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イスタンブールのアジア側カドキョイのトラム

カドゥキョイに来たのは、周辺をぐるっと一周する小さなトラムに乗るため。一旦廃止になった20系統の路線を復活させたようですが、17年前にはまだなかったので、比較的最近開通したようです。ここを走った昔の車両は、コチ博物館に展示されていますが、やってきたのはこれとは異なる戦後の東ドイツ製の2軸単車ゴータカー。

       
カドゥキョイを循環する20系統         東独製の2軸車 ゴータカーの車内

路線の再開に当たって、東ドイツのどこかの都市から中古車を導入したのでしょう。前乗り後ろ降りのワンマンカーで、車内は4人と2人のボックスシート。床に、車輪の部分の出っ張りがありますが、低床車の技術がなかった時代に乗り降りが容易になるよう少しでも床を低くするようにした努力の産物でしょうか。

運転は、加速も減速も左手のコントローラ。停止の寸前まで電気ブレーキを使い、最後に右手でレバーを引くのはハンドブレーキと見受けました。

床に車輪の出っ張りがある 運転席のコントローラ
右のレバーはハンドブレーキ(多分) 車庫の横にもう1両のゴータカー

路線は、単線で時計回りの一方通行。一回りしてカドゥキョイに戻る直前に分岐線があり、車庫の片隅にもう1両の赤いゴータカーが見えました。

ヨーロッパ側の新市街タクスィム広場を走る2軸車と、アジア側のカドゥキョイを行くゴータカーの動画をご覧下さい。

 イスタンブールのトラムの2軸車 ヨーロッパ側新市街のタクスィムとアジア側カドゥキョイ


アジアへの玄関だったハイダルパシャ駅

トラムでカドゥキョイを一回りした後は、海峡沿いにバスターミナルを抜けて、イスタンブールのアジア側の始発駅、ハイダルパシャ駅に向かいます。駅に近づくと道路に駅を示す立派なゲートが立っています。道路から柵の向こうは国鉄の敷地。廃車でしょうか、架線のない留置線にたくさんの国電が押し込められています。

ハイダルパシャ駅に続く道 駅構内の廃車群らしき編成
運行を停止している国電 客車も留置されている

国電の始発、ハイダルパシャ駅から1駅のソユトリュチェシメ駅でBRTメトロバスの路線に接続しているので、これに乗ってヨーロッパ側に戻るつもりでやってきました。でも、頭端式の国電ホームの入口には柵があって入れなくなっていて、パンタグラフを下ろした電車と車止めの間にロープが渡してあり、構内に駅員も見かけないなど、どうやら国電は運行を停止しているようです。

日本出発前にトーマスクックの時刻表で、高速新線の工事でイスタンブールとアンカラを結ぶ長距離列車は全面運休を確認していたのですが、都市近郊区間の国電まで動いていないとは思いませんでした。トルコの長距離列車はバスに押されて国民からほとんど相手にされていないとのことですが、近距離の国電まで運休では市民生活に影響が大きいと思いますが。

ハイダルパシャ駅正面 保存展示されている蒸気機関車

ハイダルパシャ駅前にもB型の蒸気機関車が保存展示されています。煙突にナンバープレートを付けているのが珍しいですね。

駅前の桟橋に、ヨーロッパ側からの船が到着すると、下車した乗客はみんなどこかに行ってしまいます。駅の横でタクシーが営業していたので、これに乗ってBRTの始発駅ソユトリュチェシメに向かいます。


BRTメトロバスでボスポラス大橋を渡る

夕暮れが近づき、帰宅ラッシュの時間になりました。BRTメトロバスのソユトリュチェシメ駅の自動改札を通ってホームに入ると、大型の低床式連結バスが次から次へとやってきます。ボスポラス大橋経由でアジアとヨーロッパを結ぶBRTは、地下鉄やトラムにも勝るイスタンブールの一大幹線で、1日の利用客は京阪電車より多いという記述をどこかで見たような。特にヨーロッパ側の路線は、地下鉄やトラムと接続しながら空港に近くを通ってはるか先まで延びています。

でも、ホームに入ってくるバスはいずれも行き先がボスポラス大橋を渡り終えたところにあるZincirlikuyu駅まで。数台見送ってもその先まで行くバスは来ないので乗ることに。

メトロバスの始発ソユトリュチェシメ駅 メトロバスは左側通行

高速道路の上下車線にはさまれた真ん中の2車線がガードレールで仕切られ、BRTの専用道路となって高速走行します。ここで面白いのは、BRTは左ハンドル右ドアにもかかわらず、一般車と逆の左側通行。これは、途中駅が島式のホーム1本だけで、必ずホームがバスの右側になるよう、左側通行にしているのでしょう。

ボスポラス大橋は、後からできたBRTが専用レーンを確保できなかったのか、手前の立体交差で車線を移動して一般車と一緒に右側通行で渡ります。高速道路のインターチェンジのようなループ線のあるZincirlikuyu駅で全員乗り換え。これは、専用路線のないボスポラス大橋が渋滞した場合でも、ヨーロッパ側のダイヤに影響を与えないためと見受けました。

一般車と一緒に右側通行でボスポラス大橋を渡る 混雑するメトロバスのMecidiyekoy駅

乗り換えから1駅で地下鉄メトロ2号線との乗換駅Mecidiyekoyに到着。こちらには3両編成のバスもあり、次から次へと到着するバスで長くて広いホームに人があふれています。最近、日本でも一部の路線をBRTと称していますが、イスタンブールのBRTは都市の鉄道、少なくともLRTに対して遜色のない大量輸送手段としてその性能を遺憾なく発揮していると見受けました。

メトロM2号線

BRTの改札を出てみんなが歩いていく地下道の後ろをついていくと、メトロM2号線のシシリ駅につながっています。メトロM1号線の高床LRTのような連接車に対し、M2号線は第三軌条集電の本格的な地下鉄です。建設費の節約でトンネル断面を小さくしたのか、大江戸線のように車体の上部が内側に折れ曲がった車両は、現代ロテムの韓国製。車内は、アジア仕様のプラスチック製ロングシートです。

メトロ2号線の電車 メトロ2号線の車内

数ヶ月後に、金角湾を橋で渡って旧市街のイエニカピまで路線が延び、メトロM1号線と国電に接続していますが、乗車したときは新市街のSishaneまで。それも、在来車は新市街の中心タクスィム駅止まりで、急勾配のあるタクスィムからSishaneまでの1駅間はこの区間に対応する専用車に乗り換えを強いられていましたが、今はどうなったでしょうか。


新市街イスティクラール通りのノスタルジックトラム

メトロ2号線のSishaneで下車して地上に出ると、そこはイスティクラル通りのノスタルジックトラムと地下ケーブルカーの接続駅トュネル。すっかり日が暮れたなか、折り返しのトラムが乗客を待っています。ここも、一旦廃止にした路線を観光用に復活したそうですが、車両はイスタンブールオリジナルで、木製ニス塗りの車内は転換式のクロスシート。白熱灯の柔らかな光が暖かく包みます。

トラムの始発トュネル停留所 トラムの車内
タクスィム広場の中央に立つ共和国のモニュメント タクスィム広場のトラム

先ほど地下鉄で車両を乗り換えたタクスィムへ向け、新市街一の繁華街イスティクラル通りをトラムで戻ります。タクスィム広場は大きなロータリーになっていて、トラムはその周りを一周して方向転換します。ロータリーの中心に立ってライトアップされているのは、トルコ共和国の建国を記念して建設された共和国のモニュメント。

       
賑わうイスティクラール通り         イスティクラール通りを行くトラム

平日の夜ですが、トランジットモールのイスティクラル通りは大勢の人出で賑わっています。その真ん中を人混みをかき分けて、トュネルに向けてトラムがノロノロと進みます。

夕食は、イスティクラル通りから少し横道に入ったトルコ料理のレストランへ。

イスティクラール通りの教会 ちょっと横道に入って
トルコ料理のレストランで夕食

 


地下ケーブルカーのトュネル

食後は、イスティクラル通りをトュネルまで歩き、地下ケーブルカーのトュネルに乗ってガラタ橋のたもとのカラキョイへ。ケーブルカーの車両が更新されて17年前より綺麗になっています。山岳ケーブルカーのような階段状の車体ではなく、一見、普通の電車のようです。おでこの文字は落書きではなく、1875年の開通から2014年で139年を表していると思われます。

トュネルとカラキョイをむすぶ地下ケーブルカー 地下ケーブルカーの車内

トュネルは1863年に蒸気機関車で開通したロンドンに続く2番目の地下鉄ですが、ケーブルカーで距離も短いため、1896年に電車が走る本格的な地下鉄路線として開通したハンガリーのブダペストを、ロンドンに次ぐ2番目、ヨーロッパ大陸初の地下鉄と称する場合もあるようです。

トンネル内で交換 カラキョイから金角湾の向こうにトプカプ宮殿

カラキョイでは、ガラタ橋の向こうの旧市街の丘にライトアップに浮かぶトプカプ宮殿の姿。ここからトラムT2に乗って、シルケジ駅のホテルに戻ります。


ボスポラス海峡横断トンネル

午後半日かけ、イスタンブールカードを使って市内の電車やバス、船に乗りまくりましたが、まだ一つ、ボスポラス海峡を横断する国電が残っています。夜も遅くなってきたので、相方をホテルにおいて一人で出かけます。

前日、トラムでシルケジに着いて、ホテルを探して歩き回ったときに、電車通りの向こうの高台にシルケジ駅のもう一つの入口と、トンネルを建設した大成建設の現場事務所らしき日本語の看板を見つけていたので行ってみることに。高台の入口から海底トンネルと同レベルまで、長〜いエレベータで地中に下りていくと、シルケジ駅の1面2線のホームにでます。

シルケジ駅のもう一つの入口と大成建設の看板 シルケジ駅の地下ホーム

新規に開通したのは、ヨーロッパ側のカズリチェシュメ駅からアジア側のアイリリクチェシュメ駅まで、海底区間約1.4kmを含む5駅約13.6kmで、両端の地上駅部分を除いて全線地下区間となっています。両端駅で国鉄の在来線に接続していますが、2014年の秋現在では新規開通区間で折り返し運転を行っていて、ヨーロッパ側、アジア側とも在来線は工事中で長距離列車も近距離の国電も運休中。

ボスポラス海峡横断鉄道の電車とその車内

シルケジ駅のホームに電車が入線してきます。ステンレスの通勤型で、車内はプレスチックのロングシート。吊革が日本でおなじみ、ヨーロッパでは見かけないおむすび型ですが、車内のメーカプレートは現代ロテムで韓国製。いずれは、ヨーロッパとアジアの国電区間を直通運転し、高速列車や国際列車も乗り入れてくることになるのでしょう。シルケジからアジア側の地下鉄M4と接続するアイリリクチェシュメを往復しましたが、全線トンネルで面白くも何ともありません。

ボスポラス海峡横断トンネルについては、こちらで詳しく紹介しています

海峡横断鉄道マルマライの案内 アジア側のアリリクチェシメ駅
シルケジ駅の地下ホーム入り口 シルケジ駅新駅舎

 


シルケジ駅から空港へ

イスタンブール3日目は、午前の便でリスボンに向かうため早朝にホテルをチェックアウト。シルケジ駅新駅舎の前からトラムT1に乗り、途中駅セティンブルグでメトロM1に乗り換えて空港に向かいます。

その後、メトロM1号線がイエニカピまで1駅延長されたので、今ならトラムを使わず国電でシルケジから1駅、イエニカピでM1号線に乗り換えると、空港までの所要時間が短縮されると思われます。


旅のヒント

イスタンブール訪問の5ヶ月後、中国が建設を請け負い、エスキシェヒールからのびてきた高速新線が2014年7月にイスタンブールのアジア側東郊外のペンディック駅につながり、首都アンカラとの間が高速列車で4時間になったそうです。ペンディック駅から都心に向けての在来線が工事で運休中のため、この区間はどうしているのでしょうね。当面はバスで代行輸送でしょうか。

高速新線で使用している車両は、写真で見るとスペインCAF社製のようですが、シーメンスにも発注しているようで、トルコ版ICE3も走り始めるかもしれません。

イスタンブールの市内交通には、ICカードのイスタンブールカードを使えば小銭を用意する必要もなく、運賃は大幅割引になるので便利でお得です。カード代7TL(350円)は払戻時に戻りませんが、日本のSUICA等と違って1枚購入すれば同行の何人でも使い回しができ、すぐにもとが取れます。

メトロM1号線の空港駅にある自動販売機で購入可能とのネット情報もありますが、空港ビル出発階のチェックインカウンターの奥にあるフォトショップで売っていました。ここでチャージもしてくれます。

帰国時の払戻ですが、メトロM1号線の空港駅で聞いたところ取り扱っていないとこと。空港駅から数駅先のメトロM1号線と接続するメトロバスの駅なら払戻ができるとの説明でしたが、今更戻ることもできず、ダメもとで購入した空港ビル出発階のフォトショップに持っていったら、その場でチャージしてあった残額分を払い戻してくれました。2014年1月段階では、この店を利用するのが一番のようです。

2014年 1月旅
2014年10月記


お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました


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