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ロカルノは行き止まりのホーム2面3線の駅です。ベリンツオーナ方面からのSバーンが30分ごと、ルツェルン方面からのゴッタルドトンネルでアルプスを越えてきたIRが1時間ごとに到着します。ホームの端にはスイス国鉄旧塗色の電気機関車が、留置線には入れ換え用ロッド式の電気機関車がパンタグラフを降ろしています。
国鉄ロカルノ駅のSバーン | ルツェルン方面からの急行列車IRが到着 |
入れ換え用機関車と客車 | 旧塗色の電気機関車 |
ロカルノの観光に出かける前に、スーツケースを預けるためにコインロッカーの所に行ってみると、構内で写真を撮っていて出遅れたために空いている大型は1個所だけ。どう工夫してもスーツケース2つは入りません。駅の荷物取り扱い 所に行ってみると、午前と午後の営業時間の間に長〜い昼休みが。
駅にあるネット端末で時刻検索をして、荷物が受け取れる時間までロカルノ出発を遅らせても、宿泊地のブリーク到着に問題がないことを確認。一時預かりを申し込むが、ここはイタリア語圏、英語が通じない。どうやらこの駅は、荷物は発送だけで一時預かりは取り扱わないようで、コインロッカーを使えとイタリア語で言っているらしい。駅構内のコインロッカーはいっぱいで、他にないかと聞いてみても通じない。
国鉄ロカルノ駅 | コインロッカーが空いていない |
コインロッカーの所に戻ると、先ほど1個所空いていたところも取られてしまって、最悪。これはもう空くまで待つしかないものの、まだ午前中ではと思っていたのですが、 以外と20分ほどで2個所を確保することができました。
大型ロッカーの料金は9フラン(約千円、高い!)。コインのみ対応で、投入口に大きなコイン1個と小さなコイン2個の絵が描いてあります。日本なら500円玉でも100円玉でもOKの意味でしょうが、1フランコインを入れると戻ってきてしまいます。しばらく考えて、大きい5フランコイン1枚と小さな2フランコイン2枚の組み合わせだけが正解であることを意味していることがわかりました。
余計なことで時間を取られましたが、やっと身軽になって街に向かいます。国鉄駅からすぐの所に、マドンナ・デル・サッソの聖所に登るケーブルカーがあります。スイスパスで半額割引。 前方に教会を見上げながら登り、途中にはトンネルもあります。
マドンナ・デル・サッソの聖所に登るケーブルカー | マドンナ・デル・サッソの聖所の横にあるケーブルカーの駅 |
ケーブルカーの終点で降り、前の道路を少し上ると展望台のようになっていて、岩山の上に立つ赤茶色の屋根にクリーム色の壁の教会と、その向こうに広がるマッジョーレ湖の絶景が見渡せます。眼下には、下から登ってくる青いケーブルカーも。
マッジョーレ湖を背に高台に建つマドンナ・デル・サッソの聖所 |
階段を下りて教会に向かいます。15世紀の後半に、この場所に聖母マリアが現れ、そのお告げに従って建立したのが始まりで、その後300年に渡って改修がなされ、現在のような壮麗な造りの教会になったそうです。
鉄格子の向こうでは最後の晩餐が行われている |
フレスコ画と人形 | 聖母子を祀った祭壇 |
聖堂内部の装飾やフレスコ画も素晴らしく、外に出て正面のテラスから見下ろすマッジョーレ湖と、その手前ロカルノ市街地の眺めも絶景です。
聖堂の内部 | 聖所から見るマッジョーレ湖とロカルノの街 |
下りのケーブルカーは、マドンナ・デル・サッソの聖所のすぐ横にある駅にも停車するので、帰りはここから乗車して下界におります。街の中心、ピアッツァ・グランデ(大広場)に向かう途中で、ロカルノ名物のカップケーキ、パネトーネの店を見つけてフルーツサラダとともにゲット。近くの公園のベンチで軽めの昼食に。うん、おいしい。
グランデ広場は、毎年8月に行われるロカルノ映画祭の会場になり、ここに舞台とスクリーンが立ち、観客席の椅子が並ぶのだとか。
ロカルノ名物のカップケーキ パネトーネ |
街の中心グランデ広場 | ヴィスコンティ城 |
広場を抜けてさらに先へ、次に向かうのはヴィスコンティ城。12世紀頃に創建された石造りの古城で、この地まで支配していたミラノの貴族ヴィスコンティ家の居城だったとか。今は考古学博物館になっていて、スイスパスが使えます。入口(イタリア語ではエントラータだったような)がどこかわからずに、散歩をしていた地元の人に聞いて教えてもらいま す。
開館時間が午前と午後に分かれていて、12時から14時までは閉鎖されるのがシエスタ(昼寝)のためなら、ここはイタリア文化圏そのものですね。
ヴィスコンティ城 | キエーザ・ヌオヴァ教会(だったかな) |
城からグランデ広場への帰り道で小さな教会に立ち寄り、ロカルノ駅近くのマッジョーレ湖畔に戻ります。この湖の標高は193m。スイスで一番低いところだそうです。
マッジョーレ湖畔 |
国鉄駅横の売店でビールを仕入れ、駅裏にあるエスカレータで地下に降りると、そこがロカルノとイタリアのドモドッソラをむすぶ国際列車、チェントヴァッリ鉄道のロカルノ駅。ホームには、2車体連接の部分低床車を2本併結した電車がドアを開けて乗客を待っています。
チェントヴァッリ鉄道ロカルノ駅 | 地下ホームに停車中の電車 |
奥には、'60から'70年代の雰囲気を漂わせる、ちょっと古そうな丸みのあるボギー車や、上部が絞られ側窓部に傾斜がついた、大きな固定窓の新しい電車がパンタグラフを降ろして休んでいます。電車の正面窓下には、スイスまたはイタリアの国旗が描かれていて、それぞれの所属国を表してい ます。
次の発車はイタリア車。先頭車のドアから前は1等になっているので、2両目の高床部のボックス席を確保し、上段下降式の窓を開けます。窓の開かない新型車に当たらなくて良かった。
丸みのある旧型車 | 角張った新型車 |
これが乗った部分低床の連接車 | 低床部分と高床部分 |
例によって一杯飲みながら | トンネルと橋が連続する渓谷 |
チェントヴァッリとはイタリア語で百の谷という意味で、たくさんの渓谷を急カーブとトンネルや石積みの橋で越えていくのでしょう。ラックレールは使っていません。
運転間隔が1〜2時間の、ロカルノからドモドッソラへの直通車は快速運転。その間に、スイス国内とイタリア国内の区間に折り返し運転の普通列車が入ります。ロカルノを発車した列車は、しばらく地下を走った後地上に出て、地域住民の乗り降りする 郊外の集落に停車してから、メレッツァ川の渓谷沿いに山に分け入り高度を上げていきます。
深い渓谷 | 小さなダム湖 |
ダム湖を過ぎ、ロカルノから35分程のカーメド駅が国境で、スイス国内の普通列車が折り返します。ここから先、イタリアに入ると谷は浅くなり風景も平凡になりますが、まだまだ登っていきます。
途中駅でパノラマ車でしょうか、上部の車体断面の台形の列車と交換します。開かない側窓に、室内灯が反射しないように角度を付けているのでしょうか。イタリア側の区間運転の車両でしょう、正面2枚窓と3枚窓の旧型車が車庫で休んでいます。
台形断面の電車と交換 | 車庫の旧型車 |
最高地点のサンタ・マリア・マッジョーレ | スイス車と交換 |
高原の保養地のような沿線の最高地点、標高1202mのサンタ・マリア・マッジョーレを過ぎると、広い谷に向かってどんどん高度を下げていきます。やがて、民家が増えて裏庭のような所を通り、最後にまた地下に潜ると 標高270mの終点のドモドッソラ 、1時間50分の旅が終わります。
この路線は、 チェントバッリ鉄道の名でひとまとめにされていますが、スイス国内とイタリア国内はそれぞれ別の鉄道会社が運営しています。直通列車は相互乗り入れをして、イタリア区間も含め全線でスイスパスが使えます。深い渓谷 の絶景ルートといわれていますが、前日にベルニナ線に乗ってしまうと、この程度の景色なら日本にもあるね、と思ってしまいます。乗車する順序を逆にすれば良かったかもしれません。
谷が開けてきた | 住宅が増えてくると終点が近い |
途中駅で交換した列車が民家の裏を山に向かう(画面中央) | ドモドッソラの地下駅に到着 |