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スロベニアからクロアチアに入国してから、タクシーはイストラ半島の内陸部を縦貫する高速道路に乗り、南に向かって快調に飛ばします。インターチェンジを降りて、下の道を西に向かい、アドリア海に面したポレチへ。バスターミナルに隣接のホテルに横付け。いやー、タクシーは楽だ!
約束の70ユーロに5ユーロのチップを加えて支払いをしようとすると、何と75ユーロを請求してきました。もともと+5ユーロは用意していたのであげるけどね。やっぱり、交渉時には記録を残しておかなければいけません。
▲ スロベニアのタクシーでクロアチアのホテルに横付け
ポレチで2泊してクロアチアのイストラ半島を巡ったのち、スロベニアのシュコツィアン鍾乳洞に向かうのに、ポレチからのバスとコペルでの列車の接続が悪く、ホテルの朝食に間に合わない 。早朝のバスでイタリアのトリエステまで直行し、路面電車とスロベニア鉄道、送迎バスを乗り継ぐ大回り、半日がかりの移動コースを考えていました。
運転手とやり取りしたところ、ポレチからシュコツィアン鍾乳洞に直行し、洞内の見学の間待機したのち、トリエステまで送り届けて130ユーロで交渉成立。4人なら1人4000円程。旧共産圏のタクシーは安い。今度はしっかり金額を紙に書かせて残し、2日後の朝にコペルから国境を越えてポレチのホテルまで迎えに来てもらうことに。
▲ ポレチからバスの行き先と時刻
コペルからポレチへの移動をバスからタクシーに変更したため、夜着が午後着に繰り上がったので、翌日に予定していたポレチ旧市街の観光に出かけることに。
イストラ半島の西海岸に位置するポレチは、ローマ時代からの長い歴史のある街。ビザンチン帝国(東ローマ帝国)、ヴェネツィア共和国、オーストリア・ハンガリー帝国、イタリア、ユーゴスラビアと支配者が変遷し、今はクロアチア。アドリア海に突き出た小さな半島にある旧市街には、ヴェネツィア共和国の面影が残り、街中の標識等はクロアチア語とイタリア語が併記。ちなみにクロアチア語のポレチはイタリア語ではパレンツォ。
▲ スロボダ広場の聖ドミニク教会
▲ この先が旧市街
半島の付け根に位置するバスターミナル隣接のホテルから、聖ドミニク教会の建つスロボダ広場を抜けると、城門の跡が残る五角形の塔があり、その先は道が狭いポレチ旧市街。観光客で賑わっているものの多くはヨーロッパ系で、日本ではイストラ半島は余り知られていないのか、大陸や半島の人々も含め東洋人はほとんど見かけません。
▲ 旧市街入口にある五角形の塔
▲ 狭い旧市街の通り
石造りの古い建物だけど、内部は綺麗に改装して1階は商店に、2階から上は住居に使われています。その窓の飾りはベネツィアそのもの。ポレチもまたミニヴェネツィアの一つです。
▲ 古い建物も内部は綺麗に
建物にあるトンネルの向こう側にはパティオ(中庭)が。
▲ 建物を抜けるとパティオ(中庭)が
▲ ロマネスクの家
▲ マラフォロ広場
▲ 旧市街の建物はヴェネツィア風
▲ この窓もヴェネツィア風
ポレチ最大の見所は、世界遺産のエウフラシス聖堂。キリスト教が伝わった4世紀ごろに初期のエウフラシウス聖堂が建てられ、現在の建物はエウフラシウス司教の時代である6世紀ごろに改修されたもの。聖堂内の壁に施された黄金に輝くモザイクは、ビザンチン様式の傑作といわれています。
▲ 旧市街からエウフラシウス聖堂入口
▲ 入口のモザイク
▲ エウフラシウス聖堂の入口
▲ エウフラシウス聖堂
▲ 聖堂上部のモザイク
▲ 聖堂内部
祭壇のアーチの上の壁の部分には、本を持つキリストと十二使徒。アーチに沿って内側に、神の羊と女性殉教者たちのメダル。後陣上部のドームには、幼いキリストを膝に乗せた聖母マリア。前に建つ天蓋には、受胎告知と聖母マリアの訪問場面などがモザイクで描かれています。
▲ 祭壇
▲ 祭壇の黄金のモザイクは6世紀頃の製作
側廊にもモザイクがあります。破壊や修復をまぬがれ、6世紀当時のモザイクがそのまま残るのは、世界でも珍しいのだとか。
▲ 側廊にもモザイク
▲ 側廊にもモザイク
▲ アーチ部分に残るモザイク
床面にもモザイクが残っています。
▲ 堂内の一段低い床面にモザイク
聖堂の外にもモザイクが。
▲ 堂外にもモザイク
聖堂の壁面のフレスコ画は、おそらくもっと後の時代に描かれたと思われるものの、消えかかっています。モザイクがいかに丈夫か、よくわかります。
▲ 壁面のフレスコ画は消えかかっている
▲ 八角形の洗礼堂
エウフラシウス聖堂をあとに、旧市街を半島の先端へ。ここにはローマ時代の遺跡、ネプチューンの神殿跡。空き地に柱の一部が残っているだけで、あとは崩れた石が放置されています。貴重な 遺跡だと思うのだけど。
▲ ネプチューンの神殿跡
▲ 円柱が残る
ホテルの近くの港には、アドリア海で操業する多くの小型漁船が停泊しています。
▲ 港に漁船が並ぶ
▲ 漁船の向こうは旅客船?
港の近く、ナロドゥニ広場にある新鮮なシーフードが食べられるレストランへ。隣に建つ円形の塔。これも遺跡だと思うけど、カフェ&バーの看板が出ている。
▲ シーフードレストラン 隣には円形の塔
▲ アドリア海の海の幸に大満足
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