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リマ・セントラル周辺

いよいよペルー最終日。旧市街のセントラルに建つシェラトンホテルの窓から、寝不足の目に映るとんでもなく広いレプブリカ通りとその向こうに建つ最高裁判所。ここは今まで訪ねてきた街とは違い、人口790万人のペルーの首都。地方で見かけた三輪タクシーやバイクタクシーなど、どこにも走っていません。

シェラトンホテルの向かいは最高裁判所 イタリアンアート美術館とシェラトンホテル

ホテルの近くには大きな公園もあります。旧市街は治安が悪いとのことですが、朝の通勤通学客が大勢いるので大丈夫だろうと勝手に決め込み、周辺の散策です。隣の公園にはイタリアンアート美術館、すぐ近くに軍事博物館やリマ美術館もありますが、 いずれもまだ開館前。

リマ美術館 軍事博物館

朝のラッシュ時間を迎えた通りには、コンビと呼ばれるミニバン改造のバスややミクロとよばれるマイクロバス、それにスペイン語でブスと呼ぶ普通のバスが入り乱れ、通勤通学客を満載して行き交います。どこが停留所だかよくわかりませんが、停車した ミクロから降りた私服の車掌が客の呼び込みをしています。スペイン語がわからない一般観光客が、これを乗りこなすのは難しそう。

生ジューススタンド 靴磨き屋さん

歩道には、パンを売るスタンドやその場で搾る生ジュースのスタンド、靴磨き屋さんなどが並び、朝の通勤通学客が立ち寄る光景は韓国や東南アジアとよく似ています。

ロータリーの中央に像が立つグラウ広場では、巡査が台の上で交通整理をしています。手信号の交通整理は市内のあちこちで見かけますが、屋根付きの台はどこでもインカコーラの広告入り。

グラウ広場 インカコーラの台に立つ交通巡査

 

リマのメトロポリターノとメトロ・デ・リマ

長年にわたってこの大都会の公共交通機関は、運転が荒くて渋滞に悩まされるバスだけに頼ってきたのですが、2010年になってBRT(Bus Rapid Transit)のメトロポリターノが開業しました。オンボロの市内バスに対して、メトロポリターノは専用レーンを走るピカピカの連結バス。シェラトンホテルの前のエスタシオン・セントラル(中央駅)は地下駅になっています。これなら外国人観光客も利用できそうですが、 まだ路線は1本だけ。

そのリマには、もう一つメトロができました。2012年に開通したばかりのペルー初の通勤電車、メトロ・デ・リマです。現在のところ1号線が部分開通しただけで、全線が高架となっていて地下区間はまだありません。

   
メトロのセントラル駅は地下     地下駅から掘り割りを走るメトロポリターノ

早起きをしてメトロ・デ・リマの試乗に行くことを計画していたのですが、前日のフリアカ空港襲撃事件でリマ到着が大幅に遅れたことで、またしても睡眠時間にしわ寄せが。また、開業区間が都心からちょっと離れた場所から新市街・郊外方面で、メトロポリターノとも接続していないため、最寄り駅まではタクシーになります。リマのタクシーは料金が交渉制で、往きはホテルのボーイの助けを借りても、帰りがぼったくられるだけならまだしも、タクシーがつかまらないと面倒なことに。さらにリマの旧市街周辺は治安の問題もあり、残念ながら今回はメトロ・デ・リマの乗車は見送ることに。

専用レーンのメトロポリターノは渋滞無し メトロ・デ・リマと同型の
ローマの地下鉄B線の電車(イタリア)

メトロ・デ・リマのホームページを見ると、使われている車両は アルミ車体、正面が切り妻で2枚窓のちょっと古いデザインのイタリア製。ローマのメトロポリターナ、地下鉄B線の旧型車と同型です。新車への置き換えで引退しつつあるローマの中古車を導入したのかと思ったのですが、ウイキペディアによると1986年にメトロの建設を始めたものの資金難のため途中で頓挫し、26年後にようやく部分開通にこぎ着けたようで、四半世紀前に導入していた車両がやっと走り始めたのではないかと想像します。当面は15分間隔の運行ですが、引き続きアルストーム製の新車の導入が予定されているようで、これが入線すれば増発されるのでしょう。

 


リマ旧市街

リマの市内観光に出かけます。まずは世界遺産の旧市街、セントロのアルマス広場へ。広場を大統領官邸や大聖堂(カテドラル)、スペイン様式のバルコニーのある建物が取り囲み、地震による修復や改築はあるものの、16世紀からの植民地時代を今に伝えています。近くにはリマ市役所や中央郵便局もある官庁街かつ多くの店が並ぶ繁華街で、騎馬警官がパトロールしています。

大統領官邸 リマ大聖堂
スペイン様式のバルコニーのある建物群

左右2つの鐘楼と、その間にあるバロック様式のファサードが目立つサンフランシスコ教会は、16世紀半ばから100年以上かけて建造され、地震による崩壊後に再建された部分も多いのだとか。残念ながら、内部は撮影禁止。

サンフランシスコ教会 十字架の立つサン・クリストバルの丘

旧市街から見上げる十字架が立つサン・クリストバルの丘。スペインの要塞の跡で、リマの街を見渡すには絶好の場所ですが、山裾から頂上付近までスラム街が続き、治安は最悪だとか。

 


ワカ・プクヤーナ

セントロから海に向かってバスで20〜30分行くと、リマのもう一つの繁華街、新市街のミラ・フローレンス地区です。こちらは旧市街よりは安心して町歩きができる地区だそうです。

市街地の一角に、紀元から7世紀頃に栄えたリマ文化の遺跡、ワカ・プクヤーナがあります。日干しレンガを積み上げて宗教儀式に使った場所と考えられていて、土器やミイラが出土しています。今もまだ、発掘と修復が続けられています。

遺跡の入口 これでワカ・プクヤーナと読むそうな 市街地に囲まれた遺跡は今も発掘中
修復が進む日干しレンガの遺跡 出土したものが現場で展示

 

恋人達の公園

ミラ・フローレンス地区の太平洋を見下ろす海岸段丘の上に、花が咲き乱れる恋人達の公園があります。中央には、その名にふさわしいいかにも南米的な巨大なモニュメントが。海の中に突き出たレストランもあり、夏には海水浴客で賑わうそうです。すぐ近くの海岸沿いには、新市街の富裕層と観光客をターゲットにした高級ショッピングセンター、ラルコ・マルもあります。

恋人達のモニュメント 海風を受けてハングライダーが舞い上がる
恋人達の公園から見下ろす太平洋

 


ラファエル・ラルコ・エレラ博物館

リマ観光最後の訪問は、ラファエル・ラルコ・エレラ博物館。ペルーの古代文明の研究者、ラファエル・ラルコ氏が個人で収集した多くの土器や黄金のマスク、宝石等が展示されていて、見応えがあります。別館のEroticaには、こんな土器もたくさん 並んでいます。

ラファエル・ラルコ・エレラ博物館 モチェ文化の土器
黄金の飾り Eroticaの土器

夕食後、リマのホルヘ・チャベス国際空港に向かいます。ここで今日もまたトラブルが発生。到着機材の遅れのため、リマから米国への出発が2時間半以上遅れるとのこと。航空会社のスタッフは、ニューアークからの成田便の接続はとるとは言っていますが、米国は一旦入国して荷物を受け取り後、再度預け直すという面倒なシステム。

往きのヒューストンではやらなかった、入国時に全員のトランクを開けて中身のチェックまでしています。税関職員に日本への乗り継ぎで時間がないと言ったところ、そのまま通してくれましたが、手荷物検査の先には全身スキャナによる検査まであり、ニューアークの乗り継ぎは時間がかかります。成田便は出発時刻を過ぎても待っていてくれましたが、機内の乗客の冷たい視線を浴びながら座席へ。

 


旅のヒント

成田から米国ヒューストンで乗り継いでリマへ、ナスカの地上絵を見た後、クスコ、マチュピチュ、チチカカ湖からリマに戻り、米国ニューアーク乗り継ぎで成田へ、9日間のパックツアーに参加しました。リマに到着してから出発するまで、正味6日間でこれだけの個所を回り、さらにこの内の3日間は様々な妨害に会ってスケジュールが遅れました。

最近の海外では、自分のペースでの個人旅行に慣れているので、パックツアーの忙しさについていくのが大変でした。今回は、連休に合わせて4日の休暇で9日コースに行けるところがウリでしたが、事情が許せば10日間コースにすれば正味7日間となり、現地滞在時間が7/6で17%の増加となります。同じコースを回るのであれば、平均すれば1日あたり4時間の余裕が出てくることになります。

首都リマとナスカの地上絵を除くと、観光地はアンデスの高地にあり、高山病の危険と隣り合わせです。実際に、年齢に関係なく若い方でも複数の方々が頭痛や吐き気で観光をキャンセルしています。でも、旅行の後半になってくると、皆さん標高4,000mにも身体が順応してきたようです。

実は、数年前に標高3,600mのチベットの拉薩で、ホテルで就寝中に息苦しくなった経験があり、今回は高山病予防薬のダイアモックスを飲んでいました。これが効いたのか、同行者も含め全く問題なく過ごすことができました。

デモ隊のフリアカ空港襲撃による空港閉鎖に遭遇して、政情の安定していない新興国を旅行するリスクを肌で感じました。現地旅行社には、足元を見て吹っ掛けられた気がしないでもありませんが、いつ乗れるかわからないチケットの確保のために航空会社の事務所前に並ぶ観光客を見て、お金さえ払えば何とかしてくれるパックツアーにしておいて良かったというのが本音です。

2012年7月 旅
2012年12月 記



お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました

 


 

 

 

 

 

 

  

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