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旅の車窓から

スイス ゴールデンパス・氷河急行・ベルニナ急行

2013年の夏、スイスパスを使ってスイス鉄道の旅に出かけました。ゴールデンパスライン、氷河急行、ベルニナ急行、チェントバッリ鉄道の景勝路線に、ベルナーオーバーラントやリギ山の登山電車を巡る旅にご案内します。


夏のスイス

2013年の夏にスイスへ行きました。同年5月の労働節(日本ではゴールデンウイーク)明けから、エア・チャイナの北京からジュネーブ便が就航し、ベストシーズンの7月中旬まで、羽田からジュネーブ往復の正規割引運賃がサーチャージや空港使用料等全て込みで78,000円と少々の、破格のチケットが出ました。

これはもう行くしかありません。今回は相方と2人で、国鉄や私鉄、地下鉄やバスにトラムや船舶等(登山鉄道やロープウエーの多くは半額)大半の交通機関が乗り放題となるスイスパス、8日間の2人用セーバーの利用を前提に11日間のスケジュールを組み、ネットでホテルを押さえて、13年ぶりのスイスへ出発です。

スイス アルプス氷河急行 2000 はこちら。  スイス アルプス登山鉄道 2000 はこちら。

スイス チューリッヒ・ベルン・ジュネーブ 2000 はこちら。

※ 21ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。


ジュネーブに到着

羽田を8時半の便で出発し、北京で乗り継ぎ当日の18時半頃、ほぼ定刻でジュネーブに到着します。荷物をピックアップしてからATMでスイスフランのキャッシングをして出口に向かう途中、ジュネーブ市内までの無料乗車券発行機を見つけました。ありがたくいただいて、空港の地下にあるスイス国鉄ジュネーブ空港駅に向かいます。

次の列車は、赤い電気機関車の牽引するインターシティー。スイスはごく一部の例外を除き、特急にも乗車券だけで乗れるのがありがたい。空港からジュネーブの中央駅であるコルナバン駅まで10分ほどで到着。13年前には駅の横が始発になっていたトラムは、路線が延長されたようで、駅前を横切り先の方まで伸びています。

ジュネーブ空港駅のインターシティー コルナバン駅前のトラム

駅前のホテルにチェックインしてしばし休憩後、コルナバン駅に戻って窓口を探し、翌日から使用開始8日間のスイスパス2人用セーバー(15%引きになります)を購入します。日本でも買えますが、手数料等が上乗せされるので現地で買うのが一番リーズナブルです。

ジュネーブはスイスの西の端、人口19万人のチューリッヒに続く第二の都市です。レマン湖の南西の端、半島のようにフランスの中に突き出たこの街には、国連や赤十字をはじめとする多くの国際機関が置かれています。

レマン湖の噴水 レマン湖の向こうにモンブランではなかった

駅から坂道を下って、噴水が空高く上がるレマン湖の湖畔へ。その向こうに、モンブランが見えるかなと思ってズームアップしてみたのですが、尖った山は雪山ではないので違うでしょう。

レマン湖から流れ出てフランスに向かうローヌ川をモンブラン橋で渡るったところにあるのが、スイスの象徴とジュネーブの象徴の2人の女神が並ぶ国家記念碑。ジュネーブがスイス連邦に加盟したことを記念しています。その先には花時計、9時半になろうとしていますが、まだまだ明るい夏のジュネーブ。

国家記念碑 午後9時半を指す花時計

旧市街のトランジットモールをトラムが走っています。13年前とは塗色も異なり、新しい低床車が導入されています。ホテルで今日と明日、2日間のジュネーブ市内乗り放題のチケットをもらったので乗ってみることに。車内は間接照明になっています。

ジュネーブ旧市街のトラム 低床車の車内は間接照明

駅に行くかと思ったら、反対方向に曲がりどんどん離れていくようなので、少し先で下車して、また同じ系統のトラムで戻ります。


モントルー駅の列車

スイス2日目は、ジュネーブからベルナーオーバーラントの入口、インターラーケンへの移動です。速いのはブリーク乗り換えの国鉄ですが、スイスの鉄道景勝路線に乗るのが旅の目的。モントルーからゴールデンパスラインで向かいます。

ジュネーブから湖畔のリゾート地モントルーまでは、レマン湖に沿ったスイス国鉄の幹線のインターシティーやインターレギオで1時間ほど。でも、今回はモントルーには立ち寄らず、ゴールデンパスラインを運行する狭軌(メーターゲージ)の私鉄、モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道(MOB)に乗り換えるだけ。時刻表の上での接続列車の1本前、30分の余裕を持って到着です。

コルナバン駅のIC モントルー駅

モントルー駅構内で、写真を撮る時間がとれました。この駅で接続する私鉄にはもう1社、ラックレールでロシェ・ド・ネー山に登るモントルー・ヴヴェイ・リヴィエラ交通(MVR)もあります。駅の一番山側にはいろんな電車が停まっています。曇り一時雨のこの日の天気では、山頂まで行っても展望はきかないでしょうが、次の機会にはチャレンジしてみたい路線です。

ラックレールの登山電車 MVR

ゴールデンパスラインは、モントルーからメーターゲージのMOBでツヴァイジンメン、標準軌のBLS AG(もとのレッチュベルク鉄道BLS)でシュピーツ経由インターラーケンオスト、メーターゲージのスイス中央鉄道(Zb、もと国鉄ブリューニック線)でルツェルンに至る、私鉄3社にまたがる景勝ラインで、全部スイスパスが使えます。

3車体連接の部分低床車は、MOBの区間運転に使用する新型電車で、他では見かけない四角い車体です。

区間運転用MOBの電車 電車が重連で客車を牽くMOBの普通列車

次のMOBの列車がホームに入線しています。東海型153系の低窓車を連想させるスタイル、片運転台を背中合わせに連結した2両の電車が、3両の客車を牽引します。先頭車は荷物車と2等車の合造車(クモハニ)、2両目は1等車と2等車の合造車(クモロハ)で、いずれも中央の扉を境に部屋を分けています。メーターゲージで車体が小さいため、4人ボックスの2等の座席は広くはありませんが、空いているので2時間の乗車に全く問題なし。

先頭車は荷物合造車クモハニ 運転室後部の荷物室

日本の国鉄155系修学旅行電車のような、座席上に荷物棚があります。大きなスーツケースは乗らないので、混んでいるときは荷物室に預かってもらうのでしょうか。この車両、トイレは垂れ流し式です。

MOBのツヴァイジンメン行きは1時間間隔で、1本前の列車は小田急NSE車や名鉄パノラマカーのような先頭展望車を連結した、ゴールデンパノラミック車両です。でも、先頭わずか8席のVIP席の指定確保は困難で、他の席は写真の撮りづらい固定窓のパノラマ車になるためパス。2時間前はオリエント急行タイプのゴールデンパスクラシック編成で、これには乗ってみたかったのですがジュネーブ発が早くなりすぎるので断念。

2等の車内 MOBのパノラマ車を牽いてきた電気機関車

 

ゴールデンパスラインでツヴァイジンメンへ

黒い電気機関車が、Vip車のないパノラマ編成を牽いて隣のホームに到着します。向かいの国鉄線ホームに、ジュネーブ方面からの接続列車が到着すると、ツヴァイジンメン行きMOBの発車です。

ジュネーブ方面からの接続列車が到着 車窓のレマン湖とモントルーの街
ここはワインの産地 ブドウ畑の中を走る 留置線に1924年製の28号

モントルーの駅を出るといきなり急勾配が始まりヘアピンカーブで180度向きを変え、吊りかけモータを唸らせて左に右にカーブしながら列車は住宅地の裏からブドウ畑へと登っていきます。

途中の側線に、クラシックな荷物電車が工事用車両を従えて留置されています。1924年製のMOB最古参車で、動態保存されているようです。その先の駅では、もう少し新しい電車も休んでいます。屋根の上に乗っているのは抵抗器でしょう。

留置線の電車 はるか下にレマン湖を見下ろすところまで登ってきた
小さな駅でおばあさんと孫が下車 工事用列車と交換

はるか下に湖面を見下ろす4回目のヘアピンカーブを曲がると、列車はレマン湖に分かれを告げて東へ向かい、山に分け入っていきます。多くの観光客は、ゴールデンパスクラシックやゴールデンパノラミック車両に乗るのか、この普通列車はよく空いています。各駅に停車しながら、わずかばかりの地元の乗客を拾い、また降ろしていくローカル列車です。

       
Montbovonで接続する電車         凸型電気機関車

モントルーから40分ほどで Montbovon に到着します。まだジュネーブから続くフランス語圏ですが、何と読むのでしょう。モンボヴォン? ここから北へ分岐して Broc に向かう、赤と白のユニークな塗り分けの電車が乗り換え客を待っています。近くには工事用でしょうか、凸型電気機関車の姿も。

この駅で、モントレー行きのVip車両のない電気機関車牽引、屋根の肩の部分に天窓付きのパノラマ車の編成と交換です。車体の中央にドアがあり、その前後が低床になったバリアフリーの客車も連結していて、こちらに比べると乗車率は良いようです。

Vip車なしのパノラマ編成と交換 台車間部分低床のパノラマ車
パノラマ編成の最後尾 牧場のある田園風景

次に交換した列車は、ゴールデンパスクラシック。電気機関車牽引で、5両の客車はクラシック車3両の前後を一般型の客車ではさむ5両編成。クラシック車は2両が1等のため、2等はクラシック車1両と普通車が2両。

ゴールデンパスクラシック編成と交換

 


 

 

 

 

 

  

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