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南ベトナム大統領官邸だった統一会堂

戦争証跡博物館やサイゴン大教会の近くの広大な敷地に建つ統一会堂は、南北統一前には独立宮殿と呼ばれた南ベトナム大統領官邸。1975年4月30日、ここに鉄の門扉を突き破って解放軍の戦車が突入して無血入城、サイゴン陥落、事実上のベトナム戦争終結です。そのときの2台の戦車が敷地内に保存展示されています。

統一会堂 サイゴン陥落時の解放軍390号戦車
サイゴン陥落時の解放軍843号戦車 正面の門扉から大統領官邸に戦車が突入

現在の統一会堂は、国賓を迎えるとき以外は一般に公開されていて、外国人を含む多くの見学者で賑わっています。ビデオによる解説には日本語もあり、ベトナム戦争から統一に至る経緯が説明されますが、あくまでも北の立場からの一方的な見方に若干の違和感があります。

統一会堂1階には、内閣会議室やバンケットルーム、大統領や副大統領の応接室が並んでいます。作戦会議室には戦争当時のものでしょうか、壁面には南ベトナムの地図。

バンケットルーム 内閣会議室
慶節室 作戦会議室

各国の大使が大統領に国書を提出した部屋の壁面は、大きくて立派な漆絵で飾られています。大統領執務室の後ろの扉は脱出用に地下道へと続き、タンソンニャット空港まで通路が延びているという説もありますが、部屋は外から眺めるだけで確認のしようがありません。

漆絵のある国書提出室 大統領応接室
大統領執務室 小さな中庭も

建物の奥には、日本庭園のような小さな中庭も。

上階は大統領とその家族の居住スペース。寝室や宴会室、娯楽室からミニシアターまであり、その裏の部屋には本格的な映写機まで備えています。戦争中も優雅な生活を送っていたのでしょうか。屋上には脱出用のヘリポートも。

小さな劇場も 映写室
娯楽室 ヘリポート

戦時対応の地下に下りると様子は一変。大統領の司令室の隣には簡素な寝室、通信機材のある暗号解読室などが並んでいます。ここで指揮をとっていたのでしょうか。厨房の機器類には、日本のメーカのプレートが。

大統領指令室 大統領の寝室
通信機材のある暗号解読室 厨房の機器類は日本製

 


ベンタイン市場とバスターミナル

ベンタイン市場は、生鮮食料品から衣類、雑貨まで何でもそろうホーチミン最大の市場。一般市民向けの食堂も充実。外国人客も多く、店員からは片言の日本語も。市場の前にはベンタインバスターミナルがあり、タンソンニャット空港をはじめとする市内各地に向かうバスが発着しています。

ベンタイン市場
VIETNAMESE COFFEEのTシャツ 152系統タンソンニャット空港行き

 

バスでチョロンへ

ここから01系統のバスに乗ってチャイナタウンのチョロンに行ってみることに。やってきたのはソウル市内を走っているのと同じ、現代製のバス。大宇製もあり、冷房も付いていてホーチミンのバスはバンコクなどに比べるとレベルが高いものの、車両は面白味に欠けます。

でも、乗ってみると回りはバイクの洪水。2車線の道路はセンターライン寄りを4輪車が、歩道寄りをバイクが埋めていて、バス停につけるときは警笛を鳴らしながら強引にバイクの群れの中に割り込んでいきます。30円で乗れるアトラクションだと思えば、なかなか面白い。

韓国現代製のバス バス停ではバイクの群れの中に突っ込んでいく
チョロンバスターミナル ベンタイン行き01系統のバス

30分ほどで終点のチョロンバスターミナルに到着。まずはビンタイ市場へ。ここも迷路に衣類や日用雑貨、食料品などが山積みですが、卸が中心のよう。昔は築地の場外もこんな感じで私は好きなのですが、雰囲気に圧倒された相方が他に行こうと言い出す始末。

ビンタイ市場 山積みになっているのは乾物でしょうか
雑貨屋さん 店先で子供が寝てる

それほど治安が悪そうな雰囲気ではないものの、ゴミゴミとした周辺は日本でイメージする“チャイナタウン=中華街”とは様子が違い、観光客が来るところではないかも。仏壇屋街を抜けてチャータム教会へ。クリスマスの飾りが残るクリーム色のきれいな教会ですが、その前に建つ十字架を乗せた瓦屋根はアジアですね。

仏壇屋 チャータム教会
チャータム教会の内部 熱帯には似合わないクリスマスの飾り

 

大晦日夜のサイゴン

早々に引き揚げることにして、再び01系統のバスに乗ってベンタインバスターミナルへ。バスは夕方ラッシュ時の渋滞に巻き込まれ、帰りはずいぶん時間がかかります。

土産を物色しにベンタイン市場へ。チョロンのビンタイ市場を見てきた目には、ここはきれいに映ります。

再びベンタイン市場
夕食は地元の庶民的なレストランチェーンで デザートに氷が入っていた

夕食は市場の近くの地元っ子に人気の庶民的なレストランチェーンへ。骨付き豚肉のコム・スーンはご飯に乗せていただきます。チャーハンはピリ辛。ライチのデザートを注文したら、氷が入ってきました。やばいかなと思いながらも、もうすぐ飛行機に乗って帰国なのでまっいいかと食べて、お腹は大丈夫でした。

ベンタイン市場周辺のナイトマーケット ドリアンも山積み

ベンタイン市場の回りは露店が並ぶナイトマーケットが大賑わい。もうもうと上がる煙と一緒にいいにおいが漂ってきますが、台湾や韓国の屋台に比べ、ベトナムの屋台で食事をするのは勇気がいります。今回はパス。

ベンタイン市場からサイゴン川に向かう、広いハムギー通りにはLEDの電飾が続き、新年のカウントダウンでもあるのでしょうか、大勢の若い人々がバイクに乗って続々と集まってきます。バイクの駐輪場がもう満杯。

屋台からいいにおいが漂ってくる ハムギー通りの電飾
大賑わいのハムギー通り サイゴンスカイデッキ

見上げると、68階建てのホーチミンで一番高いビルの49階から突き出したサイゴンスカイデッキに光が当たり、夜空に浮かんでいます。ここに登って夜景を見れば良かったと思っても、もう時間がありません。今夜は渋滞が一段と酷くなりそう。ホテルのフロントでタクシーを呼んでもらい、早めに空港に向かうことに。


旅のヒント

ベトナム鉄道の切符はこの旅行の2ヶ月前、2014年10月に下記のリンク集にある旅行会社にメールで依頼し、ハノイの事務所で受け取りました。担当者は日本人で、メールのやりとりも日本語、支払いはベトナムドンの現金で現地払いです。カード払いも可能ですが、別途高い決済手数料を取られるので。

その後、2014年11月からベトナム鉄道のサイト(ベトナム語)からオンラインで購入できるようになったそうです。下記のリンク集にネットからの購入方法を解説したページも記載しておきます。

首都ハノイや最大の都市ホーチミンでも、市内の地下鉄はまだ建設工事中で、公共交通機関はバスとタクシーだけ。日本に比べればタクシー料金は圧倒的に安いのですが、ハノイの場合は空港から市内まで40km以上あり、通常料金なら日本円換算で2000円台ですが、ボッタクリラクシーに遭遇するとその数倍を請求されることにもなりかねません。

ハノイ駐在の日本人の方の、ぼったくりタクシー対策の記事を下記のリンク集に掲載しておきます。比較的信用できるタクシーといわれている、マイリン、ビナサン、ビナの3社を使うようにしていました。これらの偽物に注意しながら。

余りに日本人の被害が多いからか、在ホーチミン日本国総領事館では、ホームページにぼったくりタクシー防止カードを掲載しています。これをプリントして持っていったのですがうまく使えず、ハノイ市内で上記3社のタクシーが来ないところで拾ったタクシーにぼったくられました。

ホテルやレストラン等ではクレジットカードで支払いをしていたのですが、帰国の1ヶ月後から米国のデパートの通販サイトをはじめとする不審な請求が続々と届くようになりました。カード会社に連絡して番号を変え、被害額は補償されました。時期的には、ベトナム国内のどこかでスキミングされたと思われます。

このように書くとマイナスの面ばかり強調されますが、ベトナム鉄道は楽しく、ベトナム料理はおいしいので、次はハノイからハイホン方面のローカル線に乗りに行こうかな。

2014年12月旅
2016年3月記


お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました


 

 

 

 

 

 

  

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