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“ドイツ博物館 交通センター分館”  


ドイツ博物館交通センター分館

ドイツ博物館は南ドイツの中心都市、ミュンヘンにある科学技術の博物館。旧市街の東側を流れるイザール川の中州に建つ本館のほか、旧市街の西側に交通センター分館、ミュンヘン市の北西近郊の街シュライスハイムに航空館、かつての西ドイツの首都ボンにボン・ドイツ博物館があります。

今回訪問したのは交通センター分館 Deutsches Museum Verkehrszentrum。ミュンヘン中央駅から地下鉄UバーンのU4またはU5系統で2駅目の Schwanthalerhöhe で下車。

ミュンヘンのドイツ博物館交通センター分館正面入り口 2018.4

博物館は3つの建物に分かれ、それぞれのテーマは“都市交通”、“旅行”、“乗り物と技術”です。大型の蒸気機関車やドイツの新幹線ICEから子供用のスケーターまで、500台に及ぶ陸上交通のコレクションがあります。

 

ホール1 “都市交通”

入場券を買って入ったところがホール1。主に20世紀のはじめ頃から近年までの都市の乗り物。路面電車やバスなどのさまざまな公共交通機関と、自転車から自動車まで、多くの車両が入り交じって一緒に展示されています。

ところが、最初に出迎えてくれるのは標準軌のB型のタンク機関車、LANDWÜHRDEN号。ホール1のテーマ、“都市交通”には場違いな、1866年にミュンヘンで製造され、ドイツ北西部、グランド・デュカル・オルデンブルク州立鉄道で1900年まで旅客列車を牽引した、ドイツで最も古い蒸気機関車のうちの一両。

ここはホール2の入り口にも近いところ。そのテーマ、“旅行”に関連する展示なのかもしれません。

LANDWÜHRDEN号は1866年製でドイツで最も古い蒸気機関車の一両

続いて、都市交通そのものの路面電車をご紹介します。

緑とクリームに塗り分けた2軸車は、ニュルンベルクのトラムA80号。車体はMAN、電気品はSiemensが1926年に製造。出力50kW×2。車内はロングシート。

ニュルンベルクのトラム
車内はロングシート

ダブルルーフの古風な車体に、窓と正面上の方向幕と系統板だけが近代的でアンバランスなミュンヘンのF型トラム642号。1930年製だけど、戦後に車体更新車が行われた結果で、オリジナルの窓は上のニュルンベルク車のような構造でしょう。

ボギー台車は車輪径の異なるマキシマムトラックで、出力40kW×2。ローラーベアリングやレールを押さえるブレーキ等もオリジナルではないような。車内は木製のままで、図面ではデッキ寄りの窓1つがロングシートで、中央部は通路の両側が4人と2人のボックスシートになっているものの、現物はオールロングシート。

ミュンヘンのトラム642号
642号のボギー台車は車輪径の異なるマキシマムトラック レールを押さえるブレーキも
車内はロングシート

378号は、デュワグ社が1950年に戦災を受けた戦前製のトラムの台枠等を流用して製造した2軸車。出力75kW×2で最高速度60km/h。戦後の復興期に西ドイツの各地に供給された標準型です。日本の2軸車に比べ出力が大きく、モータの無い付随車を牽引。日本では広島電鉄がハノーファーのトラムから譲渡された同型が現役です。

デュワグの2軸車

曲面ガラスで近代的なスタイルになったミュンヘンのM型トラム2443号は1957年製。片運転台で片側扉の3軸車。動軸は2軸で、出力100kW×2。脱線した車両を線路に戻す様子か、クレーン車で吊り上げている状態のユニークな展示。

ミュンヘンのトラム2443号車は3軸車
クレーン車で脱線したトラムを吊り上げ

ミュンヘンの地下鉄UバーンA型6092号。新しい地下鉄の3つのプロトタイプ車両の1つで1967年製のアルミ車体。2006年まで運行。車内はボックスシート。出力180kW×4、最高速度80km/h。

ミュンヘンの地下鉄Uバーン
車内はボックスシート

ミュンヘンの地下鉄Uバーンの新型車C型のモックアップ。内装の比較検討のためか、中央のプラグドアの前後で4人のボックスシートと、同じシートを窓を背に並べたロングシート。シートの材質も木製と金属製で表面がモケット張りの2種類。量産車には後者が採用されています。

Uバーンの新型車のモックアップ
奥行きがあるように見えるけどボックスシートの後ろの壁面は写真

米国ニューヨークのハドソン川対岸、ニュージャージー州ジャージーシティーに2000年に開業したライトレールが採用した駆動装置。フランスのアルストーム製で、近畿車両が製造した車体は部分低床車で、動力台車部分は高床。類似の装置がミュンヘンのUバーンにも導入されているそうです

米国ニュージャージーシティーのLRVの駆動装置

1972年のミュンヘンオリンピックに合わせて開業した、ドイツ鉄道DBのSバーンに導入された4扉のボギー車420型。青と灰色のミュンヘン独自カラーで車内はボックスシート。1ユニット3両編成で出力2400kW、最高速度120km/h。現在のSバーンは、赤いDB標準色の3扉の短い車体で、4車体連接車に世代交代。

ミュンヘンの国電Sバーン
Sバーンの車内はボックスシート

リベットで組み立てた車体は、1927年から1933年にベルリンのSバーンに導入された165型。第三軌条集電で、板台枠の台車は軸バネも板バネ。ローラーベアリングは後年の改造でしょう。最高速度80km/h。ベルリンの壁崩壊時点でも、東西ベルリンのSバーンにまだこの型の現役車が残っていたとか。

ベルリンのSバーン
ベルリンのSバーンは第三軌条集電 レールの下から集電するタイプ

内装は木製でボックスシート。非貫通式のため、運転台の無い側の車端部には車体幅いっぱいのシート。

Sバーンの車内はボックスシート
車端部は非貫通でシートがある

ベルリンの壁崩壊をまたいで、1987年から1992に東ドイツ国鉄が東ベルリンのSバーンに投入した485型。カットモデルの達磨さんになって展示。

ベルリンのSバーン485型

マン社製のバスが2台。左はミュンヘンの市バス。塗色の異なる右のバスが屋根上に乗せているのは、CNGタンクかバッテリーか。

MAN社製のバス

これもバスでしょう。車体の構造は馬車に近いですね。荷物は屋根上へ。

これも初期のバス?

数多くのクラシックカーやバイクがあります。

数多くの自動車があります

道路掃除用なのか、三輪車のスイーパー。後部に乗せているのは水タンクでしょう。1920年代のクルマだそうです。

三輪車のスイーパー

戦後のクルマです。混合ガソリンで動く2サイクルのエンジンを搭載し、車体が紙でできているといわれた東ドイツの国民車トラバント。西ドイツを代表するフォルクスワーゲン、カブトムシのタクシーも。

東ドイツの国民車トラバント
西ドイツフォルクスワーゲン ビートルのタクシー

時代が新しくなり、ハイブリッド車や電気自動車に燃料電池車。

右から2台目のトヨタは初代プリウス?
BMWの燃料電池車FCV
もちろん電気自動車EVも

エンジン付きの4輪や3輪自転車。ハンドルの前の座席に乗客を乗せるバイクタクシーでしょうか。

エンジン付きの自転車

馬車もあります。

各種馬車
このタンク車も牽引するのは馬?

過去から未来へ、歴代の自転車も展示。

初期の自転車
こんな三輪自転車も

水素ボンベを積んだ燃料電池電動アシスト自転車の試作車は、1回の充填で100kmのアシストができるとか。

各種自転車 左の真ん中が燃料電池自転車

荷車から乳母車まで、街中で使う車両なら何でも。

荷車からベビーカーまで

壁面には大型模型も。2軸のポール電車は客室と荷物室の合造車。二階建ての蒸機動車は初めて見ました。

2軸の電気機関車 2軸の電車から二階建ての蒸機動車まで

 


 

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