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“台湾 阿里山森林鐵路嘉義車庫園區”


台湾南部の北回帰線が横切る街、嘉義から標高2300mの阿里山を目指す軌間726mmのナローゲージ、日本統治時代に檜を運搬のするために建設され、観光鉄道として今に生きる阿里山森林鉄路は、民営化の失敗もあり、国営(林務局の経営)に戻っています。

'99年の台湾大地震以来、度重なる台風の被害に加え重大事故の発生もあ って、現在運行しているのは本線の神木−阿里山間と祝山線、それに2012年末に再開した本線の嘉義−竹崎間だけです。

▲ 阿里山森林鐵路嘉義車庫園區の入口 2013/3

嘉義を発車した列車は市街地を走行し、6分で最初の停車駅北門です。到着前に、留置線に車両が並ぶ車庫の横を通過しますが、ここが歴代の車両を展示した公園のように整備され、一般に開放されている阿里山森林鐵路嘉義車庫園區です。線路と並行する広い通り、林森西路に面して入口があります。門を入ると左側に、2両のシェイ型蒸気機関車が待機しています。

▲ シェイ型蒸気機関車26号機と25号機

車体の左側に縦に3組のシリンダを持ち、クランク軸を回転して推進軸で前後のボギー台車に伝達し、4つの車輪に取り付けたベベルギヤで駆動する、急カーブに対応した特殊な構造の機関車です。 動態保存機ですが、ボイラは軽油炊きに改造されているとか。

▲ シェイ型蒸気機関車26号機

▲ シェイ型蒸気機関車25号機

▲ シェイ型蒸気機関車25号機と26号機

その先は検修庫になっていて、何両ものディーゼル機関車が入庫していますが、入口には“禁止進入”と書いた看板が立っています。入口から望遠で1枚だけパチリ。以前は日本車両製が主力だったようですが、竹崎行きを牽引したDLは、“台彎車輛”のプレートを付けていました。

▲ 検車庫の中のディーゼル機関車

庫外の留置線には、赤とクリームに塗り分けた冷房付き固定窓の新旧“阿里山號”の客車や赤に白帯で冷房のない普通列車用の客車が並んでいます。現役なんでしょうが、中にはいつから留置されているのか、外観から見て状態の良くない車両も。

▲ 留置線に並ぶ現役車両 一番右は本線

▲ 最新型の冷房客車

▲ 旧型の阿里山号の客車

▲ 普通列車の客車 バス窓なのに窓は左右の引き違い式

留置線には、庫内の車両とはスタイルの異なるディーゼル機関車も1両、客車の先頭に立っています。一応現役なんでしょうが、同じスタイルの相棒がすぐ横で展示物になっています。見た目は丈夫そうですが、ドイツ製の異端児で継子扱いか。

▲ ドイツ製のディーゼル機関車

ちょうど、この日の嘉義−竹崎間の運用を終えた列車が車庫に帰ってきました。機関車は嘉義側に連結して、登りの列車は推進運転となるため、客車の運転台(または単なる前方監視台)は阿里山側のにみ設けていますが、留置線に押し込むため阿里山側に機関車をつなぎ替えて、推進運転で北門駅から入線です。

入庫の様子を、動画でご覧下さい。

▲  1日の運用を終えて入庫する平快冷氣車

構内には、手動式の小さなターンテーブルも設置されています。

▲ 手動式のターンテーブル


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