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ICEでフランクフルトへ

デュッセルドルフ中央駅から、スト中もわずかに動くICEでフランクフルトに向かいます。指定席は前日に確保したもののホームは乗客で溢れ、大きな荷物を持って乗れるか心配したのですが、多くは先に発車予定のアーヘン行きREの乗客で、遅延によるホーム変更の放送があったようで、大半が別のホームに移動します。ドイツ語のアナウンスがわからず、ホームにいた職員に確認すると、フランクフルト行きのICEはここで待てとのこと。

ホームには列車の編成表と、号車番号に対する大まかな停車位置が掲示されています。ICEは1等の28号車を先頭に、指定された21号車は8両編成の最後尾となっているものの、行き止まり式の駅が多いドイツでは何かの都合で編成が逆転することもあります。混雑した車内を大きな荷物を持って移動が困難な事態も想定して、編成の中央付近で待つことに。

ICEが入線してきた 編成が逆向きだ
満席の車内と棚の上の大きな荷物 ケルン大聖堂は今回も車窓から見るだけ

アーヘン行きREの乗客が移動して人が少なくなったホームに、定刻から少し遅れてICEが入線してきます。21号車が先頭で、やっぱり編成が逆転しています。慌てて前まで走って乗車。車内は満席ではあるものの、それ以上の混雑はありません。通路側の私の席に女性が座っていたので立ち退きを求めると、彼女の席が窓側なので替わってほしいとのこと。通路をはさんだ向かいの席と同じグループらしく、進行逆向きだけどまっいいか。

車窓に大聖堂が見えてくるとケルンです。前回も素通りしたので、今度こそ途中下車して大聖堂へと思っていたものの、降りると次の列車が確保できるかわからず、また諦めてこのままフランクフルトに直行です。

 

フランクフルト中央駅

ケルンから大勢の乗車があり、通路からデッキまで立ち客でいっぱいに。進行方向が変わって前向きになったのはラッキー。ケルンからフランクフルト空港の手前までは高速新線になり、ICE3の本領を発揮。といっても、モニターに速度が表示されているときには300km/hまで達しませんでした。

あとで調べたら、この列車の始発はオランダのアムステルダム。大半のICEが運休する中で、スト中でも他国には迷惑をかけないよう、国際列車を優先的に運行しているようです。

フランクフルト中央駅に到着したアムステルダムからのICE
模型のICEはストライキはしていません Sバーンの地下ホームに混雑状況の偵察に

フランクフルト中央駅の構内にも、コインを入れて動かせるジオラマがあります。模型のICEは平常運行。奥に風力発電のプロペラが見えるのが、いかにもドイツ。

駅横のホテルにチェックイン後、翌日の帰国に向けた下調べのつもりで、地下ホームへSバーンの混雑状況の偵察に。S1と空港経由のS8系統がそれぞれ15分間隔で発着するはずのホームでは、ストで運行間隔が1時間に開いても電車に自転車が楽々と持ち込めます。次の発車は53分後、その次は58分後、さらに次は113分後などというSバーンの案内表示は初めて見ました。

自転車の持ち込みも楽々 次のS1は53分後 その次は113分後 信じられない運転間隔

行き止まり式の地上ホームに戻ってくると、ベルギーのブリュッセル南行きICEが発車を待っていますが、ホームにはDBの列車が少なく、ローカル列車を担当する私鉄が目立ちます。

正面が黄色いアルストムの部分低床ディーゼルカー、コラディアシリーズの2車体連節LINT41は、Taunusbahn(TSB)が運行。同じく黄色い顔で、ドイツには珍しく側面がコルゲートのあるステンレス車体無塗装のディーゼルカーもいます。

ブリュッセル南行きのICEが発車待ち
黄色いTSB(Taunusbahn)の部分低床ディーゼルカー ステンレス車体のTSBのディーゼルカー

中間に短い動力ユニットを組み込んだシュタッドラーのGTWシリーズの部分低床ディーゼルカーは、をHessische Landesbahn(HLB)が運行。3車体連節車を2本併結しています。

中間に動力ユニットをはさんだHLBの部分低床ディーゼルカー

駅構内のカフェに入り、ビールとソーセージを注文してしばし休憩。これがドイツ最後の晩餐になりそうな。

駅構内でビールとソーセージで休憩

近郊列車を運行するライン・マイン・交通連合(RMV)はシュタッドラーの部分低床連接車FLIRTシリーズ。何故か地上ホームにS8系統の空港行き区間運転のSバーンが入線しています。

部分低床のRMVの電車 地上ホームに空港行きのSバーン
アムステルダム中央行きのICE ICE1も入線

アムステルダム中央行きのICEが入線してきました。やっぱり国際列車優先のようです。でも、数は少ないものの、首都ベルリン行きのICEも動いています。


フランクフルト旧市街

サマータイムでまだまだ明るいので、フランクフルト中央駅からSバーンに1駅乗って地上に出ると聖福音教会。通りの向こうに見える丸い塔は、高さ47mのエッシェンハイマー塔。15世紀の初めに建てられた、中世のフランクフルトを囲む城壁の門を兼ねた見張り塔で、戦災をくぐってオリジナルのまま残る貴重な存在。

聖福音教会 エッシェンハイマー塔
歩行者天国の向こうにレーマー広場のニコライ教会の塔が

露店が並び賑わう歩行者天国の向こうにニコライ教会の塔が見えてくると、レーマー広場です。中心にある噴水の上に天秤を掲げた正義の女神ユスティティアの銅像が立ち、周囲は戦災から復元されて中世の姿を取り戻した貴族の館やニコライ教会、市庁舎レーマーが取り囲み、賑わっています。

戦災から復元された貴族の館 正義の女神ユスティティア
大聖堂の尖塔 ギザギザ屋根の市庁舎レーマー

広場の裏手に、高い尖塔を持つフランクフルト大聖堂、ドムがそびえ、近くを流れるのはラインの支流マイン川。対岸の尖塔はDreikönigs教会。

フランクフルト大聖堂 マイン川の向こうにDreikönigs教会
R型全低床車 S型部分低床車

中央駅に戻ってきました。5月のドイツは21時になると、やっと暗くなり始めます。行き交うトラムは2種類だけ。1993年に登場したデュワグ/シーメンスのR型は、各車体に台車が1台ずつの全低床車。その後、2003年に登場のS型は、ボンバルディアのフレキシティークラシック。中間車に2組のボギー台車、前後の車両に車軸のあるボギーの動力台車で、ドアから車端部までは1段ステップの部分低床車です。信用乗車制度だから全低床車にしなくても、バリアフリーにはこれで十分です。


帰国便がオーバーブッキング

ドイツ10日目は最終日。午後の便で帰国のため、当初は午前中はSバーンかREでフランクフルト近郊のメルヘン街道の起点、グリム兄弟の生まれ故郷ハーナウまで行こうかと計画していたものの、この日もDBはスト決行中。列車本数も少なく、帰って来れなくなると困るので、ホテルで遅くまで寝て、あとは駅の周辺で時間を潰すことに。ジャーマンレイルパスがもったいない。

フランクフルト中央駅前のトラム 欧州中央銀行本店前の大きなユーロマーク
行き交うトラム ICE-Tが入線

空港を通るS8系統をはじめとするSバーンの運行間隔が、通常は15分のところが今日もストで1時間に。余裕をもって、出発の3時間前には空港に着く電車に乗ろうとホテルをチェックアウト、荷物を引いて中央駅の構内を通ると、24線もある地上ホームに数本の列車が入っているだけ。5日目ともなればスト慣れしたのか乗客もわずかで、こんな閑散とした中央駅を初めて見ました。

RMWの部分低床ディーゼルカー ボンバルディアのITINO 114型電気機関車プッシュプルのRE
143型電気機関車プッシュプルのRE こんな列車のいない中央駅は初めて

帰国便の中国東方航空は第2ターミナル。例によって、大きな荷物を抱えた中国人の長いチェックインの列の最後尾をやっと見つけて並んだ瞬間に、英語で“日本人ですか”と聞いてくる男性。中国東方航空のドイツ人スタッフらしく、提案したいことがあるのでこちらへと連れて行かれた別のカウンターに、他にも日本人の若い男性客が2人。

中国東方航空の上海経由便がオーバーブッキングで、ルフトハンザの便に変更してほしいとのこと。他の2人は関空へ、私は成田への直行便。出発まで時間が無く、その場で発券した手書きの航空券を持って、大急ぎで第1ターミナルに移動してルフトハンザにチェックイン。ゲートに着いたら、すぐに搭乗開始です。

通路側を確保していた座席は、残り物の3人がけの真ん中に押し込まれたけど、経由便より半日早く帰国できる直行便。その場で発券した航空券は正規料金のYクラスで、マイルがANAに100%で付き、3時間前に空港に到着して正解でした。これが、DBのストで唯一の恩恵です。


旅のヒント

ドイツ滞在10日間のうち、後半の5日間はドイツ鉄道DBのストライキに悩まされた旅行でした。今までもイタリアやポルトガルでストライキに遭遇や、前日に隣国へ脱出経験はありますが、127時間ストは初体験です。ストライキは労働者の当然の権利で、これが正常に機能する社会であれば、どこかの国のような過労死や過労死自殺に追い込まれることもないでしょう。

スト情報は事前に公表されているはずで、それを知らずにドイツを旅行するために10日間連続のジャーマンレイルパスを手にした方の責任ですが、フランクフルト空港駅での購入時には一切のスト情報の事前提供はありませんでした。ポルトガルのゼネストのときは、前日にLCCでスペインに脱出しました。今回も事前にストを知っていたら、フランクフルト空港からの行き先をフランスのアルザス地方にでも変更していたでしょう。

ストライキといえば、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル等の南欧諸国の名物と思い、これらの国々を訪問するときには出発前に入念に情報収集をしていますが、ドイツは全くのノーマークでした。実際には、ドイツ鉄道DBやルフトハンザドイツ航空のストライキが多いことをあとで知りました。

DBはストライキ中も3割程度の列車は動くとしていますが、路線による差が大きく、正常運行のローカル線がある一方で、全滅の路線もありました。でも、さすがはドイツ。スト突入後1日を経過したあとは、ホームページで48時間先まで動く列車と運休する列車が判別でき、移動のスケジュールを立て、事前に指定席を確保できるようになりました。

ICEとICを運行している路線ではICを、ICとREの路線ではREを運行と、停車駅の多い列車優先して多くの乗客の利便を図ろうとする動きも感じました。また、周辺国に直通する国際列車を優先しているようです。

動く列車も、一部を除いてそれほど混雑するわけではなく、良い意味で日本の常識は通用しません。それでも、ジャーマンレイルパスをもう少し有効活用したかったな。

2015年5月旅
2016年10月記


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