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ヴォルタースドルフ鉄道87系統トラムの車庫と保存車

ヴォルタースドルフ・シュロイゼから再びゴータカーに乗って戻ります。往きに、テールマンプラッツ停留所の近くで脇道へ分岐する引き込み線を見つけていたので、途中下車してみることに。線路をたどっていくと、やっぱり車庫があった。

ヴォルタースドルフ・シュロイゼから乗車 テールマンプラッツで車庫への引き込み線が分岐
ゲートの向こうに電車がいる 車庫のガラスに電車が映っている

庫外には、塗色の異なる緑のゴータカーが停まっています。よく見ると、車体中央にドアのある工事用の車両のようです。その隣には、扉の閉まった車庫の建物があり、ガラスに青いゴータカーの姿が映っています。その時、大きな扉に付いた小さな通用口の扉が開き、出入りの業者でしょうか、男性が出てきて止めてあった小型トラックに乗って走り去ります。

おっ、鍵がかかっていない。図々しく、通用口を開けて中に入ると、何と! 車庫内にはゴータカーだけではなく、ミニトラム博物館のようなクラシックな車両が並んでいるではありませんか。声をかけると初老の男性が現れますが、英語が全く通じません。カメラを見せ、イッヒ ビン ヤーパン、フォト オーケー?(←このドイツ語はでたらめ)と聞くと、目的を理解してもらえたようで、ヤーと言ってくれました。

もとベルリン市電のボギー車218号 開業時からの2軸付随車24号
開業時からの2軸電動車2号 第二次大戦中の2軸電動車7号

予備知識も何もなしに来て、いきなりこんなヴィンテージカーに出会えました。言葉が通じず具体的なことが聞けませんが、ビューゲルやパンタを上げているので動態保存車でしょう。

帰国後にネットで調べると、モニタールーフでオープンデッキ、車輪径の異なるマキシマムトラックを履いた唯一のボギー車218号は、1913年製のもとベルリン市電。モニタールーフの2軸電動車2号と付随車24号は、開業時からのこの路線の生え抜きで1913年製。2号の新造時は24号と同じオープンデッキで、後にデッキの部分を正面窓とドア付きの車体に改造したのではないかと推測します。

2軸電動車7号と同型の付随車22号は1944年製。7号はベルリン、22号はストラスブールの中古車です。ストラスブールは、戦争によりフランスとの間で国境が行き来していて、製造時点ではドイツ領だったかも。1枚引き戸と2枚引き戸の違いや正面窓上のベンチレータなどに差がありますが、塗色も含め広島電鉄のハノーバー車とよく似た戦時規格型です。

第二次大戦中の2軸付随車22号 2号とゴータカー32号
ゴータカー32号 ゴータカー29号は未更新?

ゴータカーは、29、31、32号が入庫しています。この日稼働していたのは27、28、30号で、29号だけ塗色が違います。また、ワイパーの取り付け位置やテールライトの形状も異なり、29号がオリジナル、他の5両は更新時の改装と見受けます。これらのゴータカーは1959〜60年製で、シュヴェリーンやデッサウ(いずれも旧東ドイツの都市)の中古車だそうです。

19号はヘッドライトが2灯で、パンタグラフのシューの形状も他車と異なります。ベルリンの中古車だとか。その後ろのシートでくるまれたゴータカーは、パンタがないので付随車のようです。ゴータカーは連結器を持ち、両端の終点には機回り線があるので、過去には付随車の牽引も行われていたのでしょう。

保線車19号の後ろはゴータカーの付随車? 正面窓から覗いた19号の車内
ランズドルフ駅前に到着 ランズドルフ駅横を通過する列車線のRE

テールマンプラッツからゴータカーに揺られて、ランズドルフ駅前に戻ってきました。Sバーンを待つ向かいの線路を、電気機関車に牽かれた二階建てのREが駆け抜けていきます。

ランズドルフから87系統のゴータカーに乗ってヴォルタースドルフ・シュロイゼへ、帰りはテールマンプラッツで途中下車して車庫を訪問してきました。ゴータカーの車窓、吊りかけモータと電気ブレーキの音を、動画でお楽しみ下さい。

 ヴォスタードルフ鉄道のゴータカー

 

フリードリッヒスハーゲンのトラム88系統

S3系統のSバーンで、ランズドルフからベルリン方面に1駅戻ったフリードリッヒスハーゲン駅で下車。駅前にトラムのループ線があります。クリームとライトグリーンに塗り分けた88系統のタトラカーKT4Dが、下車停留所で乗客を降ろし、向きを変えて乗車の停留所へ移動。

バリアフリー対策でしょう、2車体連接だったタトラカーの間に低床車体を挿入して、3車体連接に改造したようです。中間車は車軸のない4輪で、床下を覗くと車輪の外側にブレーキディスクが見えます。線路幅がメーターゲージのようで、中間車の通路幅が狭いところに、自転車が乗っています。

フリードリッヒスハーゲン駅前下車停留所のタトラKT4D 乗車の停留所へ移動
中間の低床車の台車 中間の低床車の車内

この路線も私鉄で、シェーンアイヘ・リューダースドルフ鉄道による運行です。路線はベルリン市外まで続いていて、Cゾーンの一日券で乗車できますが、時間の関係で次に向かいます。

 

世界のトラム景勝路線ベルリン68系統

S3系統のSバーンで、さらに2駅ベルリン方面に戻ったケーペニック駅で下車。ガードをくぐって、駅前を黄色いトラムが行き交います。ケーペニック駅前からベルリン市の南東、アルト・シュメックヴィッツ行きの68系統のトラムは、雑誌“ナショナルジオグラフィック”が選ぶ“世界のトラムベスト10”にランキング入りした景勝路線とのことで、乗ってみることに。

ケーペニック駅高架線のSバーン ガードをくぐるタトラKT4Dの重連
交差点を曲がってループ線に入るブレーメン型 タトラKT4D

ナショナルジオグラフィックは米国の雑誌だからか、1位はカナダのトロント、以下、シアトル、ニューオリンズ、サンフランシスコと続き、アジアは5位の香港だけ、メルボルン、ブダペストに続いてベルリンの68系統が8位に入賞です。残りは、アムステルダムとリスボンの28。日本は、何処も選ばれていません。

停留所の電光表示を見ると、20分間隔の運転のようです。本数の多い62系統はタトラカーがやってきますが、駅前の何ブロックかを大きく回るループ線で方向転換してきた68系統は、ブレーメン型の低床車。はじめは、ケーペニックの商店街や住宅街を走ります。

62系統はタトラカー やっと来た68系統のブレーメン型
ブレーメン型の車内 はじめは商店街の電車通りを行く

Sバーンの別の路線と接続するグリューナウ駅前を過ぎると専用軌道となり、郊外電車のように高速で飛ばします。やがてダーメ川沿いの森の中を行く路線となり、木々の間から川が見え隠れする車窓が終わると住宅地の併用軌道に戻って、終点アルト・シュメックヴィッツに到着。その先は、マイクロバスが接続しているようです。

ダーメ川沿いの景勝路線 終点アルト・シュメックヴィッツでマイクロバスに接続
グリューナウ駅前に戻ってきた Sバーンのベルリン・グリューナウ駅

再び68系統に乗って、Sバーンのベルリン・グリューナウ駅まで戻ります。はっきり言って、ゴータカーの走る87系統、ヴォルタースドルフ鉄道の方が楽しいですね。同じ川沿いの景勝路線なら、ドナウ川の対岸に王宮が望める6位のブダペスト2系統とは大きな差があり、また乗った楽しさでは、10位でジェットコースターのような狭い坂道を行く単車のリスボン28系統の方に高い点数を入れたく思います。


 

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