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旅の車窓から

ベトナム ハノイ・フエ・ホイアン・ホーチミン

ベトナムの首都ハノイから南部最大の街ホーチミンへ、ベトナム縦断の旅に出ました。ハノイからフエへは夜行寝台列車で、フエからダナンは昼間の列車でハイバン峠を越えます。ダナンからホーチミンはベトナム航空の国内線に乗りました。ベトナム縦断の旅にご案内します。


羽田からANAの直行便でハノイへ

2014年末に、ANAで羽田−ハノイの朝便とホーチミン−成田の深夜便を確保し、ベトナムに出かけました。正規割引運賃で6万円と少々で、台北や上海の乗り継ぎ便に比べると割高ですが、直行便で時間をお金で買うと思えば妥当な判断でしょう。

ハノイに1泊し、夜行列車でフエへ、フエで1泊して昼間の列車でダナンへ移動し、ホイアンで1泊、その先も夜行列車も検討したのですが、ダナンからホーチミンはベトナム航空の国内線にしてホーチミン泊。大晦日の深夜便で元旦の朝に成田着のスケジュールです。

ベトナムで問題なのが、空港から市内への足。特にハノイのノイバイ空港は市街地から45kmと遠く、ベトナムナビによると一般の路線バスは時間がかかる上に到着するターミナルの治安が悪く、ベトナム航空のミニバスは信用できずトラブルが多い、タクシーはぼったくりに合う危険性が高いとのこと。ベトナムが初めての個人旅行者にはハードルが高い。

予約したハノイのホテルから、25US$で迎えに行くよとのメールが来たがこれも高い。到着が夜なら依頼したかもしれませんが。一人旅なら路線バスを使ってみるかとも考えるところですが、今回は相方と二人のため、ネット情報で比較的安全とされるタクシー会社のクルマを使うことに。

※ 12ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。


ハノイ・ノイバイ国際空港からタクシーで市内へ

羽田を9時頃に発ったANAの便は、概ね定刻に現地時間13時過ぎにハノイに到着。まずはベトナムドンの入手です。誤魔化されないためにはATMのキャッシングの方が良いかと思いますが、空港内の両替ブースを見て回り、一番レートの良いところで両替をしてみます。1円が200ドン弱のため、桁の違う札が出てきます。間違いや誤魔化しがないかその場ででよく数え、大きな札はスモールチェンジ、プリーズ。

タクシーのメーターは下2桁を省略
いま30万8千ドン
トラブルが多いとされるエアポートミニバス

ベトナムの首都ハノイは、人口650万人の大都会。でも、市内の公共交通機関はバスとタクシーだけ。空港ビルを出たとたんにまとわりついてくる大勢の運転手を追い払い、タクシー乗り場にずらりと並ぶ車の中に比較的信用できるとされる数社に含まれるマイリンタクシーを見つけました。もっとも、最近は信用できるタクシー会社のロゴを真似た偽物も出現しているそうで、ドアにある会社名のロゴがマグネット貼りではなく直接車体に書き込まれていることと、メーターがダッシュボードの上で透明プラスチックの箱に入っていることを確認の上で乗り込みます。

空港からハノイ旧市街にあるホテルまで30数万ドン。ボラれることもなく、ホテルの送迎より安い2000円弱で到着。

 

ハノイ旧市街

ホテルのウエルカムドリンクでしばし休憩後、旧市街の観光を兼ねて、旅行会社に手配を依頼していた列車の切符の引き取りに出かけます。まずは、旧市街の湖、ホアンキエム湖畔のタンロン水上人形劇場へ当日夜のチケットを買い求めに。窓口には大勢の外国人が並んでいて、なかなか盛況のようで、希望の時間は満席だったものの、そのあとの公演のチケットを確保。

ホアンキエム湖 亀の塔 水上人形劇のチケットを購入

ハノイ旧市街は11世紀に李朝の都、タンロン(昇龍)があったところ。ベトナムは台湾以上のバイク天国。特に細い道が入り組んだ旧市街の中は、自動車よりバイクの方が便利と、3人乗り、4人乗りは当たり前。

タブレットに表示した地図にGPSを重ね合わせれば、こんな迷路でも迷うことなく、便利な世の中になったものです。でも、旧家保存館は余りに目立たない外観のために行きすぎてしまったようで、キョロキョロしながら戻ってきてやっと見つけた。

バイクにノーヘル4人乗りはごく普通 通りに面した左側の家が旧家保存館

ここは19世紀の中国風二階建て木造家屋。風通しをよくするためか家の奥に吹き抜けの中庭を有し、居間や寝室に台所等に伝統的な家具を配置して、当時の生活の様子を今に伝えています。

旧家保存館の居間 階段で二階へ
吹き抜けが中庭になっている 旧家保存館の寝室

観光客を乗せた自転車タクシー、シックローが行き交います。マレーシアではトライショウ、インドネシアではベチャですが、客を前に乗せる構造はみんな同じ。ジョグジャカルタで乗ったことがありますが、前に座ってクルマの走る中に突っ込んでいかれると結構怖い。

かつては城壁で囲まれていた旧市街に16あった城門のうち、現在に残る東河門が見えてくると、目的地の旅行会社の事務所に到着です。

観光客を乗せたシックロー 東河門の内側
東河門の外側 列車の切符を依頼した旅行会社

今では個人でも、ベトナム鉄道のホームページからカード決済で列車のチケットが購入できるそうですが、言語はベトナム語だけとのことで、ちょっとハードルが高いかも。2014年10月の手配時点では、日本語で対応可能な現地の旅行会社に依頼するのがベストな方法でした。担当してくれたのは、現地の日本人スタッフ。

乗車1ヶ月前の発売開始前に、日本からメールでハノイからフエのソフトベッド上下各1と、フエからダナンのソフトシート2席を依頼していました。乗車日までに旅行会社の事務所で受け取る方式です。事前の振込など無く、支払いはその場で現金で。なかなか太っ腹です。

子供を乗せて小学校を出るバイクの群れ 学校帰りの子供が駄菓子屋に
路上で商売をする八百屋さん

旅行会社の近く、扉の中から後ろに子供を乗せたバイクが次々と出てくると思ったら、どうやら小学校の下校時に親が迎えに来ているらしい。隣の駄菓子屋では、学校帰りの子供が品定め。半世紀前には、日本でもこんな光景が見られましたね。

横では、天秤棒に下げた篭に野菜を満載して商売中。日本と違って平均年齢も若いのでしょう。この国は活気に溢れています。その先にはハノイ旧市街の台所、ドンスアン市場。周辺には屋台が出ていますが、ちょっとここで食べる勇気はありません。

ドンスアン市場 ドンスアン市場の屋台街
白馬最霊祠 足場を組んで作業中

門の上に龍が乗っているのは、ハノイ最古の寺院といわれる白馬最霊祠。夕刻で閉まっていて入れなかった。夕闇が迫ってくると、通りの装飾にLEDが点灯。足場を組んで何か作業中。

白馬最霊祠の近くにあるクアン・デー祠はまだ開いていたので入ってみることに。ハノイって、30年前の台湾と雰囲気がよく似ていますね。

クアン・デー祠 クアン・デー祠の内部
旧市街の街並み保存のターヒェン通り

ターヒェン通りは、旧市街の街並みを保存するために最近整備されたところだそうで、この一角だけはずいぶんきれいになっています。

 

夜のホアンキエム湖周辺

ホアンキエム湖まで戻ってきました。水上人形劇の開演までの時間つぶしに、湖の中の島にある玉山祠を覗いてみます。入口の門柱にある漢字は、幸福を表す“福”と豊かさの“祿”。続いて成功と幸福の象徴である昇り龍と力と、権力の象徴である虎が登場するところは、中国と同じ文化かな。

湖上の島に渡る橋が架かる 玉山祠の入口に“福”と“祿”
虎と龍の絵 橋の手前で本日は終了

拝観時間が終わっていたようで、橋を渡って中に入ることはできません。翌日また出直すことに。湖岸から見える玉山祠のライトアップや亀の塔のライトアップはなかなか幻想的です。

街の明かりを湖面に映すホアンキエム湖 玉山祠のライトアップ
亀の塔のライトアップ リー・タイトー像

湖畔の大通りの向こうに立つ銅像は、10世紀の中国からの独立後、11世紀にハノイに遷都した李朝の始祖、リー・タイトー(李太祖)像。その隣のハノイ市人民委員会の建物を見ると、水上人形劇場に戻る途中にあった、戦没者記念像もそうですが、共産主義のにおいがします。

ハノイ市人民委員会 戦没者記念像

 

水上人形劇

水を張ったプールの中で、ベトナムの民族音楽の生演奏に合わせて8体ほどの人形がコミカルな動きを見せ、水を吐いたり花火を使ったり派手な演出も。簡単な日本語のパンフレットもあり、言葉がわからなくても十分に楽しめます。写真が撮れるのも良いところ。

タンロン水上人形劇場 座席は全て指定席 左側で生演奏
お祭りの太鼓 田植えの様子

50分ほどの上演で、最後は舞台裏で操っていた人形使いの皆さんが登場してお開き。実物の人形の展示コーナーもあり、お土産にはミニチュアが欧米人観光客人気があるようです。

仙女の舞 人形使いの皆さん
人形が展示 お土産コーナーにはミニチュアが

 


 

 

 

 

 

 

  

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