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再び夜のジェノバ旧市街

地下鉄を、サン・ジルジョで下車します。ジェノバのウオーターフロント、旧港の近くに建つのはサン・ジルジョ宮殿。そこから旧市街に入ったところにスピノーラ宮殿があるはずと、地図を見ながら狭くて薄暗い路地をウロウロ。やっと見つけたロココ調の装飾のある宮殿は、美しくライトアップされていました。

サン・ジョルジョ宮殿 スピノーラ宮殿
商店街の上に教会が乗っている ジェノバの王宮

スピノーラ宮殿を探し回っているときに見つけた教会は、商店街を土台にしてその上に建っています。この付近もBSのテレビ番組、世界ふれあい街歩きで散策していましたね。

旧市街からホテルに戻るジェノバ・プリンチペ駅行きのバスを途中下車して、王宮と大学宮殿を見て、ジェノバの宮殿巡りを制覇しました。

大学宮殿 スパゲッティカルボナーラとトマトサラダ

王宮の近くに小さなレストランを見つけて夕食にします。英語メニューはなく、主人にも英語は通じませんが、スパゲッティーボンゴレやビッラがビール、トマトがポモドーロぐらいのイタリア語なら私にもかろうじてわかります。トマトサラダは、スライスしたトマトに塩とオリーブオイルをかけていただきます。個人経営の店らしく支払いは現金のみ、カードが使えません。


インターシティーでラ・スペツィアへ

翌朝は9時前のインターシティーで、ジェノバ・プリンチペ駅からラ・スペツィアに向かいます。チケットは前日に、ラ・スペツィアからローマの区間も含めて窓口で購入しておきました。今度は、窓側席を指定することを忘れないようにして。

電気機関車に牽かれて、ローマ・テルミニ行きICがほぼ定刻に入線して来ます。時刻表で見てジェノバ・プリンシペが始発かと思っていたのですが、すでに大勢の乗客が乗っていて、ジェノバで下車する乗客もいます。

ジェノバ・プリンチペ駅に
ローマ・テルミニ行きインターシティーの入線
トンネル内で窓に映ったコンパートメント

私の席に中年女性が座っています。彼女の指定席は廊下側のようで、向かいの窓側の化粧がちょっとケバイイタリア娘の家族か知り合いで、娘が私に向かって廊下側に座れとイタリア語で言っているようですが、窓側を主張して立ち退いてもらいます。

列車は次のジェノバ・ブリニョーレを発車すると、海沿いを走ります。今日もコンパートメントは海側で、東リビエラからチンクエテッレの車窓を期待していたのですが、あいにくお天気がイマイチ。

雲が垂れ込め鉛色の東リビエラの車窓 ラ・スペツィア中央駅に到着したインターシティー

全車禁煙の車内で向かいのケバイ娘がタバコを吸い始めたので、注意して止めさせようとしてよく見ると電子タバコらしく、先から出ているのは煙ではなく蒸気でしょうか、匂いは全くありません。横のオヤジが娘に話しかけ、シガレッテとかニコチーナとか言っているので、タバコの話でしょう。このオヤジが途中駅で降りると、また別の女性が乗ってきて、6人部屋のコンパートメントは常に満席。よく混んでいます。

インターシティーはジェノバから1時間と15分程で、ほぼ定刻にラ・スペツィア中央駅に到着します。到着前に今日これから訪れる予定のチンクエ・テッレ(5つの村)の村々を通過します。山が海に迫り、海岸沿いのトンネルの間のわずかな区間に駅が設けられています。


ラ・スペツィア中央駅と駅前ホテル

ラ・スペツィアは中央駅は、地中海沿いに走るイタリア鉄道の幹線の主要駅の一つです。ここを始発、終点とするローカル列車も多く、いろんな車両が出入りします。それにしても、電車の落書きがひどいですね。

落書き電車 プッシュプルの二階建て客車
プッシュプルの部分低床客車 ラ・スペツィア中央駅

ラ・スペツィアでは、中央駅の向かいの小さなホテルをネットで予約していました。まずは荷物を預かってもらいに行くと、雑居ビルのようで、玄関に鍵がかかっています。バウチャーをよく見て、英語で“到着時間を連絡してね”との記載があることに今ごろ気付きました。いくつもあるインターホンの中からホテルのボタンを押すと中から返答があり、鍵を解除してくれます。留守でなくてよかった。エレベータに乗ると勝手に3階まで上がっていきます。不思議な気がしましたが、上でボタンを押してエレベータを呼んだだけかも。

ホテルはこのビルの3階の一部だけ。フロントもなく、ホテル部分に入るドアの鍵を開けて中の廊下で、お姉さんとチェックインの手続きです。翌朝の出発が早いことを告げると、朝食になるものをスーパーで買ってくるけど何が良いか聞いてくれます。パンとヨーグルトと果物をリクエストしたところ、私が出かけている間に買ってきて、冷蔵庫に入れておくとのこと。

ホテルにはフロントが無く廊下で受付 キーを差し込まないと動かないエレベータ

キーホルダーを渡してくれますが、部屋の鍵にこの階のホテルの入り口の鍵、エレベーターを動かすときの鍵、それに建物の玄関の鍵が付いていて、いったいどれがどこの鍵だか。

先に支払いも済ませ、翌朝は玄関のポストに鍵を入れてくれればいいよ、私は向かいの部屋に住んでいるから何かあったら呼んでね、と言ったお姉さんに、その後顔を合わせる機会はありませんでした。こんなホテルは初めて。


バスに乗ってポルトベネーレ

ラ・スペツィアには、駅の外れにイタリア鉄道の鉄道博物館があるものの、開館日は土曜日だけ。それに合わせてラ・スペツィアを訪れることも考えたのですが、スケジュールに無理があるため今回は断念。

まずは、5つの村チンクエテッレとともに世界遺産に登録されている半島の先にある村、ポルトベネーレ(女神の港)に向かいます。チンクエテッレと違い、この村には鉄道が通じていません。ラ・スペツィア中央駅から少し先の、街中のガリバルディー通りの交差点にある停留所でバスを待ちます。ポルトベネーレ行きのバスは30分間隔。切符は近くの新聞スタンドで帰りの分も含め2枚購入しておきます。

ラ・スペツィアのバス通り バスの車窓から 柵の向こうは海軍の施設?

ラ・スペツィアはイタリア海軍の軍港のある街。駅の近くにも軍の施設があります。海沿いの曲がりくねった狭い道を走るバスの車窓から高い屏が途切れると、柵の向こうに港に停泊する艦船が見えます。リアス式の静かな湾に浮かぶ丸い大きな生け簀は、日本向けのまぐろの畜養施設かもしれません。

大きな生け簀がいくつも 静かな湾の集落を通って
バスの車窓から見たポルトベネーレ バスの終点はこんな所

バスは地元民の足として車内は混み合っていますが、オフシーズンの今は他に観光客らしき人を見かけません。停留所毎に乗客が降りていき、途中から座れました。30分ほどで、終点のポルトベネーレに到着。バス停から坂を降りていくと小さな港があり、漁船が係留されています。さらに先へ、パステルカラーの建物の並ぶ海沿いの道を歩いていくと、岬の先端に建つ白と黒の縞々模様のサン・ピエトロ教会で行き止まり。ゴシック風のこの教会、内部もやっぱり縞々。

ポルトベネーレ女神の港に停泊する漁船 サン・ピエトロ教会
リーグリア海とサン・ピエトロ教会 教会の内部
チンクエテッレ方面の海岸線 バイロンの洞窟

教会の裏手の岩礁はバイロンの洞窟とよばれ、静かな入江になっています。ここからリーグリア海に山が迫るチックエテッレ方面まで見渡せますが、この日はお天気がイマイチ。

坂になった路地の奥の旧市街へ向かいます。狭い石畳の道に置かれたベンチはネコの指定席。

狭い路地が続くポルトベネーレ旧市街

階段を登るとサン・ロレンツォ教会が現れます。12世紀のゴシック・ロマネスク様式だとか。それにしても、オフシーズンで観光客はいないにしても、お昼前の旧市街で誰も人に出会いません。まだ、シエスタの時間には早いと思うのですが。

     
旧市街のサン・ロレンツォ教会       教会の内部

 


再びバスでラ・スペツィアへ

夏の観光シーズンは、ポルトベネーレからチンクエテッレに向かう船がありますが、11月は運休中。もと来た道を、バスでラ・スペツィアに戻ります。

往路でポルトベネーレ行きのバスに乗った停留所を過ぎると、バスはラ・スペツィア中央駅と反対方向に曲がります。地図で見ると、こっちがラ・スペツィアの街の中心のようで、市場の近くで降りてみることに。

ラ・スペツィア行きのバス ラ・スペツィアの市場

午後になって、市場はもう店じまいの準備が始まっているようです。すぐ近くにあるサンタ・マリア・アッスンタ教会はかつてはラ・スペツィアの大聖堂だったのだとか。やっぱり縞々の外観です。

商店街を歩いてラ・スペツィア中央駅に戻ります。お店の壁に梯子をかけて、雪の結晶のかたちの飾りを取り付けています。クリスマスの準備でしょう。

サンタ・マリア・アッスンタ教会 商店街ではクリスマスの飾り付けの準備

 


 

 

 

 

 

 

 

 

  

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