“中国鉄道博物館 2016年再訪” |
2016年のシルバーウイークに、北京首都国際空港で半日以上の乗り継ぎ時間をとり、一旦中国に入国の上で中国鉄道博物館に行ってきました。2012年から4年ぶりの再訪です。前回は北京駅からバスで博物館に向かいましたが、そのバスが三元橋を通ることがわかったので、今回は空港からエアポートエクスプレス、機場快軌に乗り、三元橋で降りてバスに乗り換えることに。
2012年の最初の訪問は、こちらにあります。
▲ 機場快軌3号航站楼 手荷物のX線検査
まずは、空港に隣接する機場快軌の第3ターミナル駅、3号航站楼へ。片道25元、400円近い中国では高価な乗り物です。切符売り場の窓口で、北京の地下鉄やバスに使えるICカード、一卡通の残額を確認してもらったところ37元と少々。
前回は持ってくるのを忘れたので4年ぶりですが、残額はクリヤーされずに残っています。でも、これでは空港と市内の往復にも足りないので、40元チャージしてもらうことに。帰国前にここの窓口で一卡通の払い戻しも受け付けるようになり、利便性が増しました。手荷物のX線検査を受けてから自動改札機にタッチ。オッ、これ日本製だ。
▲ 機場快軌の留置線
機場快軌はボンバルディアの技術で長春軌道客車が造った鉄輪式のリニアモーターカー2扉車の4両編成で、車内はクロスシート。一番後ろのドアから乗車し、最後部のかぶりつき席を確保。3号航站楼を発車すると、車窓に留置線に並ぶ機場快軌の編成が見えたあと地下へ。2号航站楼で進行方向がかわって先頭席になります。地下区間以外は高架線で、第三軌条集電のため架線や架線柱が無くてすっきり。眺めは上々。
▲ 高架線上で空港行きとすれ違い
地下鉄2号線、13号線と接続する東直門まで、途中停車駅は10号線と接続する三元橋だけ。ここでバスに乗り換えです。メモ用紙にバスの系統と行き先“403路環行鉄道”と簡体字で書き、地下鉄10号線の駅員に見せて地上への出口を教えてもらいます。通りに出たところにある売店でもう一度見せて、店員の指差す方向に行くと三元橋東のバス停があった。
▲ 三元橋東のバス停 ここから403系統環行鉄道行きに乗車
始発の北京站東から403系統に乗ると1時間はかかるが、ここなら終点の環行鉄道まで15分程度。4年前は1元(一卡通を使うと0.4元)の均一運賃だったバス代が、2元から始まり1元ずつ加算される(一卡通を使うと半額)区間制に、中国の他都市と同じレベルまで大幅な値上がり。10kmまで30円ほどだから、まだまだ安いですが。
均一運賃のときは、乗車時に入口の読み取り機にタッチするだけでした。乗客を見ていると下車時にもタッチして、距離に応じた運賃が差し引かれる方式になったようです。
▲ 1段ステップで乗りやすくなった
403系統は冷房のない2両連結のバス。ワンステップで乗りやすくなっています。前回は、前後の車両のドアの脇のカウンター席に座っていた2人の車掌が前方の車両だけの1人に。大半の乗客が一卡通を使っているので切符を売る業務がほとんどなくなり、車掌の仕事は自席横と後部車両のドアの開閉だけ。
▲ 連結バスで車掌さんは1人乗務 後ろの車両の車掌のカウンター席は空席に
車掌が1人になった代わりにか、黒い制服に帽子の警備員らしき男性が添乗しています。もっとも、三元橋で乗車したときは一番後ろで2人分の座席を占領して眠りこけていて、終点に着く直前にやっと起き出してきましたが、日本ならスマホで撮る輩がいて、ネットにアップされてバッシングを受けることでしょう。
▲ バスを終点の環行鉄道で降りてその道を真っ直ぐ
終点の環行鉄道で下車。三元橋からここまでの運賃は、一卡通で半額になり1元でした。バスの操車場を右に見ながら一本道を真っ直ぐ、踏切を渡り高速道路に架かる陸橋を越えると、正面に中国鉄道科学研究院の正門が見えてきます。
前回は鉄道博物館と間違って、その構内に迷い込んでしまいました。今回も面白い車両でもないか故意に迷い込んでやろうかと思っていたら、何と工事で正門が閉鎖中で、手前に“禁止入内”と書いた木の札が置かれています。門の奥も、左側にあった建物が撤去されたようです。右側に回り込んでみると、仮設の守衛所がありました。
▲ 中国鉄道科学研究院の正門が閉鎖中
この正門の前の道を左へ行くと、鉄道博物館の案内看板が立ち、すぐに右に入る細い道を中国鉄道科学研究院の屏に沿って行くように矢印が指し示しているものの、前回通ったその道は鉄の扉で閉鎖され、先の方ではクレーンが立って建設工事中。
▲ 中国鉄道博物館は右へという矢印の看板 ▲ 右の道が閉鎖されている
道がなくなっても看板を訂正していないようで、そのままクルマの通る広い道を看板の矢印と反対の左に行きます。途中に検問をするのでしょうか、“検査站”の看板が道の真ん中に置かれていますが、公安はいません。
▲ 道路の真ん中で検問?
この場所に右に入る道があったので行ってみると、見覚えのある場所に出ます。環状の試験路線の踏切で、向こうに中国鉄道科学研究院の構内が見渡せます。この踏切で守衛さんが見張っているのは前回の訪問時と同様ですが、構内に立ち入らないよう以前はなかった線路を遮断する可動式の柵ができています。
▲ 環行鉄道線路の踏切部分に中国鉄道科学研究院の構内と隔てる柵ができていた
向こうに何やら見慣れない流線型の高速列車の姿が。柵の上からズームアップで1枚。試作車でしょうか、車体に“和諧号”のロゴはありません。もう1編成、赤いプラグドアの3扉車もいます。
▲ 中国鉄道科学研究院の構内にいた車両
ここからは、前回訪問時と同じ環状の試験線に沿った道を行きますが、踏切のところにあった中国鉄道博物館の門がなくなっています。走行試験中の編成でしょうか、環状線にはステンレス車体で5扉の通勤型車両が停車中。
▲ ステンレスの通勤タイプの車両も
バス停から歩くこと20分あまりでやっと中国鉄道博物館にたどり着いたら、扉ができていて閉まっている、と思ったら左の小さな通用口が開いていて入ることができました。やれやれ。
▲ 線路沿いの道を歩いてきたら扉が閉まってる
以下の3枚は帰りに撮った写真ですが、4年前とは博物館の入口が変更になっていて、“検査站”の看板があったところで右に入らずにそのまま道なりに行くと、交差点に“中国鉄道博物館”は右の看板が出ていて、ここを右折すると正面に中国鉄道博物館が見えてきます。
▲ 中国鉄道科学研究院の正門前から左へそのまま道なりに行くと看板が出ている
▲ 右折すると正面が中国鉄道博物館
▲ 正門を入ったところ 左が車両の展示館
ここが博物館の新しい正門で守衛所もあり、私が入った線路沿いは人だけが通れる通用口になっているようで、閉館後の帰りには小さな通用口も閉じられ鍵がかかっていました。
▲ この建物には展示物はありません
今や中国でも、訪問者の多くはクルマで来るようで、バス停から20分もかけて歩いてくるのは私のような外国人だけかも。他に外国人らしき姿は見かけませんでしたが。
巨大な車両展示館の建物は変わりませんが、倉庫のような入口に立派が玄関が付けられ、傍らの切符売り場も大きくなっています。入場料は20元のまま。
▲ 巨大な車両展示館の入口
それでは、中に入ってみましょう。