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韓国4日目は、“冬のソナタ”で一躍有名になった春川へ。といっても、韓流ドラマに興味があるわけではなく、韓国唯一の二階建て車両を組み込んだITX青春号に乗ってみようというだけ。ソウルへの帰りは高速バスでと思っていたのですが。
単線非電化で、清凉里駅からディーゼル機関車牽引のムグンファ号が運転されていたローカル線の京春線が、2012年に複線電化して都市近郊路線に衣替え。広域電鉄線に組み込まれ、4扉ロングシートの各駅停車に加えて、優等列車としてソウル第2のターミナル龍山と春川間で運行を開始したのがITX青春号。清凉里から春川まで1時間弱、龍山からでも1時間10分少々と大幅にスピードアップ。
清凉里駅 | このロッテの張りぼて台車の位置が変 |
地下鉄を乗り継ぎホテルから、龍山より近い次の停車駅の清凉里駅へ。窓口で“チュンチョン1枚、次のITXチョンチュン、あれば二階席”と告げたのですが、ソウル駅と違って清凉里の女性駅員に英語が通じない。それでもこちらのリクエストは理解してくれたものの、次とその次の列車の発車時刻を書いて×印を付けたメモ用紙を見せられます。
ITX青春号のための改札有人通路 | 広域電鉄線の券売機も地下鉄と同じ |
ITX青春号は1時間間隔。週末は行楽客、平日の朝と夜は通勤ライナー的な使われ方をするのか、30分間隔の時間帯も。でも、平日朝の下りが満席とは想定外。2時間先まで待つわけにもいかず、広域電鉄線の切符を買って中央線の電車で上鳳まで行き、春川行きに乗り換えることに。春川線の各駅停車は概ね20分間隔で、上鳳から春川まで1時間20分ほど。
清凉里駅のITX青春は広域電鉄線と同じホーム。自動改札機の廃止された列車の切符で広域電鉄線の自動改札機は通れず、横に通路を設けて係員が立ち、切符をチェックしています。
広域電鉄線のホームドア | 春川線各駅停車の車内 |
車端には自転車スペースもある | 沿線の防音壁 |
上鳳で春川線の電車に乗り換えると、始発駅なのに既に座席が埋まり立っている人も。8両編成の最後尾の車両に何とか空席を見つけます。ロングシートは地下鉄のようなステンレスのつるつるではないものの、クッションがなく座り心地の悪さはJR東のE231系なみ。春川線には、ソウル中心部の広域電鉄線に整備されている地下鉄と同じホームドアはなく、ドアの位置を避けた柵があるだけ。
上鳳で中央線から分岐した電車は、駅周辺に広がる大規模な団地や宅地造成地を抜けると、山を越え川を渡り郊外へ向かい、少しずつ空席ができてきます。複線電化に合わせて線路の付け替えも行われたようで、車窓から廃線跡の見えるところも。新しく掘った複線の長いトンネルの中でも携帯の電波が届くのは、さすがIT大国。
冬のソナタのロケ地があるらしい加平駅で一定の下車があり、春川市の中心駅南春川を過ぎると、残ったわずかな乗客を乗せて終点の春川に到着。各駅停車の形状は、丸みのある先頭で片側に寄せた非常扉の、最近の韓国の標準型。
隣のホームでは、車体に龍を描いたITX青春号が発車を待っています。ホーム上の運転席横には、運転士に情報を伝えるためか大きなモニターが立っていて写真の邪魔。
春川に到着した普通電車とITX青春号 運転席横に大きなモニターが設置 | |
先頭車の変則的なドア位置 | 一階と二階建ての連結部分 プラグドア |
運賃は全く別立てながら、全線にわたって広域電鉄線を走るITX青春号は、列車線のITXセマウルやヌリロと異なる車体構造。高いホームにあわせてドアにステップがなく、またドアの位置はホームドアや柵に合わせ、先頭車は4扉車の2番と4番、中間車は1番と4番の位置にあります。
先頭車の前ドアと運転席の間は狭い客室ですが、連結面よりのドアと車端部の間は自転車置き場や折りたたみ式の補助席だったり、自動販売機が置かれていたりで、無駄なスペースのように見受けます。吊革もあるので、満席時には立ち席として販売するのでしょうか。
デッキと連結面間の自転車置き場 | デッキと連結面間の折りたたみ補助席 |
一階建て車両の車内 | 二階建て車両の階段 |
車体が大陸サイズで、二階席もJR東E231系のグリーン車のような狭苦しさはありません。一階と二階建て車両で、床の模様を変えています。連結面に設置した転落防止ガード、日本以外では初めて見ました。低いホームの路線では必要性がないもので。
二階建て車両の二階席 | 二階建て車両のデッキと連結面間の折りたたみ補助席 |
二階建て車両 | 春川を発車するITX青春号 |
龍山行きのITX青春号 | 春川に到着する広域電鉄線の電車 |
駅の洗面所で見つけた、ちょっと面白い固形石けん。春川駅の改札機にICカードの1回券をタッチして出場すると、“保証金をお受け取りください”と日本語で話します。何で日本人って解った? 切符を買うとき、タッチパネルを日本語にしたのを記憶しているのでしょう。ICカードを返還機に投入して500ウオンを受け取ります。
ちょっと面白い洗面所の固形石けん | 日本語も話す最新型自動改札機 |
階段横の自転車用の溝 | 春川駅の普通電車とITX青春号 |
駅前広場に降りる橋上駅舎の階段に、自転車用の溝が設置されています。エレベータはなかったっけ。
駅の西側に湖があるので、もう一度橋上駅舎を向こう側に越えて行ってみることに。湖岸にはサイクリングロードが整備され、湖に浮かぶ中島は冬のソナタの撮影地の一つだとか。
春川湖と中島 | 湖岸のサイクリングロード |
春川駅から10kmほど先にダム湖があり、バスの終点なら間違うこともないだろうと思い行ってみることに。市内を通って来る青いバスはよく混んでいるものの、徐々に乗客が減っていき、川沿いに走り急な山道を登ってダムの築堤が見えてくると、駅から30分ほどで終点に到着。ここまで乗ってきた乗客は3人だけ。
春川駅前のバス停 | 車内の乗車率はよいが |
ダムの築堤が見えてきた | バスの終点昭陽ダム |
昭陽湖は韓国最大のダム湖。洪水防止と水の供給、それに傾斜水路らしきものも見えるので発電も行う多目的ダムでしょう。築堤を往復して周辺を散策しましたが、紅葉の時期ではあるものの、平日とあってか自家用車で訪れる客もわずか。湖畔の施設や遊覧船もお休みのよう。
ダムの碑 | 築堤の上から下流方向 |
昭陽湖 | 湖岸に何か建っていた |
ダムから帰りのバスは、春川駅で降りずにそのまま市内へ向かい、繁華街の明洞で下車。メインストリートは賑わっているものの、1本隔てたダッカルビ横町はお昼時を過ぎているので閑散。そんな中で、呼び込みのおばちゃんに連れ込まれた店。それなりに客が入っているからまあいいか。
春川市街地 向こうは市場 | 明洞ダッカルビ横町 |
おばちゃんの呼び込みで入った店 | そば粉の冷麺マッククス |
春川の名物は、辛いタレに漬け込んだ鶏肉を野菜とともに焼くダッカルビ。でも、最低2人前からの注文なので一人ではちょっと。お昼なので、そば粉の冷麺、マッククスにしておきます。おいしかった。