HOME page1 p2 p3 p4 p5 p6 p7 p8 p9 p10 p11 p12 p13 p14 p15 p16 p17 p18 p19 p20 page21


レーティッシュ鉄道(RhB)アルブラ線

サンモリッツ行きREは、空席のボックスも残しながら定刻に発車。ここからサンモリッツの手前のサメダンまでは、氷河急行とクール発着のベルニナ急行が線路を共用する区間。

クール駅構内には、氷河急行に連結されていたであろう旧型の食堂車が連なって休んでいます。いまのパノラマ客車では、5千円近いランチを予約すると、直接自席に配膳されるのだとか。それで失職したのかもしれません。乗車しているのは、そんなこととは縁のない、車販も回ってこない急行列車です。

貨車にCOOPのコンテナが乗っています。レーティッシュ鉄道という限られた地域で、鉄道による貨物輸送もあるんですね。

クールに留置される食堂車群 COOPのコンテナ輸送も
新型電車の編成と交換 フォルダーライン川とヒンターライン川の合流地点

ライヒェナウ・タミンスでディセンティス方面のオーバーランド線と分かれ、車窓にフォルダーライン川とヒンターライン川の合流地点を見ながらヒンターライン川の谷を遡ると標高687mのトゥズィス駅に停車。また京急500型がいた。

ここから先が世界遺産路線のようです。1819mのアルブラ峠に向けての本格的な上りになりますが、ループ線を使うなどして最急勾配を1000分の35に抑え、ラックレールを使わないレーティッシュ鉄道の方式が評価されたとか。

トゥズィス駅にまた京急500型がいた サンモリッツ行きREの車内
アルブラ線の車窓 Ge4/4III型電気機関車が牽くアルブラ線のRE

 

ランドバッサー橋とループ線

世界遺産“レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観”のアルブラ線見せ場の一つ、高さ65mの石積みの橋、ランドバッサー橋が近づいてくると車内放送で案内があり、各車両の窓が一斉に開きます。全長142mの橋を半径100mの急カーブで渡り終えるとすぐにトンネル、抜けるとダヴォス方面への線が分岐するフィリズール駅。クール行きと列車交換です。

ランドバッサー橋はトンネルを抜けた次の橋 ランドバッサー橋を渡る
トンネルの入口で後ろを振り返る クール行きと交換

フィリズールを出ると地形が険しくなり、左回りのループ線があったようですが、トーマスクック時刻表の地図に載っていなかったので見落としました。次のベギュン駅には駅舎を利用したレーティッシュ鉄道の博物館があるとのこと。駅舎の前にルツェルンのスイス交通博物館にもあった電気機関車、クロコダイルが貨車を連結して展示されています。今回は時間に余裕がないので途中下車はしないでパス。

ベギュン駅鉄道博物館のクロコダイル 3回見えるベギュンの教会

ベギュン駅を出ると、2回にわたってトンネルの中で180度進行方向を変えて登っていきます。ベギュンの教会が右、左、右の車窓と角度を変えて3回見えます。次のブレダ駅が近づくと、右回りのループ線でその後に通る石積みの橋を見上げたあと、左回りの二重ループ線で720度回転して、1駅間で400m以上高度を稼ぎます。トンネルの間から石積みの橋を見上げ、いま通ってきた線路を見下ろします。

右回りのループ線の下から見上げる 左回りでループ線の下をくぐって
上の橋に出る 今通ってきた線路が眼下に

ブレダ駅を出ると、長さ5865mのアルブラトンネルで分水嶺を越えます。アルブラ線の最高地点はトンネルの中。ここから北に降った雨はライン川で北海へ、南はドナウ川で黒海に至ります。

 

サメダンとポントレジーナで乗り換え

急行列車は、クールから1時間50分ほどでサメダンに到着。終着のサンモリッツまで残り10分ですが、サンモリッツまで行くと次のベルニナ線の乗り継ぎに間に合わないので、この駅でアルブラ線とベルニナ線の短絡線に乗り換えてポントレジーナに向かうことに。

急行の停車しないべーベルでアルブラ線に合流した、エンガディン線からの普通列車ポントレジーナ行きが、ホームの向かい側で待っていて、サンモリッツ行きと相互に接続をとるダイヤです。普通列車はすぐに発車。制御客車を先頭に最後尾の電気機関車の推進運転、2駅7分で終点ポントレジーナに到着。

       
最後部の機関車が客車を押す         ポントレジーナ駅に到着

ここは、AC11kV、16.67Hzの短絡線とDC1kVのベルニナ線の接続駅。以前なら、クールからティラノに直行するベルニナ急行は、ここで機関車を付け替えていたのですが、いまでは交直両用電車の牽引になっています。

乗り換えるサンモリッツ発ティラノ行きの普通列車は既に入線していますが、発車まで少し時間があるので、駅構内にいる直流専用の電車を見て回ります。交換のサンモリッツ行きは、直流電車が重連で長い客車列車を牽引しています。

ベルニナ線の旧型電車の牽く列車 機関車代わりの旧型電車

ちょっと古そうな直流電車は機関車代用でしょうか、クレーンを搭載した貨車を引き連れて休んでいます。側線には、小さなディーゼル機関車が丸太を積載した貨車を連結して待機しています。

クレーンの着いた貨車を連結している 木材を満載した貨車を連結した小さな機関車

 

ベルニナ線ティラノ行き普通列車

ベルニナ線のティラノ行き普通列車は、3両の新型電車が7両の客車を牽引する10両の長い編成。ポントレジーナを定刻に発車します。ここから先はイタリア語圏。そういえば駅名もイタリア語らしくなってきました。

駅構内の外れに、エアータンク等の機器がむき出しのラッセル車が停まっています。雪が降ればこれを電車の前に連結して除雪するのでしょう。

ラッセル車 ベルニナ線の車内

8両目の乗客は全部で十数名。普通列車はよく空いています。向こうの席のイタリア語(おそらく)のカップルが窓が開けるのに苦戦しています。私も加勢しますが、取っ手を下に引いてもびくともしません。他の窓も全て同じ。いままでに乗った客車と、座席も違うが窓の開け方も異なるようです。試行錯誤の結果、取っ手の下部をガラスの方に押しつけると上部のフックが外れて窓ガラスが下げられることを発見して一同拍手。日本なら、取り扱い方法のシールが貼ってあるんですがね。

そうこうしているうちに、列車はモルテラッチュ駅に停車。氷河へハイキングに行く人々が下車します。発車してしばらくすると針葉樹林が切れ、車窓にベルニナ山群とモルテラッチュ氷河が広がります。雲が多くて氷河と空の境がちょっと不明瞭。新フルカトンネルの開通で、車窓からローヌ氷河が見えなくなってしまった氷河急行と異なり、ベルニナ急行の走る路線は3個所で氷河が待ち構えています。

モルテラッチュ氷河 ベルニナ川に沿って3両の電車が客車を牽引

列車は、氷河の溶けた水で青白く濁るベルニナ川に沿って登っていきます。やがて、標高2000m付近の森林限界を超えると針葉樹林は消え失せ、荒々しい風景が広がり、列車はベルニナ・ディアヴォェッツァ駅に到着。ベルニアアルプスの山々が見える、ディアヴォェッツァ展望台に登るロープウエーに乗り換える乗客が下車します。

ここの展望台に立ち寄りたいと思ったのですが、邪魔なスーツケースを持って登るわけには行かず、クール駅から託送で今夜の宿泊地のルガーノ駅に送る手段もあるのですが、ティラノからルガーノ行きの1日1本だけのバスの接続を考えると時間的に厳しいので諦めました。

ベルニナ・ディアボレッツア駅とロープウエーの駅 森林限界を超えた

最近はパックツアーにも組み込まれるポピュラーな展望台らしく、満足なプラットホームすら無いこの無人駅で、前方の車両でH交通社の大勢の団体さんの乗車に時間を取られて遅延。

次のベルニナ・ラガルプ駅で交換したサンモリッツ行きは、後部に貨車を連結した混合列車です。

ベルニナ・ラガルプ駅でサンモリッツ行きと交換 サンモリッツ行きは後部に貨車を連結

 

ビアンコ湖とカンブレナ氷河

列車は荒涼とした風景の中を、右に左にカーブしながら進んでいきます。正面に氷河のかかる山を見ながら、雪覆いのあるトンネルへ、抜けてしばらく行くとベルニナ線の最高地点にある白濁した湖、イタリア語のラーゴ・ビアンコの築堤が見えます。発電のためのダム湖だとか。

雪覆いのトンネルに入る ラーゴ・ビアンコ 白い湖

列車は湖畔に沿って、湖のほぼ中間地点にある立派な石積み駅舎のオスピッツォ・ベルニナ駅に到着。対岸のアルプスの峰々の間から、大きなカンブレナ氷河が流れています。この付近が、ベルニナ線の最高地点の標高2232m。ラックレールを使用しない鉄道では、ヨーロッパ最高地点です。

また、ベルニナ峠は黒海と地中海の分水嶺になっていて、ラーゴ・ビアンコの水はイタリアを通って地中海に向かうのだとか。

湖の対岸にはカンブレナ氷河 オスピッツォ・ベルニナ駅

側線に停車中の小さな保線用車両を横目に、列車は湖畔を進みます。線路が築堤の下に沈み込み車窓からラーゴ・ビアンコが消えると、標高430mのイタリア鉄道との接続駅ティラノに向け1800m以上の標高差、この先1000分の70の急勾配と最小半径45mのヘアピンカーブの下りが待っています。

保線の車両が待機 ビアンコ湖畔を行く

 


 

inserted by FC2 system