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烏樹林休�阨ｶ化園區五分車

バスは、新営総站から15分程で烏樹林に到着。バス停のある交差点の中を五分車の線路が横切り、バス通りには踏切警報機と遮断機も設置されています。蒸気機関車の絵に“糖業鐵道之旅”と書いた看板も出ていて、矢印に500公尺（500m）となっています。

看板の矢印のすぐ先で線路が狭い道路を斜めに横切っていますが、こちらは警報機も遮断機もなく“停看聴”（踏切注意）と書いた標識があるだけ。壁に“美麗的烏樹林五分車的故郷”の文字とともに、子供の絵でしょうか、蒸気機関車の牽くトロッコ列車やディーゼルカーの成功号、勝利号が壁に描かれた先で道路に線路が寄り添ってきて、烏樹林休�阨ｶ化園區の門をくぐります。

交差点に五分車の遮断機付き踏切と烏樹林文化園区の看板	烏樹林文化園区に向かう道路にも踏切
壁に描かれた五分車や烏樹林駅	烏樹林文化園区の入口

車庫を訪問

烏樹林の五分車は、休日は9時半から16時半まで1時間ごとに運行し、10時半だけは蒸気機関車で他はディーゼル機関車牽引ですが、この日は平日のため10時と14時半の2本だけ。

門をくぐった先に、外に2両のL型ディーゼル機関車が留置してある車庫を見つけ、午後の列車にはまだ時間があるので立ち寄ってみることに。撮影の許可をもらおうと、庫内で声をかけたら蒸気機関車の前の扉を開けてもらえました。

車庫前に2両のL型ディーゼル機関車	蒸気機関車の前の扉を開けてもらった
隣は内燃機車庫	庫内の370号機
C型の370号機

370号機は戦後にベルギーから輸入されたC型タンク機関車で、台湾の製糖鉄道の標準型。休日に1往復の出番以外は車庫の中で休んでいます。ボイラが軽油炊きに改造されているそうで、瞬時点火や消火、灰の処理等は不要になり取り扱いやメンテナンスはぐっと楽になり、庫内を汚すこともないようです。

白に青帯、2軸の巡道車109号は、正面はHゴム固定の2枚窓の好ましいスタイルですが、横から見ると何とも寸詰まり。その後ろにいる巡道車111号は木造車体。窓枠やドアを見ると、傷みが目立ちますね。車庫の奥には、西ドイツDIEMA（徳馬牌）の黄色いディーゼル機関車が4両。動輪は3軸で、1970年代に台湾の製糖鉄道に導入された標準型。観光客を乗せる各地の製糖鉄道の五分車のほとんどは、この型式が牽引しています。

巡道車109号
巡道車111号	DIEMAのディーゼル機関車
DIEMAのディーゼル機関車

隣の内燃機車庫にいるのが、かつては旅客輸送に活躍した戦後の日立製ディーゼルカー。車体側面の“勝利号”の切り抜き文字と台糖のマークが誇らしげです。Hゴムの運転台窓やプレスドアは後年の改造でしょう。イコライザー式ボギー台車がを履いているのが、ディーゼルカーとしてはちょっと珍しい。動態保存されているようです。

日立製のディーゼルカー勝利号
勝利号の切り抜き文字と台糖のマーク	イコライザー式の台車
床下のディーゼルエンジン	エンジンとギヤボックスをつなぐ推進軸

その後ろにいるディーゼル機関車は米国製。庫外にも、廃車と思われるディーゼル機関車が3両並んでいます。道床のメンテナンスに使うマルチップタイタンパー（マルタイ）もあります。

米国製954号	廃車でしょうか
マルタイもあります	駅のホームに停車する五分車

車庫の職員の方に礼を言って、五分車が停車している烏樹林駅の方に向かいます。

　

ヤードの車両

烏樹林駅の前に広がるヤードには、各種車両が展示されていて、一部には中国語のみですが説明文が貼ってあります。

車庫の中にいた勝利号と同型のディーゼルカーは、車体側面に“成功号”の切り抜き文字を付けています。鄭成功にあやかったのでしょうか。運転台の窓はHゴム化されているものの、ドアはオリジナルと思われる木製。エンジンと車輪のギヤボックスをつなぐ推進軸がはずされているので、自走はできないようです。

五分車と成功号	日立製のディーゼルカー成功号
推進軸がはずされている	成功号の車内

4両のディーゼル機関車の車体に、説明が書かれています。いずれも動輪が3軸のC型で、漢字を拾い読みすると、おぼろげながら概要がわかります。

952号は1960年に米国から4両だけ輸入した16トン型“金馬号”の1両。後に燃料をガソリンからアルコールを使うように改造したようです。

米国製金馬号952号
渓州牌934号

“渓州牌柴油搬車”のプレートを付けた15トン型934号は、天然ガスを燃料とする設計だったようです。901から950号まであり、日立牌（日立製）によく似ているとか。

順風牌の46号は、米国製のガソリンエンジンを搭載した機関車で、これにより台湾の糖業鉄路の動力を蒸機から内燃機関への切り替えが始まりました。後に、台糖で生産するアルコール燃料に改造したようです。

順風牌46号

日立牌822号

ロッド式の16.5トン型、822号日立牌は1967年から69年に54両導入された日立製。燃料の記載はありませんが、軽油を使うディーゼルエンジンでしょう。