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ヴェンゲンアルプ鉄道(WAB)でヴェンゲンへ

トリュンメルバッハの滝からバスで、再びラウターブルンネン駅に戻ってきます。山は見えそうもありませんが、標高1274mのヴェンゲンまでスイスパスが有効なので、とりあえずヴェンゲンアルプ鉄道(WAB)に乗ることに。

ヴェンゲンアルプ鉄道は、ユングフラウヨッホに登るユングフラウ鉄道(JFB)に接続する、標高2161mのクライネシャディックまで、標高1034mのグリンデルヴァルトと、標高797mのラウターブルンネンの両方から路線が出ています。メーターゲージのBOBやJFBに対して、WABの軌間は狭い800mm。1000分の250の急勾配で高低差1000m以上を克服するため、全線にわたってリンゲンバッハ式のラックレールが敷設されています。平坦な駅構内にもラックレールがあるのは、モーターがラック軸を駆動する構造のためだとか。

WABの旧型電動車 WABの旧型制御車

車両は、3〜4両の編成ごとに番号を持っているようで、勾配の下側に1〜2両の電動車(クモハニまたはクモハ)、上側に2両の付随車(サハ)と制御車(クハ)を連結しています。

1893年の開業時は蒸気機関車で、20世紀初頭の電化後は電気機関車、戦後に電車に切り替わった第一世代の車両は、以前の京阪電車のような濃淡グリーン。何故か電動車のヘッドライトは片側が貫通扉に、制御車は両側とも車体についています。

WABの旧型電動車 新塗色 部分低床の新型制御車

第二世代は黄色と黄緑に赤線の塗色で、旧型車のサハやクハと組む編成と、台車間が部分低床の2車体連接の新しい制御車と組む編成があります。車体にコルゲートのある第三世代も同色で、2両の電動車と部分低床の連接制御車の編成です。

ラッピング車もあります 部分低床車の車内
電動車の台車(上)と簡易な制御車の台車(下) 留置線には各種貨車も

先行車の回送列車と続行運転でラウターブルンネンを発車、各種留置車両の脇をすり抜けすると急勾配を登りはじめます。途中の信号所では、続行運転で下ってくる2編成と交換。電車に荷物室があるのですが、乗り切らないためか後部に貨車を連結して、スーツケースを積んでいます。ベルトを掛けているので、日本人の団体客でしょう。

側線の電気機関車と事業用車 信号所で下ってくる2本の列車と交換
貨物は団体客のスーツケース 車窓にU字谷が広がる シュタウプバッハの滝も

電車の窓から後ろを振り返ると、眼下にラウターブルンネンのU字谷が広がります。もう、対岸から落ちるシュタウプバッハの滝と同じ高さまで登ってきました。前方に目をやると、先行の電車が急勾配を登っていきます。ホテルの建物が見えてくると、もうすぐヴェンゲンに到着です。

       
続行運転の先行車         先行車が急勾配を登る

 


ヴェンゲンから引き返す

ヴェンゲンで下車。この村もミューレンと同様に排気ガスを出す自動車の乗り入れを禁止しています。

スイスパスの有効範囲に含まれない登山鉄道等は、パスを提示することで5割引の運賃になるのですが、ここからとグリンデルヴァルトからユングフラウヨッホの間だけは25%引き。もとの運賃が極端に高いので、往復すると割引でも1万円を軽く超え、視界がきかない日に登るのはもったいない。

ヴェンゲン駅に到着 ヴェンゲン駅を出て行く列車の後ろ姿

ヴェンゲンの村から標高2239mのメンリッヒェンまで、1000m近くを一気に登るロープウエーがあります。メンリッヒェンで乗り継げば、所要時間30分のヨーロッパ最長のロープウエーでグリンデルヴァルトに降りることもできます。でも、メンリッヒェンに設置したウエブカメラの映像が駅にあるモニターに映っていて、視界が完全にゼロとわかりこれも断念。

       
メンリッヒェンへ登るロープウエー         貨車を連結した編成

次の列車でクライネシャディックに降りて、ベルナーオーバーラント鉄道でグリンデルヴァルトに行くことに。先ほど、回送でヴェンゲンまで登ってきた列車が、定期列車の前に団体列車として先発するようで、スーツケースを乗せた貨車を連結して切り欠きホームに停車しています。駅員に乗ってもいいかと聞いてみたらOKとのこと。団体さんには専用車両を割り振っているようで、先頭車には誰も乗っていなくて私たちだけの貸し切り状態で発車。

信号所で登ってくる列車と交換 最後尾の電動車は新塗色
続行運転で部分低床車と角張った第三世代の電動車の編成が登ってきた

信号所で、前方には、L型の電気機関車が牽く2本の工事列車が停車中。貨車にも山上側に運転台が付いています。登ってくる2本の列車と交換。私たちの乗った下り列車の後ろには、定期列車が続行しています。

L型電気機関車の牽く工事列車 後ろに続行運転の列車が続く
運転台を持つタンク貨車 小さな箱形電気機関車

運転台のあるタンク貨車や、電車の導入前に使われていたであろう、旧型の箱形電気機関車のいるラウターブルンネンに戻ってきました。


グリンデルヴァルトへ

ラウターブルンネンからBOBのインターラーケン行きに乗り、次のツヴァイリュチューネンでグリンデルヴァルト行きに乗り換えようとすると、駅員が手招きしています。駅前にバスが停まり、電車は運休のようです。グリンデルヴァルトに向かう線路と並行するバスの車窓から、工事を行っているのが見えました。

グリンデルヴァルト駅 部分低床の連接車

グリンデルヴァルト駅前で、代行バスを降ります。WABは通常運行しているようで、グリンデルヴァルト駅に電車が入ってきます。143号の編成は、第四世代の最新型。3車体連接車で、中央に高床のボギー車を配し、その前後に運転台側にのみ台車を装備する部分低床の先頭車を、片持ち式に載せ掛ける方式で、台車部分を除き連結面近くまで部分低床式とした電車です。ドアのない中間車は、屋根の肩の部分に天窓を設けています。これを、2本併結した6両編成で運行しています。この編成、荷物室が無いようですが、支障はないのでしょうか。

メッテンベルクは見えるがアイガーは雲の中 グリンデルヴァルト下氷河

グリンデルヴァルトは、駅のすぐ先に日本語の案内所まである観光地。駅前の一本道、ハウプト通りに各種ショップやレストランが並び、あちこちから日本語が聞こえてきます。アイガーがすぐ近くに迫っているはずですが、その手前の岩山、メッテンベルクは見えるもののアイガー北壁は雲の中。でも、街外れの教会に向かう途中で、グリンデルヴァルト下氷河の姿は見ることができました。グリンデルヴァルト上氷河は雲の中。かつては街のすぐ近くまで迫っていた氷河も、年々後退しているそうです。

       
街の外れにある教会         BOB列車代行バス

グリンデルヴァルトからも何個所かの展望台にロープウエーが通じているのですが、教会からそのまま引き返して代行バスでツヴァイリュチューネンに戻ります。


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