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ザグレブ新市街のトラム

クロアチアの内陸部に位置する人口80万人の首都ザグレブは、第一次世界大戦以前はオーストリア・ハンガリー帝国領だったこともあってか、オーストリア地方都市の香りのする街。

中央駅前から乗ったトラムを、新市街の中心イェラチッチ総督広場で下車。広場の中央には19世紀、オーストリア・ハンガリー帝国時代のクロアチアの軍人で政治家イェラチッチ総督の騎馬像があり、その前のトランジットモールをトラムが行き交います。

▲ イェラチッチ総督の騎馬像

▲ トランジットモールの低床連接車

▲ イェラチッチ総督広場のトラム

▲ 新市街のタトラカーKT4YUとT4YU+B4YU

 

ケーブルカーで旧市街へ

イェラチッチ総督広場の先にある、新市街から丘の上の旧市街に登る青いケーブルカーは、有効時間内ならトラムの切符でそのまま乗車できます。床が水平の小さな車体。全線でわずか66m、乗っている時間は30秒は、世界で一番短い公共交通機関かもしれません。19世紀末、1890年に開通した線路は複線。こんな短距離なら、中間に行き違い設備を設けるより、複線にした方が簡単で良かったのでしょう。

丘の上の旧市街、駅舎の隣に立つロトゥルシュチャク塔は、13世紀に敵の襲来に備えた見張り塔。

▲ ケーブルカーとロトゥルシュチャク塔

▲ 駅舎内に19世紀末開業時と現在の写真

▲ 複線のケーブルカー


ザグレブ旧市街

正面に聖マルコ教会が見える通りの右は失恋博物館、左には美術館。

▲ 向こうに聖マルコ教会

聖マルコ広場に建つ聖マルコ教会。14世紀の建築、19世紀末の改築で今の姿になったのだとか。屋根にはカラータイルで、左にクロアチア・スラヴォニア・ダルマチア王国、右にザグレブ市の2つの紋章。

▲ 屋根にクロアチア王国とザグレブ市の紋章

▲ 聖マルコ教会の入り口

▲ 聖マルコ教会の祭壇

▲ フレスコ画

聖マルコ広場の教会に向かって左に首相官邸、右には国会議事堂。

▲ 首相官邸

▲ 国会議事堂

▲ 建物の角に

国会議事堂の先にあるトンネルが石の門。向こうにそびえるのはザグレブ大聖堂の2本の塔。かつて旧市街を囲んでいた壁に開けた出入り口の一つであった石の門。

▲ 石の門

石の門の中にはザグレブの守護神である聖母マリアが祀られた小さな礼拝堂があり、中に安置されているイエス・キリストを抱く聖母マリアのイコンは頭に載せた冠だけは三次元。このイコン、19世紀末の大火を無事にくぐり抜けて今に至るのだとか。

▲ 門の内部に礼拝堂

▲ 聖母マリアの肖像

石の門を抜けた先の高台から見渡すと、手前に聖母マリア教会、その向こうに聖母被昇天大聖堂。13世紀に建設が始まり17世紀に完成。現在の姿になったのは19世紀末の大火を受けた20世紀初めの修復のあと。クロアチアで一番高い108mの2本の尖塔のうち、右側は修復工事中。

▲ 聖母マリア教会の向こうに聖母被昇天大聖堂

大聖堂前のカプトル広場の噴水の中央には、周囲を4人の天使に守られた聖母マリア像。

▲ 聖母被昇天大聖堂と聖母マリア像

▲ 聖母被昇天大聖堂の正面

大聖堂の横にはオスマントルコの襲撃から街を守るため、16世紀に造られた壁の一部が残っています。

▲ 大聖堂横に街を取り囲んでいた壁の一部が残る

大聖堂の祭壇はキリスト像でもマリア像でもなく、ザグレブの大司教であったステピナッツ大司教が横たわるガラスのお棺。中身はミイラではなく人形とのこと。ステピナッツ大司教は第二次世界大戦後のユーゴスラビアで戦犯の烙印を押され、クロアチアの独立後に名誉が回復されたのだとか。

▲ 大聖堂の祭壇

▲ ステピナツ大司教のお墓

 

再び新市街へ

大聖堂から中央駅まで、トラム走る通りを歩いて戻ります。並行する広い公園の中には、科学・芸術アカデミーやアートパビリオンが建ち並び、駅前のトミスラヴ王の騎馬像へと続いています。

▲ クロアチア科学・芸術アカデミー

▲ アートパビリオン

夕食は、この電車通りに面したパレスホテル近くのクロアチア料理のレストランへ。

▲ パレスホテル前のタトラカーT4+B4ラッピング車

▲ クロアチア料理


ユーロシティーでスロベニアのリュブリャナへ

翌朝は、ザグレブ中央駅6時55分発のドイツフランクフルト中央駅行きのユーロシティーで、隣国スロベニアの首都リュブリャナに向かいます。クロアチア、スロベニア、オーストリア、ドイツと4か国縦断の国際列車。もとは同じ国だったのに、ザグレブとリュブリャナの間で人の移動は少ないのか、長距離の夜行も含め直通列車は1日4本、バスも5本だけで選択肢はわずか。

ザグレブ中央駅の頭端式のホームに停車中のフランクフルト行きEC212の編成は、2等車が3両だけ。国際列車なのに食堂車はおろか、1等車も連結していません。スロベニア鉄道の車両らしく、6人部屋のコンパートメントが並んでいます。列車番号がEC112に変わるオーストリアのフィラッハで増結するのかもしれません。隣のホームの客車はオーストリア連邦鉄道の所属です。

▲ フランクフルト中央駅行きユーロシティー

▲ ザグレブからフィラッハまでEC212 その先はEC112

クロアチア鉄道の1114型電気機関車の牽引で、各コンパートメントに数人の乗客を乗せてザグレブ中央駅発車したEC212の車窓を、各種保線機械等の業務用車両が横切ります。

▲ ザグレブ中央駅近く 車窓の保線機械類

▲ 保線機械類

▲ 架線修理車?

わずか30分程で、最初の停車駅ドボヴァに到着。ここは国境を越えたスロベニア側の駅で、2016年当時はクロアチアがまだシェンゲン協定に加盟していなかったため、出入国管理が行われます。

▲ 国境駅 スロベニアのドボヴァに到着

引き続き、スロベニア編のリュブリャナは、こちら


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