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ホテルにチェックインしてしばし休憩後、電車通りを渡った目の前にあるドレスデン旧市街の観光に出かけます。旧市街の中心、ノイマルクト広場に面した16世紀の歴史的な建物に、ドレスデン交通博物館が入っています。正面中央の入口から入り、チケットを買って中に進むと、各種クラシックカーの出迎えを受け、上からは軽飛行機もぶら下がっています。開館は戦後の1956年で、東ドイツの交通博物館として位置付けられてきたのだとか。
ホテルから電車通りをわたると旧市街 | 歴史的な建物を利用したドレスデン交通博物館 |
入り口には自動車や飛行機が並ぶ | ザクソンメイヤー式蒸気機関車99 535機 |
1階の東側は、鉄道車両が展示されています。BBの軸配置でシリンダと動輪が前後に並んで2組ある99 535号機は、ナローゲージのマレー式かと思ったら、前後の動輪ともボギー台車の様にカーブで首を振る構造の機関車を、メイヤー式というのだとか。
標準軌で軸配置1Bの古典機は、ドイツ最古の蒸機機関車で1861年製。縦型のボイラでしょうか、特異な形態の初期の蒸気機関車です。もう1両の蒸気機関車は軸配置BBで、これも一風変わった双頭型。1916年の米国ボールドウイン製だとか。
B型蒸気機関車MULDENTHAL号 | |
双頭のフェアリー式蒸気機関車 | D型ロッド式のE71型電気機関車 |
2軸の凸型電気機関車 | ドレスデンのトラム761号 |
凸型電気機関車E71型は、1920年製。2台のモータから減速機を介してロッドでそれぞれ2軸ずつを駆動する4軸の、日本式にいうとED型。3本のビューゲルを持つEB型、2軸の凸型電気機関車は1899年製で3相交流の試作機。オープンデッキの2軸路面電車761号は、1895年製のドレスデン市電。
ドレスデン交通博物館は、こちらで詳しく紹介しています。
交通博物館の見学を終えて表に出たところ、ノイマルクト広場に面してそびえているのはフラウエン(聖母)教会。18世紀前半に建設されたこの教会は、第二次世界大戦中に連合国の爆撃により破壊され、東ドイツ当時はがれきのままで放置されてきたものを、ドイツ統一後に世界からの寄付金をもとに再建され、12年の歳月をかけて2005年にもとの姿に蘇ったものです。
2005年に再建されたフラウエン教会 | 黒い部分はがれきから拾い集めた石を再利用している |
フラウエン教会の祭壇 | 祭壇上部 |
可能な限り、がれきの中から拾い集めた石材を再利用し、ヨーロッパ最大のジグソーパズルと呼ばれています。祭壇の一部にも、がれきの中から拾い集めた石が洗浄した上で再使用されているのだとか。
祭壇下部 | 内部の側面 |
クーポラを見上げる | 要塞博物館 |
フラウエン教会の周辺には、歴史的な建物が建ち並んでいます。教会からヒルトンホテル前の狭い道の向こうに、壁画が描かれているのが見渡せます。ここはドレスデン城の外壁。近づいてみると、長さ100mに渡ってマイセン磁器のタイルに描かれた、12世紀から20世紀初頭までにわたるザクセン君主の騎馬像や各時代の著名人などが描かれています。
通りの向こうに君主の行列が | マイセン焼きのタイルでできた君主の行列 |
中央に描かれたアウグスト強王 | ドレスデン城とカトリック旧宮廷教会 |
併記画の中央部分で馬にまたがっているのが、ザクセン選帝候フリードリッヒ・アウグスト1世。パックツアーの団体さんに、ガイドが指差していたので見つけることができました。このタイルは、奇跡的に戦災を免れたのだとか。
カトリック宮廷教会の前、エルベ川に架かるのがトラムも渡るアウグストゥス橋。橋のたものと階段を上がれば、川岸に開けるブリュールのテラスから対岸の新市街が見渡せます。
ブリュールのテラスにあがる階段 | カトリック旧宮廷教会 |
ゼンパーオペラ前を行くトラム | ブリュールのテラスの向こうにフラウエン教会 |
ドレスデン中央駅や市内各地からやってきた黄色いトラムは、ゼンパーオペラ(ザクセン州立歌劇場)の前で大きく向きを変えてアウグストゥス橋を渡っていきます。
南北に架かる橋の途中から、エルベ川に面した旧市街がよく見えますが、正午前後はモロ逆光に。そんなことを気にせずに、ドレスデン城や旧宮廷教会を背に、行き交うトラムを撮っていると、車道にセグウエィに乗った集団が現れ、橋を渡ってきます。
エルベ川の船着き場の向こう、アウグストゥス橋の隣に架かるカローラ橋は近代的な外観。こちらの上にもトラムの路線が敷かれています。
エルベ川の遊覧船 | カローラ橋を渡るトラム |
旧市街を背景にアウグストゥス橋を渡るボンバルディア製NGT8DD型とNGT6DDトラム |
トラムは、全低床車で短い車体の下に1台の台車を備え、フローティング床構造の長い車体を挟むボンバルディア製、5車体のNGT6DDと7車体のNGT8DD(数字は車輪の数?)、及び、部分低床車で長い車体の下にボギー台車を2組配置し、フローティング床構造の短い車体を挟むボンバルディア製、3車体のNGT D8DDと5車体のNGT D12DDがあるようです。後者の方が新しいと思われますが、初期費用やメンテナンスの関係で車軸のある動力台車に戻したのでしょうか。
アウグストゥス橋を渡るボンバルディア製NGT D8DD型トラム | 金色に輝くアウグストゥス王騎馬像を背に |
エルベ川の対岸新市街を行くボンバルディアの低床トラム |
東ドイツに属していたためか、人口が50万人を超えても地下鉄のないドレスデン。トラムの路線が隅々まで行き渡り、長い編成の低床トラムが大活躍ですが、滞在中は共産圏の標準型だったタトラカーを見かけることはありませんでした。交通博物館とは別に、郊外にはトラム博物館もあるそうですが、開館日が毎月1回に限定されていてスケジュールが合わずに残念。
旧市街の北側へ、アウグストゥス橋を渡って新市街に入ります。トラムの線路に沿って歩いていくと、石造りのドレスデン・ノイシュタット駅にたどり着きます。
ドレスデン・ノイシュタット駅前のトラム | ドレスデン・ノイシュタット駅 |
歩行者信号機アンペルマンの女の子バージョンを見つけた |
駅前の歩行者信号機に、あっ! 見つけた。お下げ髪のアンペルマンの女の子バージョンを。