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旅の車窓から

ペルー リマ・クスコ・マチュピチュ・ナスカ・プーノ

ペルーの首都リマからナスカの地上絵、インカの首都クスコからペルーレイルに乗ってマチュピチュへ、標高4,300mのララヤ峠を越えてアンデスの湖チチカカ湖にご案内します。


南米ペルーをめぐる旅

2012年の夏休みにペルーに行きました。初めての南米です。首都リマからナスカの地上絵を見に行き、標高3,400mインカの首都クスコからペルーレールでマチュピチュ遺跡を往復。さらに、4,300mのララヤ峠を越えて標高3,800mのアンデスの湖チチカカ湖を巡ります。限られた日程でこれだけの行程をこなすには、パックツアーしかありません。それも、同行者の都合で金曜発の日曜帰着で9日間を3連休を絡めて4日の休暇で行けるという条件に合致するのは、格安航空券で大手の旅行社に成長したH社だけ。それにしても現地は乾期の観光シーズンに加えて日本は3連休で料金が高い。

今まで、パックツアーを使うときは、途中で離団して一部区間のバス移動を鉄道に変えて列車の旅を楽しんできました。今回も、クスコからプーノへの移動日にペルーレイルのアンデアンエクスプローラーが運行されていることを確認したうえで、私だけバスから列車にアレンジをH社に依頼したところ、できないとの返答。それなら自分でチケットの手配(ネットで簡単に予約できます)とも考えたのですが、この列車はオリエントエクスプレスが合弁で運行する外国人専用とわかり、豪華列車には余り興味がないので取りやめ、ペルーでの列車の旅はオリャンタイタンボからマチュピチュの往復だけにしました。

パックツアーといえば、参加者は年寄りばかりとのイメージがありますが、このような条件のツアーは平均年齢がぐっと低く、20歳代の男女も。皆さん若いのにお金がありますね。ヨーロッパなら個人旅行で行っても、南米はちょっとということとで、総勢16人の中には旅慣れた一人参加も何名かおられます。でも、旅行の終盤でパックツアーにしておいて良かったという事態が発生するとは。

※ 9ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。

 


リマからピスコへ

成田を午後に発ち、日付変更線を超えて同日昼のヒューストンで乗り継ぎ、ペルーの首都リマのホルヘ・チャベス国際空港に到着したのは深夜。乗り継ぎを含めると、日本から20時間と少々かかります。

ホテルにチェックインしたときには日付が変わろうとしていましたが、翌日はナスカの地上絵を見るため、早朝からバスで出発です。眠っ! 太平洋に沿ってパンアメリカンハイウエーをリマから南へ240km、3時間半かけてピスコの街を目指します。リマの市街地を抜けると砂漠が広がりますが、その中の電気も通っていないところに粗末な小屋が点々と現れます。これが成長していくとスラム街になるのだとか。この国の厳しい現実です。

夜明けの海岸線を走る 砂漠の中のスラム街

途中でツアーバスは、トイレ休憩を兼ねて土産物店に立ち寄りますが、そのまわりは高い塀で囲まれ、扉は固く閉じられていて中をうかがい知ることはできません。到着したバスがクラクションで合図をするとガードマンが出てきて扉を開け、バスが中に入るとまたすぐに閉ざします。うーん、ここは治安に問題がありそう。

スラム街で遊ぶ子供達 ピスコのバスターミナル

ナスカの地上絵の遊覧飛行は、リマから237kmのピスコ、303kmのイカ、444kmのナスカの3個所の飛行場から出ています。飛行機の料金は、飛行時間の短い地上絵に近いナスカが最も安く、イカ、ピスコの順に高くなるようですが、我々は料金の高いツアーだったからか、リマからの所要時間が一番短い(といっても片道3時間半もかかりますが)ピスコから乗ることになりました。リマではどんよりと曇っていた空も、ピスコに近づくと青空が広がってきます。

ピスコの漁港 漁港の漁船群 木造船が現役 地元の飲食店とちょっと可愛い三輪タクシー

太平洋に面したピスコは、ピスコ川の河口に栄えた港町。2007年夏のペルー大地震の被害が大きかったところです。実はこの年の夏休みにペルー旅行を計画していたのですが、首都リマからナスカ方面の道路は不通となり、リマでも一部で被害が出て、治安も悪化したことから取りやめた経緯があります。

大きな碑が建つピスコの漁港には、多くの漁船が係留されています。首都リマでは見かけませんが、地方に行くとインドのオートリキシャにドアを取り付けたような三輪タクシーがチョロチョロ走っていて、かわいい。

 


ピスコ空港から小型機でナスカへ

ピスコの郊外にあるピスコ空港は、最近整備された新しい空港で、まだ国内各地との定期便は無い様子。一般の利用者は、ナスカの地上絵の観光客のみと見受けました。軍用機が駐機していて格納庫もあるので、空軍基地を転用したのかもしれません。途上国で軍事施設の写真を撮るとただでは済まないこともありますが、空港内の撮影に制限はなく、観光立国ペルーでは外国人観光客にはおおらかと感じました。

ピスコ空港の管制塔とターミナルビル 離陸する観光用の小型機と駐機する軍用機
観光用小型機と軍用機が同居 小型機の操縦席

搭乗する小型のプロペラ機の座席は左右1列ずつの12人。全員窓側席なので見晴らしは抜群。乗員は機長と副操縦士の2人。乗客は欧米人と日本人の混載です。あらかじめ測定した各人の体重に従って座席が割り振られます。

少し滑走するとすぐにふわりと浮き上がり、眼下に軍用機、右に太平洋と沖合を行く船舶、沿岸近くで操業する多くの漁船をのぞみながら、内陸へと機首を向けます。

ピスコ空港を離陸 沿岸では漁船が操業中
砂漠の中に川沿いの緑地 緑地の向こうに砂漠が広がる

好天に恵まれて気流も安定し、小型機でも揺れることもなく、ナスカまで片道30分ほどの飛行です。周囲は砂漠ですが、その中を流れる川の流域にだけ、オアシスのように緑の農地が広がります。

 

ナスカの地上絵

空からは細い線見えるナスカの地上絵は、線は黒い地表の小石を取り除き、そこに幅20cm深さ10cm程度の浅い溝を掘って明るい地肌を露出させることで描いているのだとか。描かれた時期は紀元300年から800年頃と推測され、少なくとも1300〜1800年経過しているが、雨のほとんど降らない砂漠地帯だから今まで消えずに残ったといわれています。

     
四角形(台形)       クジラ(長さ60m)

地面には多くの直線が左右に走り、幅が広がり台形になった部分も何カ所かあります。名前が付いた有名な絵の上に来ると、機体をグイッと傾けて旋回して、窓のすぐ下に地上絵がよく見える姿勢をとり、副操縦士が片言の英語と日本語で説明してくれます。すぐに、今度は反対側の窓が下に来るように8の字型に旋回して、どちらに座っていても地上絵がよく見えるように操縦してくれますが、乗り物酔いに弱い人にとってはかなり厳しいかも。

宇宙人(宇宙飛行士 身長30m) サル(長さ110m)
 
キツネ(犬という説も 長さ50m) ハチドリ(長さ100m)

地上絵の中を突っ切るように、パンアメリカン・ハイウエイが走っています。そのすぐ横に観測塔が建っています。ここに登ると地上絵が見えるようになるのでしょう。すぐ横には長さ97mの大きな木(海藻という説も)と45mの手が描かれています。

クモ(長さ50m) コンドル(長さ140m)
オウム(トンボという説も 長さ200m)) 手(上45m)、木(下70m)とパンアメリカンハイウエー横の観測塔

ナスカの地上絵は、1939年にアメリカ人の考古学者ポール・コソックがナスカ台地飛ぶ飛行機の上から、無数の線や巨大な地上絵を発見したとのが始まりで、その後、ドイツ人の数学者マリア・ライヘがこの地に住み、地上絵の解読と保存に半生を捧げたとされています。パンアメリカン・ハイウエイ横の観測塔も彼女が建設したものなのだとか。

     
山の上にも三角形       イカの街の上空を通ってピスコへ

小型機は、30分近く地上絵の上で旋回した後、30分ほどかけてピスコ空港に引き返します。この日は順調だったピスコから1時間半程度の飛行ですが、有視界飛行のために他空港からの便も含め地上絵の上空に入れる飛行機の数が制限されており、悪天候の時はさらに削減されるため、搭乗までに待ち時間がかかる場合も多く、出発は早朝でもリマへの帰着時間は読めないのだとか。

 


ピスコサワーとチチャモラーダ、インカコーラ

ピスコの地名が出たところで、ペルーの飲み物ピスコサワーを紹介しましょう。ピスコはペルーのピスコ地方産のブドウから作るアルコール度数42度程度の無色透明に近い蒸留酒です。これに卵白とレモン果汁に少量の砂糖を加えてシェイクするとできあがり。卵白の泡の表面の褐色はシナモンで、日本には無い爽やかな飲み物です。

ピスコサワー チチャモラーダと原料の紫トウモロコシ

黒紫のジュースはチチャモラーダ。紫とうもろこしとパイナップルの皮や芯、シナモンをたっぷり水と鍋に入れて1時間ほど煮込んで、最後に砂糖とレモン汁を入れてできあがり。甘さを控えめにするとなかなかおいしい。

でも、何と言ってもペルーの国民的飲料はインカコーラでしょう。この黄色い飲み物はレストランからスーパー、露店まで、500ccから2.5Lの大きなボトルまで、ペルーのどこでも売られています。リマのスーパーで冷蔵庫から取り出して1本買ってみましたが、甘くて炭酸が弱く、私にはコカコーラの方が良いかな。

     
リマのスーパー       インカコーラ

 


 

 

 

 

 

 

  

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