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留置中の増結車に乗車

留置中の3等客車に乗ってみます。車内は木製の内装にクッションのない木製のシート。戦後の日本製だけあって、クッションを付ければオハ35の座席になりますね。6両のうち、現在のタイ国鉄客車の標準色、マルーンに窓回りがクリームで上下に黄色帯の1両だけは多少新しいようで、アルミデコラの内装にオハ12のようなクッション付きのシートです。

この編成は、観光客が大勢乗車するカンチャナブリ−ナムトク間の増結車のようで、私のチケット号車番号はクッションのない木製座席の車両。窓の横の壁にマジックで殴り書きされた座席番号から、指定席は進行方向の窓側に当たったようでラッキー。

木製でクッション無しの古い3等車 クッション付きの新しい3等車
塗りつぶされているけど日本車両のプレート? このプレートはどこのメーカー?

車内にエッチング製のメーカープレートが残っている車両もあります。ペンキで塗りつぶされて判読不能なものの、形状からみて1両は日本車両でしょう。もう1両は汽車会社?

連結面の渡り板には隙間があり、トイレのアルミ鋳物の便器は日本の旧型客車の和式とはちょっと違っい、お尻洗いのホースが付いています。

連結面の渡り板に隙間が 和式トイレが日本の国鉄型とちょっと違う
テーブルと座布団が用意された運賃300バーツの車両 こちらは運賃150バーツの車両

前方の2両は木製座席ながらクッションが用意され、間にはテーブルが設置されています。1両目は網棚から“外国人ツーリスト300バーツ”の札が、2両目は“タキレン−ナムトク間150バーツ”の札が下がり、緑のポロシャツの男性が準備作業中。定刻ならカンチャナブリ10時35分発でナムトク着が12時35分なので、300バーツの車両では早めの昼食が、150バーツの車両では飲み物でも提供されるのでしょうか。3から6両目の車両は、外国人運賃100バーツだけ。私の他にも、もう何人かの客が勝手に乗り込んで座っています。タイ人ガイドを連れた、日本人老夫婦の姿も。

駅構内の遙か向こうに、トラックを改造したような動力車が貨車に座席を付けたトロッコ客車を連結して留置中。1日3往復だけの定期列車の走らない時間帯に、観光客を乗せて戦場に架ける橋を渡るトロッコの写真をどこかで見たような記憶がありますが、留置されている場所からみて、もう使われていないようです。

貫通路から眺める線路 向こうにいるのはトラック改造の車両?

 

ナムトク行きの普通列車が入線

黄色い旧塗色のアルストム製電気式ディーゼル機関車が、バンコクから6両の客車を牽いて、定刻から30分以上遅れて大勢の乗客の待つホームに入線してきます。バスに比べると運賃が安いためか、そこそこの乗車率ですが、タイ人はこちらの車両に乗り込みます。

機関車は切り離され、客車を残したまま前方へ。ポイントを切り替え、バックして留置線の6両の客車に連結。一旦ナムトク側に引き出してから、再びバックでホームに戻り、バンコクからの客車の前に連結。12両の長い編成が組み上がります。その間に、交換列車の到着を待っていたイースタン&オリエンタル・エクスプレスが、シンガポールに向けて発車して行きます。

バンコク・トンブリ駅発のナムトク行きが入線 客車はそれなりの乗車率
6両の留置車を引き出して バックしてホームへ 編成の前部に連結

ホームで待っていた外国人客が駅員の案内で乗車すると、列車は定刻から40分遅れで発車。市街地を走りカーブを曲がると、観光客の待つクウェー川鉄橋駅に到着です。

駅員の案内で外国人観光客用の車両へ カーブを曲がるとクウェー川鉄橋駅に到着

 

戦場に架ける橋のクウェー川鉄橋を渡る列車

23年前にここに降り立ったときは、車両が短いホームにかからず、線路の上に降りてしまいましたが、今では単線線路の両側に長大編成に対応したホームが整備され、隣接して土産物屋が軒を並べています。反対側のホームは露店のパラソルが並び、戦場に架ける橋、クウェー・ヤイ川に架かる鉄橋は一大観光地に変貌を遂げています。

ホームで待つ観光客 ホームの横には売店がずらり
反対側のホームには露店が店開き この時点で乗客がいるのは指定席の片側だけ

この駅で、タイ人のガイドに引率された団体客が乗ってきて、座席の半分が埋まります。ほぼ全員が進行左側の座席が指定されているようで、この先の名所、タム・クラーセー桟道橋通過時に川側になる席を優先して販売しているのでしょうか。

クウェー川鉄橋駅を発車した列車は、踏切をわたると爆弾のモニュメントの横を抜けて鉄橋にさしかかります。鉄橋の上は、線路の間の枕木に板を渡して歩けるように整備され、列車が来ると観光客はトラスの間に設けた待避所でやり過ごします。

爆弾のモニュメントの先が戦場に架ける橋 鉄橋上の観光客が待避
クウェー川の対岸に“華軍碑”の看板 戦場に架ける橋を渡り終えた 下から鉄橋に上がる階段がある

川の対岸に“華軍碑”の看板が。中国人観光客を当て込んで何か作ったのでしょうか。乗客が増えた車内に、カメラマンが各ボックス席の乗客の写真を撮りに回ってきます。

 

チョンカイの切り通し

列車は、長閑な畑の中を快走します。クウェー川鉄橋を渡ってから10分ほど、左手にカンチャナブリでクウェー・ヤイ川に合流する支流のクウェー・ノーイ川が車窓に近づいてきたところで、垂直に鋭く切り立つた岩の間を列車が通過します。線路を通すために岩を切り取った、チョンカイの切り通しです。この近くにも、これらの泰緬鉄道の突貫工事に狩り出されて犠牲になった、連合軍兵士の眠る共同墓地があるのだとか。

畑の中を行く長閑な風景 前方にチョンカイの切り通しが見えてきた
切り通しを通過後に振り返る クウェー・ノーイ川の流れ

車掌さんが検札に回ってきます。途中駅に線路工事の車両が留置されています。鎧戸の閉まった古い客車の床下を見るとトラス棒が付いていて、木造客車の台枠を流用しているのでしょうか。

車掌さんの検札 舗装のない道とバナナの畑
途中駅に工事用の車両が留置

カンチャナブリーを出てから1時間余りを経過した畑の中のタキレン駅でも、ガイドに引率された団体さんが乗ってきます。ここまでバスで来るんでしょうね。一部の乗客は、2両目のタキレン−ナムトク間150バーツの車両へ。

タキレン駅 ここでもまだ観光客が乗ってくる 2両目のタキレン−ナムトク間で客扱いの車両に乗る団体さん

先ほどのカメラマンが、今度は車内でプリントした写真を売りに各座席へ。欧米人も、それなりに買う人はいるんですね。

 

タム・クラセー(アルヒル)桟道橋

タキレン駅から15分、カンチャナブリーを出て1時間20分ほどで、ホームの横が緑の公園のように整備されたタム・クラセー橋駅に停車。ホームに“リヴァー・クウェー・キャビン”の看板があり、リゾート開発が行われているのでしょうか。この駅でまた観光客が乗ってきて、通路に立ち客まで出る混雑。

整備されたタム・クラセー橋駅 ホームに“リヴァー・クウェー・キャビン”の看板がある
タム・クラセー桟道橋 1つ目の橋 対岸にはリゾートホテル?

駅を出るとクウェー・ノーイ側が寄り添ってきて、切り立った岩に行く手を阻まれた列車は崖からギリギリのところを最徐行でソロソロと木製の橋の上へ。日本軍が岩山を避けて川の中に建設し、今では泰緬鉄道のハイライト区間になっている、対岸に渡らないタム・クラセー桟道橋、別名アルヒル桟道橋です。

全開の窓から一斉にカメラの放列です。通路に立っている乗客がいるため、進行右側の席の乗客は崖の岩肌しか見えないでしょうね。この木製の橋、2個所に別れていることを乗車して初めて知りました。

ここも、列車が通らないときは橋の上を観光客が歩いて渡っているのでしょう。渡り終えた列車に向かって線路脇からカメラの放列。対岸にはリゾートホテルや水上レストランもありますが、橋が架かっていないので船で渡るのでしょうか。

最徐行で2つ目の桟道橋を渡る 渡り終えた線路脇では観光客がカメラの放列でお出迎え
渡り終えたところにタム・クラセー駅

桟道橋を渡り終えると、タム・クラセー駅。団体客の多くが下車します。橋の手前のタム・クラセー橋駅は、観光客用にあとから設けたのでしょうか。わずか1駅、最徐行で乗車時間10分足らずの乗客も大勢。これで外国人料金100バーツを払ってくれるなら、観光が乗る列車が1日片道1本だけでも、タイ国鉄のドル箱路線ですね。


 

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