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嘉義から阿里山森林鐵路で竹崎へ

阿里山森林鐵路の乗り場は、嘉義駅の改札を入った駅本屋側のホームの先にあります。車庫のある隣駅の北門から、台湾車両製の赤いディーゼル機関車に牽かれて回送列車が入線してきます。阿里山線のホームには機回り線がありますが、機関車はそのまま。阿里山に向かって、推進運転で後ろから押していきます。

阿里山線は改札を入った台鉄ホームの先 北門からの回送列車が入線
阿里山側の先頭車は運転台付き非貫通2枚窓 側面に阿里山−嘉義の表記

機関車につながった客車は4両ともロングシート。貫通扉はあるものの、幌は付いていません。行き先は、“阿里山−嘉義”と車体の側面に直接記入していますが、阿里山線は2012年12月に嘉義から平坦区間の竹崎までが、数年前の台風の被害から復旧して運転を再開したばかり。平日は嘉義−北門間2往復、週末と祝日は嘉義−竹崎間2往復の運転で、この列車は竹崎行きの最終列車です。

2014年6月段階では、山岳区間の三重ループを越えて奮起湖まで開通し、運転区間が伸びています。2015年の全線運行再開を目指して工事が進行中ですが、並行する道路がない等で工事が遅れているのだとか。この他、山上部分の祝山線阿里山−祝山間と、阿里山線神木−阿里山間で運行中です。

嘉義駅阿里山線乗り場 車内はロングシート

4両の客車のうち、阿里山側の先頭車は正面2枚窓非貫通の全室運転台で、ここから最後部の機関車を制御する構造です。四半世紀前に乗った阿里山号は先頭の客車も貫通式で、片隅の乗務員室では非常用のブレーキ弁を握りしめた職員が前方を監視しているだけで、最後部の機関車で運転していました。

この客車の車内には、“農工公司嘉義機械廠中華民國90年7月”のプレートが付いています。西暦2011年の自社工場製でしょうか。正面窓には家庭用のビデオカメラが取り付けられています。これで撮影したとみられる走行中の映像が、Youtubeに何本もアップされています。

       
機関車を制御する運転台機器         正面窓にビデオカメラ

嘉義から乗った乗客は、わずか2人だけ。もう一人は香港から出張できたビジネスマンで、金曜日で仕事が終わったので土曜日にこれに乗りに来て、明日の便で香港に帰ると言っていました。

315次平快冷記車は、定刻14時に嘉義を発車します。2人の乗客に対して、運転士も含めて先頭車に乗っているスタッフは3人。市街地を進み6分で到着する次の北門駅の手前で、車両基地に横を通ります。阿里山号の客車や普通列車に使われてきたバス窓の客車に加えて、かつて中興号として俊足を誇ったディーゼルカーも留置されていましすが、錆びてボロボロになっています。

北門駅近くの車両基地の留置線 北門で乗客が増えた

北門駅で、4分の停車時間の間に地元台湾の乗客が大勢乗ってきましたが、座席は1/3が埋まる程度。次の終点竹崎まで、のどかな風景の中のんびりと走ります。


竹崎駅

北門から30分かかって、女性の駅員さんが出迎える竹崎に到着です。木造駅舎に板張りのホームで、なかなか良い雰囲気です。下車した乗客は、列車や駅舎をバックに撮影タイム 。

駅舎の正面には、“阿里山鐵路通車100年慶祝活動走訪竹崎悠遊山林”のプレートが飾られています。阿里山森林鉄道は、日本統治時代に切り出した檜の運搬を目的に建設され、1908年に嘉義から竹崎まで開通し、1912年に二萬平まで、1914年に沼平まで延長しています。二萬平まで開通を起点として、2012年に100周年を迎えています。

板張りの竹崎駅ホーム 竹崎の木造駅舎
駅舎内部 古風な出札窓口 記念入場券も売っています

竹崎駅周辺を一回りすると、公園のように整備されていて大きな吊り橋も架かっています。駅に戻って、構内をぶらぶら。台湾では、30年前の日本と同様に、線路に入っても特に注意されることもありません。

竹崎駅近くの吊り橋 折り返し待ちで停車中の列車
竹崎駅停車中の平快冷気車

留置線に、無蓋車とタンク車が停まっています。無蓋車のうちの1両は阿里山側に乗務員室があり、貨車はアーチバータイプの台車ですが、運転台付きの貨車だけは人が乗るためか客車と同じイコライザー式の台車を履いています。貨物列車も勾配区間では機関車が下から押し上げていたのでしょう。昔は日本の国鉄にも貨車に運転台を取り付けて、こんな形になった配給電車がありました。

留置線の無蓋貨車 留置線のタンク車

構内に車両の方向を転換する三角線があり、線路を横断していくと、その説明を中国語と英語で書いた看板が立っています。線路内に立ち入る一般人を対象にしていると思われ、黙認なんでしょう。

現在の旅客列車は、嘉義発車時点から機関車を後ろに付けた推進運転ですが、嘉義の機回り線や竹崎の三角線を見ると、竹崎まで機関車が牽引してきた列車を三角線で方向転換して、ここから先の急勾配区間では推進運転に切り替えた時代があったのではと想像します。

方向転換の三角線の説明看板 右は本線 左は三角線への分岐線

竹崎を出ると線路は、立派なトラス橋で川を渡り山に分け入っていきます。この時点では、列車の走らないレールは赤錆びていましたが、2014年6月現在では奮起湖まで平日1往復、週末と祝日は2往復の列車がこの鉄橋を渡っています。

       
鉄橋と赤錆たレール         中間の鹿麻產駅を通過

竹崎で50分間停車した後、折り返し列車は316次平快冷気車として、15時30分に嘉義に向け発車します。途中駅の鹿麻產は通過しますが、近所の方でしょうか、犬を連れたおばさんとカメラを持ったおじさんがいます。竹崎から北門までの動画をご覧下さい。

 竹崎から北門へ向かう阿里山森林鉄道の列車


北門駅と嘉義車庫園区

30分ほどで列車は北門駅に戻ってきます。半数以上の乗客はここで下車、私も車両基地の見学に行くために下車します。香港の彼は、そのまま嘉義に戻っていきました。

北門駅の嘉義行き316次平快冷気車

北門の駅舎も木造建築です。四半世紀前に阿里山行きにここから乗ったときは、コンクリートのもっと立派な駅でした。当時の写真を確認すると、線路の反対側に新しい駅舎とホームがあり、この木造駅舎は使っていなかったようです。今は当時の新駅舎の場所に、ホテルのような大きな建物が建っています。

北門駅の木造駅舎とホーム

北門駅の留置線には、阿里山側に乗務員室のある無蓋貨車が停まっています。バス窓の旧型客車もいますが、もう使われていないようです。

駅から、広い通りの踏切の向こうに車両基地があり、阿里山森林鐵路嘉義車庫園區として、昼間は一般に開放されています。嘉義から回送で戻ってきた、先ほどの列車が入庫してきます。軽油炊きで復活したシェイ式蒸気機関車の25号機と26号機は、この日は火を落として休んでいます。

旧型の普通列車用客車 以前の阿里山号用客車

留置線にならぶ阿里山号用の客車や普通列車用の客車、ディーゼル機関車などの多くは、使用されていないようです。これとは別に、構内にかつて阿里山森林鐵路で活躍した機関車や客車が保存展示されています。

3気筒のシェイ型蒸気機関車23号機
中興号で活躍した日車製ディーゼルカー 加藤製作所製の小さなディーゼル機関車

嘉義駅で運行を終えた列車が入庫してきました。

 1日の運用を終えて入庫する平快冷氣車

阿里山森林鉄路嘉義車庫園区は、こちらで詳しく紹介しています


 

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