客車
続いて客車です。
電気機関車の向こうにいるのは、各コンパートメント毎に開き戸のある狭窓の並ぶ古典的なスタイルのボギー客車。初期の鋼製車でしょうか、木造車のようなトラス棒付きの台枠です。
▲ コンパートメント毎にドアがあり狭窓の並ぶボギー客車
大きな側面の引き戸のある荷物車でしょうか。塗色は異なるものの2両とも同一形式のようです。イタリア国鉄FSの他に、イタリア国旗とOMNIA EXPRESSの表記があります。ウイングバネの台車や最高速度160km/hの表記から見て、古いものではなさそう。
▲ OMNIA EXPRESSの荷物車
鋼製車だが台枠にトラス棒が付く古典的な1等と2等合造のボギー車。窓上に黄色のラインが入った部分が1等室で、側面にそれぞれ2個所ずつの開き戸があり、1等室のドアには“1”の、2等室のドアには“2”の表記。
▲ 1等と2等の合造車
車体の中央部に1個所のデッキがある、ホイールベースの極端に長い2軸の3等車。
▲ 中央デッキの2軸の3等車
コンパートメント毎に開き戸のある3軸が珍しい3等車。各ドアには“V”の表記。車端部の引き戸は荷物室でしょうか。
▲ 3軸の3等と荷物の合造車
両端デッキの客車を改造して、片方のデッキや側窓を埋めた跡のあるボギー車。
▲ あとからデッキや窓を埋めた跡がある
果たして客車か貨車か、側面にベンチレータらしきものが付いた、黄色い三角屋根の2軸車の用途は何でしょう。
▲ この車両は何?
ホームの向こうにはヤードが広がり、錆びたレールの上に客車と電車が放置されています。博物館の持ち物でしょうが、果たしてどこまでが博物館の敷地やら。
電気機関車の奥にいたのと同じ、各コンパートメント毎に開き戸のある狭窓の並ぶ古典的なスタイルのボギー客車。
▲ コンパートメント毎にドアがあり狭窓の並ぶボギー客車
側面の2個所の扉がシャッターになった荷物車。ウイングバネの台車や140km/hの表記から見て、それほど古いものではなさそう。
▲ 側面の扉がシャッターになった荷物車
赤い客車の側面には“POSTE”の表記と郵便投入口があるので郵便車でしょう。
▲ 郵便車と荷物車
車体の側面2個所の扉がシャッターになった荷物車。新型の台車を履き200km/hの表記があります。
▲ 200km/hで走行可能な荷物車
電車
電車も3両留置されています。
前後に2台のパンタグラフをもつ、流線型両運転台のALe540型電車。日本の新幹線より長い27.4mの車体はさすがに大きい。1958年製の2次型で自重62トン。出力190kWの吊りかけモータで4台で最高速度150km/h。豪快な走りっぷりだったのでしょう。こんな電車に乗ってみたかった。
▲ ALE540型
同形の車体ながら、正面貫通扉の窓が2つにわかれ、側面の乗降扉が台車の位置を避けて中央に寄っているALe840型は1949年から64年の製造。取り付け台はあるものの、パンタグラフが乗っていないので、制御車のLe840型かもしれません。
▲ Le840型
先頭部が丸い半流線型のALe540型の3次型。ドアの横に“OCLEN-NAPOLI 1960”のプレートが。
▲ 半流線型のALe540型
▲ ドアの横にOCLEN-NAPOLI 1960のプレート
貨車
貨車も数多く留置されています。側扉を開けた2軸の鋼製有蓋車の車内には大型鉄道模型。
▲ 鋼製貨車の中に大型模型が展示
木造の2軸有蓋車は外板が朽ちて穴が開き、2軸の鋼製無蓋車は赤錆た姿で留置されています。
▲ 2軸の木造有蓋車
▲ 2軸の鋼製無蓋車
赤錆びた車輪等の部品を積載したボギー台車を履いた長物車やクレーン車の姿も。
▲ ボギーの長物車
▲ ボギーのクレーン車
2軸の無蓋車や木造の有蓋車、タンク車などもいます。
▲ 2軸の鋼製無蓋車
▲ 2軸の木造有蓋車
▲ 2軸のタンク車と鋼製無蓋車
2軸の鋼製有蓋車は車掌室付きのようです。
▲ 車掌室付きの有蓋車でしょうか
ホイールベースの長い2軸の無蓋車に石炭が載っています。動態保存の蒸気機関車が運行されることでもあるのでしょうか。
▲ 石炭を積んだホイールベースの長い2軸無蓋車