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インターラーケン

ツヴァイリュチューネンからBOBでインターラーケンオストに戻ってきました。スイス中央鉄道(zb)のホームに停車中の3車体連接のローカル電車ABe130型は、やはり中間のボギー車の前後に運転台側にのみ台車を装備する部分低床の先頭車を、片持ち式に載せ掛ける方式で、調べてみるとスイスのシュタッドラー社の開発した方式だそうです。ドアのない中間車に天窓を有するのも、WABと同じ。

zbの部分低床車 インターラーケンオスト駅 わずか1駅をICEで インターラーケンヴェスト駅

一旦、ホテルのあるインターラーケンヴェストまで、わずか1駅をICEに乗って戻ります。夕食を兼ねて、インターラーケンの街の散策に出かけると、ヴェスト駅とオスト駅のほぼ中間に、グランドホテルヴィクトリア・ユングフラウがあります。その向かいに広がるヘーマッテと呼ばれる草地は、向こうの山の間からユングフラウが見える場所ですが、やっぱり雲の中。

グランドホテルヴィクトリア・ユングフラウ ヘーエマッテからユングフラウは見えず

 


シーニゲプラッテ鉄道(SPB)

スイス4日目は、小鳥の声で目覚めました。雲の間から青空が見えています。当初計画では、朝の列車でルツェルンに向かい、世界最急勾配の登山電車でピラトゥスに登り、その後スイス交通博物館を訪ねることにしていました。お天気が回復してきたかなとの期待で、前日のリベンジ、シーニゲプラッテ展望台に登ってみることに予定を変更。チェックアウト後、ホテルに荷物を預けてインターラーケンオストでBOBに乗り継ぎ、ヴィルダースヴィルへ。

BOBとSPBの接続駅ヴィルダースヴィル 旧型車の編成

シーニゲプラッテ鉄道(SPB)はWABと同じ800mmゲージ。駅の構内まで、リンゲンバッハ式のラックレールが敷設されているのも同じです。1893年の開業時は蒸気機関車で、1914年の電化後は電気機関車が客車を押し上げる運行になりました。現在でも、特定のイベントで蒸気機関車が運行されることもあるそうです。電気機関車は、前日ラウターブルンネンで見かけたWABのそれによく似ていると思ったら、WABの中古車も何両か譲り受けているのだとか。

ヴィルダースヴィルを発車 先頭の客車の車内

SPBはスイスパスの有効範囲外。駅の窓口でパスを提示して50%引きのチケットを買います。前の日本人女性にずいぶん時間がかかっていると思ったら、H交通社の添乗員がパックツアーの乗客全員分のチケットを購入していました。

団体客は2両目、一般客は1両目に分けられて乗車。1両目はガラガラで、2両目はちょっと窮屈そう。各ボックス席に扉のある客車には、よく似たデザインですが旧来のものと新型があるようで、私たちの乗った旧型は車内が2つに区分されています。喫煙席があったときの名残でしょう。

       
交換の列車が山を下ってきた         信号所で列車交換

列車は、2両の客車を赤い電気機関車が後押しをして発車します。男性の機関士は後ろの機関車で運転をし、最前部の客車では女性の乗務員が前方を監視しています。BOBの線路としばらく並走した後、列車は大きくカーブして山の中に分け入り、登り勾配がきつくなります。

アイガー、メンヒ、ユングフラウをはじめ、ベルナーアルプスの眺望が広がるはずの、標高1967mのシーニゲプラッテまで、最急勾配1000分の250で高低差約1380mを克服します。運転間隔は概ね40分、途中の信号所で2回の列車交換を行い、所要時間は50分。信号所では、女性の乗務員が一旦降りてポイントの所に駆け寄り、手動で切り替え操作を行い、列車の通過後に定位に戻してから再び乗車します。信号機もタブレットも見かけませんが、どういう方式でしょう。

       
ポイントを反位に切り替え         列車が通過し終わるとポイントを定位に戻す

列車は雲の上まで登ってきました。はるか下にインターラーケンの街とトゥーン湖が望まれます。1000分の250の勾配では、こんなに車体が傾きます。登り側のシートに座っているとずり落ちそう。WABでは、ボックス席の登り側と下り側で座面の角度を変えているのですが、SPBはそういう配慮はありません。

       
眼下にトゥーン湖とインターラーケンの街         木や電柱はまっすぐ立っている

2度目の列車交換の後、さらに高度を上げていくと雲の中に入り、視界がきかなくなってしまいました。そのまま終点のシーニゲプラッテに到着。やっぱり今日もアイガー、メンヒ、ユングフラウは望めません。

2回目の列車交換 新型の客車が下っていく
ガスで周囲が見えなくなってきた シーニゲプラッテに到着

 


シーニゲプラッテの高山植物園

列車はそのまま折り返していきます。駅には、ここで使われているリンゲンバッハ式の他、アプト式とロヒャー式ラックレールの見本が展示されています。貨物輸送も行っているようで、貨車に積み込み作業を行っています。

列車の向こうにユングフラウ三山が見えるはずが 折り返しの列車が下っていく
各種ラックレールの見本 貨車に積み込み中

駅のホームの先が、高山植物園の入口になっています。600種類の高山植物があり、小さな花々が咲き乱れるなかに、雪渓も残っています。日本語の説明もあり、ここを訪れる日本人の多さがうかがわれます。ちなみに、シーニゲプラッテ高山植物園は神戸の六甲高山植物園と姉妹園をむすんでいるのだとか。

ホームの端が高山植物園の入口 小さな花が咲き乱れる高山植物園
雪渓が残る高山植物園 スイスの国花エーデルワイス

 


下山の列車

霧の中にヘッドライトが浮かび上がり、列車がシーニゲプラッテ駅に到着します。乗車しようとすると、女性の乗務員がジャパニーズはあっちと言って、団体車両の方を指さしています。グループツアーじゃないよと言ったら、その場で乗車券を確認されました。

霧の中を列車が到着 新型客車の車内

一般車の乗客は、体格の良いおじさんと私たちの3人だけ。今度の客車は新型ですが、車内は木製ベンチの同じつくりです。床下にトラス棒が見えたので、旧型車の台枠を流用して車体を更新したのかもしれません。

インターラーケンの街と右にプリエンツ湖 列車交換

シーニゲプラッテを発車すると、電気機関車はパンタグラフを降ろして発電ブレーキだけで山を下っていきます。少し下ると視界が開け、はるか下界に雲の隙間からインターラーケンの街とプリエンツ湖が姿を現します。

シーニゲプラッテからヴィルダースヴィルへ下る列車の車窓を、動画でご覧下さい。

 シーニゲプラッテからヴィルダースヴィルに下る列車

ヴィルダースヴィルにはSPBの車庫があり、ラッセル車や角張った電気機関車が留置線されています。この鉄道の電気機関車は、いずれも製造から100年を超える骨董品ですが、この角張った車体がオリジナルのスタイルかもしれません。ホームにいた機関車の扉が開いていたので、中をのぞいてみました。室内にモーターがあり、その上は排熱のダクトでしょうか。

電気機関車の機械室内 車庫に旧型の電気機関車 ラッセル車

隣のホームにBOBのインターラーケンオスト行きが到着します。

新型客車(前方)と旧型客車(後方)の編成 ヴィルダースヴィルで
ベルナーオーバーラント鉄道に乗り換え

 


 

 

 

 

 

  

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