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南京長江大橋

再びタクシーで他のツアー客を追いかけ南京長江大橋へ。市の西北側を長江(揚子江)が流れています。南京長江大橋は、建設当時は揚子江の最下流にかかる橋で、ソ連の技術援助で工事を始めたものの、中ソ関係の悪化によりソ連の技術者が引き揚げてしまったため、文化大革命の最中に中国が自力で完成させたものだとか。上層が自動車(歩道もあります)、下層が鉄道の二層構造。対岸まで4km以上あるそうで、向こうが霞んでいます。それにしても、当時のトラックはみんなボンネットタイプですね。

南京長江大橋 下層が鉄道

市の東部、紫金山に孫文の墓である中山陵があります。屋根瓦の独特の青は国民党の色。共産党と厳しく対立した国民党ですが、辛亥革命を第1次革命、中華人民共和国の樹立を第2次革命と位置付け、共産中国における孫文の評価は高いと見受けました。

入口の牌坊から、墓道、陵門、碑亭、祭堂、墓室まで、山の斜面に向け一直線で続き、参拝客なのか観光客なのか、大勢の人々でごった返しています。

中山両の入口の牌坊 まだ人民服の人も
墓道から陵門、碑亭、祭堂、墓室と続く “天下為公”と書かれた陵門

“天下為公”の文字のある陵門をくぐり、碑亭を抜け、長い階段を登りつめると三民主義の“民族”、“民権”、“民生”の文字のある祭堂に至り、その奥が墓室です。階段は400段近くに及び、疲れた人は腰を下ろして一休み。

碑亭 孫文の墓である中山陵
祭堂 祭堂から碑亭を振り返る

 


列車で南京から上海へ

わずか半日の南京観光のあとは、上海に戻るため南京駅に向かいます。連結トロリーバスが頻繁に行き交いますが、地下鉄ができたからか、2012年の再訪時には姿を消していました。

ND2型ディーゼル機関車の牽引で、南京西始発の杭州行き305次直快が全車22系の緑皮車の編成で入線してきます。これに乗って上海へ。

市内を走るトロリーバス 南京駅に杭州行き305次直快が入線
南京西−上海−杭州のサボ 荷物車に積み込み

向かいのホームに東風4型の牽引で入線してきた列車のサボは“哈爾浜”。中国の広さを実感します。硬臥車主体の編成で、当時は特快といえども客車はリブ付き冷房なしの緑皮車22系。

向こうのホームに哈爾浜行きが入線 上海−哈爾浜のサボ

305次直快は、南京→上海間に5時間15分を要します。往路の上海→南京間の合計乗車時間は4時間半以下なので、2次旅游が速いことがよくわかります。汚れた窓ガラス越しの撮影ですが、南京−上海間の車窓から見かけた当時の中国国鉄の車両をご覧ください。

建設型蒸気機関車 鎮江駅で対向列車
業務用の客車? 建設型蒸気機関車

貨物列車と頻繁にすれ違います。当時の中国のエネルギー源の中心は石炭でした。貨車には石炭車が多いかったようです。

レールバス? 夕闇迫る上海近郊の貨物列車

305次直快の南京から蘇州までの車窓を動画でご覧ください。

 南京駅から蘇州駅まで1991年当時の車窓

 


旅のヒント

1991年当時の中国は、よい意味でも悪い意味でも社会主義を色濃く残していました。一流ホテルでも、設備は立派だがメンテナンスが悪いためかどこか不具合があることや、デパートに行っても、店員は売ってやるという態度など。一方、予定にない南京大虐殺の記念館を、ガイドを1人つけて案内してもらったにもかかわらず、入場料とタクシーの実費以外はお礼をしようとしても受け取ってもらえませんでした。実費分も、領収書を示して、外国人料金で高くてすみませんと言いながら。

4年後に再び中国に行ったときは、何でもお金が第一に大きく変化していました。客を土産物屋に案内してバックマージンを取るやり方など、台湾や香港と同じシステムが確立していました。同じようなコースの場合、今では当時の半分〜1/4の料金ですから、当時のようなやり方では経済的に成り立たないのでしょう。

列車の旅の必需品といえば時刻表でしょう。毎月発行される日本と違い、中国では年に2回程度の発行だそうです。駅の売店で時刻表を入手しようとしたのですが、蘇州、無錫、南京のいずれも売り切れとのことでした。中国では日本円で100円以下で入手できた時刻表ですが、日本で買うとその10倍です。でも、1995年に2度目の中国に出かけたときはあらかじめ神田の中国書籍専門の東方書店で購入して、日本から持っていきました。今ならネットで簡単に時刻検索できますね。

列車の車内では、お湯は無料で配ってくれました。湯飲みに入ったお茶は有料です。中国ではお茶の葉を湯飲みに直接入れて、その上からお湯を注ぎます。今では、各車両に備え付けの給湯器からセルフサービスです。カップとティーバッグを持参するのがよいでしょう。

1991.3旅
2000.5記
2016.1改


お役に立つリンク集

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