ物などが展示されています。

王宮の敷地の外にあるフエ宮廷骨董博物館とその展示品

パックツアーはここまでは来ないのでしょう。訪れる人は少なくゆっくりと見ることができ、雨宿りにはちょうどよかったかも。


ドンバ市場

王宮から旧市街に戻ります。もう、靴の中までぐちょぐちょ。こんな雨の中でも、地元の人はカッパを着てバイクで颯爽と通り過ぎます。もう、タクシーをつかまえて歴代の皇帝廟や寺院に行く気にもなれず、旧市街の市場でも見に行くことに。

市場の手前にショッピングセンターがあったので、その中のスーパーマーケットに立ち寄ると、言葉は通じませんが入口でカバンを預けるように言っているようで、入るのをやめます。あとでネットで調べたら、ベトナムでは万引き防止のためにスーパーの店内にカバンを持ち込ませないのだとか。

カッパを着てバイクに乗る 旧市街の市場近くの商店街
ドンバ市場の食料品店

フォーン川沿いに建つドンバ市場には、持ち込み品の制限はありません。1階が食料品や土産物、2階は衣料品で、土産物屋から次々と声をかけて来ます。見ている分には面白いけど、これといって欲しいものはないな。


 

 

 

 

 

 

  

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