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ビューゲルを高く掲げ、片ボギーの台車を履いたメーターゲージの電気機関車。1942年にベルリンで製造。車体に簡易クレーンのようなものを搭載していますが、運河で船を牽引するための装置のようです。

 

 ▲ 片ボギーの電動車 ▼

 

その他に扇形庫1には、機関車のキャブの部分だけのカットやオープンデッキの客車、客車か貨車かよくわからないようなナローゲージのボギー車、客車のカットモデルや内部のモックアップなどもあります。

 

 ▲ 機関車のキャブの部分だけ

▲ オープンデッキの客車

▲ ナローゲージのボギー車

▲ 客車のカットモデル?

▲ 客車の内部のモックアップ?

▲ 客車の内部のモックアップ?

また、1835年にドイツで最初に鉄道が開通したときの蒸機機関車“アドラー号”の1/5大型模型をはじめ、多くの興味深い模型も展示されているので、その一部をご紹介します。なかでも縦に3本並べた架線から、横にした3本のビューゲルで集電する電車は、3相交流をレールを使わずに集電しているものと推測しますが、ポイントの部分をどう処理したのか興味のあるところです。前後に2組のビューゲルがあるので、架線のない部分を設けたのでしょうか。二階建ての2軸客車。こんなものもあったようです。

 

 ▲ アドラー号の大型模型

 

 

▲ 前後に2組の3本ビューゲルを持つ電車 ▼

▲ 2軸の二階建て客車

展示館になっている扇形庫から外に出ると、ターンテーブルも残っています。片隅には、取り残されたようにタンク貨車が1両。

 

 ▲ 扇形庫とターンテーブル ▼

 

隣の2番目の扇形庫にも、多くの車両が展示されています。この間をつなぐ通路には、工作機械が置かれ、実際にメンテナンスも行われているようです。

 

 ▲ 2つの扇形庫をつなぐ通路 ▼

 

2番目の扇形庫でも、年代順に車両が並んでいます。順番にみていきましょう。

 

 ▲ 20世紀の車両が年代順に並ぶ

軸配置BBの凸型電気機関車、E71型28号機は、1922年にAEG社が製造し、プロシャの鉄道にEG528号機として導入されました。前後の機械室に1台ずつ大きなモータを収容し、減速ギヤを介してロッドで2軸を駆動する構造です。

 

▲ D型電気機関車E71 28

 

 ▲ 機械室内のモーター

軸配置Eのタンク機関車97型504号機は、日本の急勾配路線用国鉄Eタンク機4110型によく似ています。4110型のモデルとなったのはドイツからの輸入機4100型で、97 504号はそれより13年後の1925年製。メーカは異なるものの、いずれも南ドイツで製造されています。4100型と類似の美唄2号機はこちら

 

 E型タンク機97 504号機

キャブに南アフリカ鉄道83号のプレートが付いた、軌間610mmのナローゲージのガーラット型蒸気機関車。ボイラの前に水槽、キャブの後ろには石炭を積載します。ハノーヴァーのハノマグ社1928年のプレートも付けています。軸配置はCC。連結器は、ナローゲージでおなじみの朝顔型。南アフリカからドイツに里帰りしたのでしょう。

 

 ▲ ナローゲージのガーラット型蒸気機関車 ▼

 

入れ換え用の貨車移動機のような、小さな2軸のL型ディーゼル機関車Kö IIは1934年製。バッファの位置からみて、車体の背の低さがわかります。標準軌ですが、何故か朝顔型の連結器も持っています。エンジンからチェーンで車軸に動力を伝達していたのだとか。

 

 ▲ 小さなディーゼル機関車 Kö II ▼

 

正面窓下にナチスドイツの国章、鷲とハーケンクロイツ(鉤十字)を付けた赤いE19型電気機関車01号機は、ナチスの時代1938年にベルリンのAEG社で製造。流線型が流行った時代ですね。軸配置は、1BB1。4軸D型で出力4000kWは、同世代の日本の国鉄EF56の6軸1350kWの3倍です。標準軌に対して狭軌のハンデがあるものの、当時の技術力の差は大きかったのでしょう。

戦後のドイツでは、公共の場所でのハーケンクロイツの表示は禁止されているので、手前に6枚のパネルがぶら下がっているのかもしれません。なお、この機関車のもう一方の運転台側は、ナチスの国章は取り外されています。

 

 ▲ ナチスドイツの国章を付けたE19型電気機関車

 

 ▲ こちら側にはナチスの国章はない

▲ E19型電気機関車の運転室

テンダ機関車50型は、1939年に登場した貨物用の標準機で、001号機が保存されています。軸配置は1E。

 

 ▲ 貨物用蒸気機関車50型 ▼

 

急行用テンダ機関車01.10型は、ドイツの標準型旅客列車牽引機01型の後継機種。1939年に3気筒、流線型車体で登場し、戦後に西ドイツ国鉄DBに継承されてからは一般型に改造されるとともに、ボイラの換装やローラーベアリングの採用などの改良が加えられ、最高速度140kmの高速旅客機として活躍しました。01 1082号機は、重油専焼に改造され、012型082号機となっていたものが、もとの番号に戻されて保存されているようです。

軸配置は2C1のパシフィック、直径2mの赤い動輪、小倉工場が門鉄デフのモデルにしたとともいわれる切り欠きデフ、格好いいですね。

 

 ▲ 急行旅客用蒸気機関車01.10型 ▼

 

汎用の電気機関車E44型131号機は、1942年製。上のスマートなE19型に比べ、凸型の何とも無骨なスタイルですが、日本のEF13と同様に戦時型かと思ったら、同型の製造初年は1934年です。軸配置BBのD型で出力2200kW。EF13の1600kWの1.4倍。

 

▲  E44型電気機関車

テンダ機関車52型は、第二次大戦中の1942年から戦後の1950年に登場した貨物用の標準機で、50型をさらに簡略化した戦時設計。日本のD52に相当する機種でしょうが、6000両以上製造され、東西ドイツ以外にオーストリアやチェコでも活躍したというからスケールが違います。軸配置は1Eで動輪経はD51やD52と同じ1400mmですが、小さく見えるのは車体が大きいからでしょう。

 

 ▲ 戦時設計の貨物用蒸気機関車52型 ▼

 

 

 


 

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