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列車は勾配を登りつめると内湾駅に到着します。片面1線だけのホームに機回り線と留置線がそれぞれ1本ずつの山間の終着駅で、日本なら無人化されているでしょうが、ここには駅員さんが勤務しています。そういえば、台鉄にはワンマン列車もありません。必ず車掌さんが乗務しています。
もう何年も前から、台湾はローカル線ブーム。平日にもかかわらず、ホームに降り立った観光客は駅舎や車両をバックに盛んに写真を撮っています。車掌さんにスマホを渡して撮ってもらっている家族も。
内湾に到着した内湾線の区間車 | 駅で写真を撮る観光客 |
車掌さんスマホを渡して | 内湾駅舎の前でも |
そんな観光客を当て込んでか、台鉄は駅舎の一部を改装して猫行館と台湾鉄道故事館を開設しています。猫の張りぼてが台鉄の制帽を頭に乗せて出迎えているのは、どこかの“たま駅長”を意識したでしょうか。
店内には、台湾の他、日欧中の代表的な列車のおもちゃや硬券などが並んでいます。
駅舎に付属して猫行館と台湾鉄道故事館 | 台湾の他日欧中の車両が並ぶ |
こんな硬券も | 各種パロディー |
駅前の狭い通りは商店街になっていて、レトロな土産物店などが軒を連ねています。そんな中に、クリーム色とオレンジで“3D動感電影院”と書いたの車両が店の中に鎮座しています。車内の3Dの映像に合わせて車体が揺れる構造でしょうか。
駅前の道を先に進むとすぐに商店街は途切れ、橋のたもとにバス停があります。大型のバスが通れない道を行くのか、それとも乗客が少ないのか、発車を待っているのはマイクロバス。
3D動感電影院50元となっています | 町外れのバス停 |
渓谷に吊り橋が架かっている |
その先には吊り橋が架かっています。渡ってみたけど、対岸には何もないのでそのまま引き返します。
観光客がゾロゾロ歩いている駅前商店街に戻ってきました。内湾の名物なのか、笹の葉にくるんだできたての粽を売る店が何軒かあります。試しにいくつか買ってみると、これがなかなかいけます。小さくて食べやすいので別の店でももう一つ。地元の農産品を売る店もあり、どの店も同じ何処で作ったかわからない土産物を並べる日本の観光地に比べ、好感が持てます。
駅前の通り | 駅前通の観光客 |
粽が内湾の名物のようだ | いろんな粽がある |
一つ買ってみた | 地元の農産品 |
そんな一角に、内湾林業展示館があったので入ってみることに。かつては、この地では林業が盛んだったのでしょう。屋外にはウインチでしょうか、巻揚げ機械のようなものや、ナローゲージの人車も展示されています。このトロッコ、かつて作業員を運んだものにしては新しいようにも見受けますが。
内湾林業展示館 | 展示館の内部 |
ウインチでしょうか | こんなトロッコ列車も |
脇道に入ると木造の映画館があり、内部はカフェになっていて観光客で賑わっています。壁に貼った、内湾駅に停車する蒸気機関車牽引の列車の写真に重ねて、内湾線の歴史が書かれています。
漢字を拾い読みすると、日本統治時代に石炭や材木輸送のために新竹から尖石までの支線として計画され、竹東まで開通したのは戦後になってから、1951年に内湾に達したそうです。写真はモノクロで古そうに見せていますが、復活蒸機のCK101を狭軌時代の花東線気動車を改軌した客車に連結しようとしているので、ここ15年以内のものでしょう。
木造の映画館があった | 内部はカフェになっていた |
内湾站の火車の写真 | 次の区間車が勾配を登ってきた |
映画館の先のテラスから勾配を登ってくる内湾線の区間車が見えたので、駅に戻ります。
内湾駅では、ホームの前方で新婚さんが写真を撮影中。花嫁は、随分無理なポーズを要求されていますね。
新婚さんが駅のホームの先で写真を撮っていた |
午前中に引き返す観光客はまだいないのか、車内はガラガラ。でも、先頭車のトイレの先にあるかぶりつき席には先客がいます。ここに座席があるのは、DR1000型だけでしょう。
竹中行きの区間車 | 車内はガラガラ |
かぶりつき席は取られていた | かぶりつき席が空いたので移動 |
幸い途中駅で降りてくれたので、運転席横のかぶりつき席へ移動。以前に集集線に直通するDR1000型の区間快で、先頭車のこの席に座ったとき、西部幹線での高速走行時に恐怖を感じたのですが、内湾線はのんびりと走ってくれます。竹東到着時の動画をご覧下さい。
竹東駅に到着する内湾線区間車
途中駅で乗客が増え、2両の座席がほぼ埋まる程度の乗車率で、終点の竹中に到着です。乗客を降ろした列車は、そのまま新竹方面に向かいます。六家線からの新竹行きは30分間隔なので、回送ではなく営業運転をしてくれればよいのに。
終点竹中で下車 | 列車はすぐに新竹方面に回送 |
六家線からの新竹行き区間車 | 600型はドアの上に液晶モニター |
向かいのホームに新幹線からの乗客を受けた新竹行きの600型が入線してきます。竹中から10分ほど、大きくカーブして車窓に西部幹線が寄り添ってくると、内湾線との接続駅の北新竹。ここから西部幹線に乗り入れ、程なく終着の新竹に到着です。
北新竹で西部幹線と合流 | 新竹に到着した内湾・六家線の区間車 |