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ヴェンティミリアからインターシティーでジェノバへ

南フランスのニースから国鉄の各駅停車に乗って国境を越え、イタリア鉄道との接続駅ヴェンティミリアに到着しました。小さな街のようですが、フランスとイタリアを結ぶティレニア海沿いの幹線に加え、トリノ方面から山を降りて来るイタリア鉄道のローカル線も接続していて、それなりの規模の駅です。ここで始発のミラノ中央駅行きのIC(インターシティー)に乗り換えて、ジェノバに向かいます。

列車はすでに入線していています。電気機関車が牽引する車両は、2等でも1室6人のコンパートメントでゆったりとしています。でも、フランス国鉄モナコ市駅で切符を買うとき、窓側と指定するのを忘れたら3人掛けの真ん中の席になってしまいました。次回から気をつけなくては。

イタリア鉄道ヴェンティミリア駅 ヴェンティミリア駅で発車を待つミラノ中央駅行きIC

始発から窓側にも廊下側の席にも他の客が乗ってきたので、近くの窓側席の空いているコンパートメントに移動します。ここから斜塔で有名なピサまで、線路はイタリアンリヴィエラと呼ばれるティレニア海に沿っています。特にジェノバまでの西リヴィエラは花のリヴィエラと呼ばれるそうですが、残念ながら11月は季節外れ。

幸い列車のコンパートメントは海側ですが、しばらく進むと線路の付け替えをしたようで、長大トンネルが連続して海が見えなくなります。主要駅の一つ、サンレモ駅ではトンネルの中に停車します。

ICの車内はコンパートメント ICの車窓に広がるティレニア海

長い長いトンネルを抜けると、路線の改良が終わっていない区間にさしかかったらしく、海岸沿いのカーブがきつい単線区間となり、列車の速度が落ちますが景色はぐっと良くなります。

イタリア鉄道もフレッチャロッサやフレッチャビアンカ等の高速列車ができて、今ではインターシティーの停車駅はJRの特急並み。15分から20分ごとに停まって、丹念に乗客を拾っていきます。

ティレニア海に浮かぶひょっこりひょうたん島? ICの途中停車駅

私の占領していた窓側席にも指定券を持った乗客が乗ってきたので、やむなく本来のコンパートメントの席に戻ります。ジェノバ近郊区間に入って、やっと30分間無停車で快走し、市街地の西にあるジェノバ・プリンチペ駅に到着です。

 


夜のジェノバ旧市街

ジェノバ・プリンチペ駅前広場のすぐ先にあるホテルを予約して、道順はあらかじめ google map のストリートビューでシミュレーションしていたのですが、駅構内が工事中で、本来の出口と違う場所に出てしまったようです。こんなときは、磁石が役立ちます。

ホテルにチェックインしてしばし休憩後、夕食のレストランを探しに夜の街に出かけますが、近くに適当な店がありません。王宮の横を街の中心に向かって歩いていくと、ベネチアと並ぶ海洋都市、ジェノバのかつての繁栄を現在に伝える建物群が建ち並ぶ、世界遺産地区まできてしまいました。

夜のジェノバ・プリンンチペ駅 王宮の横を行くトロリーバス

さらに進むと、中央に大きな噴水のある広場に出ました。Mマークの地下鉄駅があり、ジェノバの中心フェッラーリ広場まで来てしまったようです。広場に面したカルロフェリーチェ劇場やアカデミア宮殿の向かいに、若者で賑わっているレストランがあるので入ってみます。

ウエイトレスに英語メニューがあるか聞いてみても、もちろんなし。それなら、隣の客が食べているプレートを指さして、あれと同じものをと言って注文してみても通じません。すると彼女が片言の英語が話せるウエイトレスを連れてきて、この店はビュッフェスタイルで、ドリンク1杯とのセットになっていると教えてくれます。

フェッラーリ広場の噴水 フェッラーリ広場に面したレストラン
レストランの内部 ビールとビュッフェタイプの食事で7ユーロ

それならと、ビールを注文して、案内された店の奥に行ってみると料理がずらっと並んでいます。暖かいものはポテトフライぐらいですが、これなら好きなものを好きなだけ取ってこられるので注文で苦労することはありません。周りの客を観察していると、帰りにレジで支払うシステムのようです。デザートまで、満腹になって、均一料金は何とわずか7ユーロ。明日も来ようかなと思ってしまいます。

フェッラーリ広場から地下鉄に乗ればジェノバ・プリンチペ駅に戻れますが、地図を見ると距離にして1.5km程度でしょうか、途中にあった世界遺産地区を素通りしてきてしまったので、もと来た道を歩いてホテルに戻ることにします。

広場に面したカルロ・フェリーチェ劇場(左)と
アカデミア宮殿(右)
旧市街のガリバルディー通り 世界遺産地区

狭い石畳のガリバルディー通りに面して、中世ジェノバで交易で財をなした貴族の豪華な邸宅群が並んでいます。市庁舎として使われているトゥルシ宮をはじめ、赤の宮殿や白の宮殿、メリディアーナ宮殿など美しくライトアップされ、かつての海洋共和国として栄えたジェノバの面影を今に伝えています。この他にも周辺にはいくつもの宮殿が点在し、ストラーデ・ヌオヴォ(新しい道)ととして世界遺産に登録されています。

市庁舎(トゥルシ宮) 赤の宮殿
メリディアーナ宮殿 アンヌンツィアータ教会

 


横に走り縦に上下するジェノバのエレベータ

翌日はジェノバ市内の楽しい乗り物巡り。ホテルでバスや地下鉄に共通の1日乗車券を買える場所を訪ねたら、フロントで売ってくれました。まずは、チェックイン時にフロントでもらった地図で気になっていた、ホテルの入り口のすぐ隣にある公共エレベータに向かいます。

入り口のドアを入ったところに券売機と刻印機があり、その先にエレベータの箱が水平に奥からこちらに向かってくるのが見えます。箱には窓ガラスも入っていて、座席やつり革まであり、小さな電車のようです。ドアが閉まると、エレベータはトンネルに敷かれた線路の上を奥に向かって走り始めます。無人運転で、車掌さんは乗っていません。

ジェノバ・プリンチペ駅近くの
エレベータの入口
エレベータの箱から見た
長い通路の向こうの入口
エレベータが線路上を水平に走る
やがて複線区間になり もう1つの上から降りてきた箱と すれ違い

しばらく行くとポイントを渡って複線になり、右に大きくカーブして、トンネルの奥で一旦停まります。このとき、奥から出てきてすれ違ったもう1両の箱が、いま通ってきた線路を戻っていきます。私の乗った箱は、今度はエレベータになって上に登り始めます。ドアが開いて箱から降りると、ごく普通のエレベータ。建物の外に出れば、そこは道路で車が走っています。近くには、城の建物を利用した博物館も建っています。

エレベータの上部の出口 丘の上に出ると城があった

この珍しいエレベーターは、駅前の通りと丘の上の住宅地を結ぶもので、水平に230m余り奥へ走った後、69m上に登る構造になっています。山が海に迫ったジェノバの地形に適した、面白い乗り物です。下りに乗ったときの様子を動画でご覧ください。


垂直に上下し、水平に走るジェノバのエレベータ

 

ジェノバ・プリンチペ駅の列車

エレベータを下りて、すぐ近くのジェノバ・プリンチペ駅にやってきました。狭い駅前広場の一角では、ジェノバの偉人コロンブスの像が駅舎とバス乗り場を見下ろしています。アメリカ大陸を発見したクリストファー・コロンブスは15世紀半ばにジェノバで生まれたことになっています。

     
ジェノバ・プリンチペ駅前広場       コロンブスの像が広場を見下ろす

市街地の西に位置するジェノバ・プリンチペ駅は、両側をトンネルに挟まれた崖の下に位置しています。構内に入ると、電気機関車プッシュプルのローカル列車や、丸い顔をした豪快な吊りかけモータ音の旧型電車が出入りし、連接車体の電気機関車が待機しています。市の東に位置するジェノバ・ブリニョーレ駅との間は、市街地の裏をトンネルで抜けています。

前後をトンネルにはさまれ
崖下に位置するジェノバ・プリンチペ駅
プッシュプル編成のローカル列車
連接式の電気機関車 イタリア鉄道の中距離電車

 


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