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旅の車窓から

フランス ブレイユ・ニース

2012年の晩秋、北イタリアから南フランスに行きました。イタリア北部の工業都市トリノから山間のクーネオへ、国境を越えてフランス国鉄の小さな駅、プレイル・シュール・ロワイヤでニースに向かう列車に乗り換えます。。


ちょっとだけの南フランス

2012年の11月になると航空券が安くなったので、晩秋の北イタリアから南フランスへ行きました。往きは成田−上海−ミラノ、帰りはローマ−北京−羽田のオープンジョーにしています。ミラノからトリノに移動し、イタリア鉄道のサンレモ行きの列車に乗りました。内陸のトリノから南へ、リグリア海に面したフランス国境のイタリア側の街、ヴェンティミーリアを目指す列車は、クーネオの先で国境線が大きく湾曲している部分を直線で進み、一旦フランスに入ってからまたイタリアに戻るコースをとります。

この、フランス国内の沿線にある山間の小さな町、プレイユ・シュル・ロワイヤでニースに向かうフランス国鉄のローカル線に乗り換えます。ニースとモナコを観光後、イタリアのジェノバに向かうインターシティーの始発駅、国境の街ヴェンティミーリアまで、ローカル列車の旅は続きます。イタリア編はこちら

※ 3ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。


イタリアのクーネオからフランスへ

トリノで乗車したイタリア鉄道のヴェンティミーリア経由のサンレモ行きは、ずっと架線の下を走ってきましたが、電化区間はここクーネオまで。この先がディーゼルカーのミヌエットの本領発揮です。操車場のような広い留置線に並ぶ電気機関車や入れ換え用ディーゼル機関車、貨車の群れが途切れると、ミヌエットは山に分け入っていきます。

イタリア鉄道クーネオ駅の車両群 タンド駅の駅名票にSNCFフランス国鉄のマーク

クーネオで乗車してきた2人の乗務員は、先頭車の空いた座席で談笑していましたが、リモーネで交代して運転台に入ります。トリノからここまで乗務してきた2人の運転士が下車。その先の長い国境のトンネルを抜けると、駅の看板がSNCFフランス国鉄に変わります。

国境の手前でSNCFの運転士に交代したのかと思ったのですが、よく見ると胸にFSのマークが付いたセーターを着ているので、この列車はフランス国内もイタリア鉄道の乗務員のようです。そういえば、フランスに入っても、車内放送はイタリア語だけ。

沿線の村 渓谷を見下ろす車窓

ここからが山岳鉄道の絶景区間。車窓に谷が迫り、トンネルの間に断崖に張り付く小さな村が現れます。列車は崖の高い位置から遙か下のロワイヤ川を見下ろしながら、黄葉の渓谷を走ります。対岸に線路が見えますが、このあたりで分岐する路線は無いようです。ループ線のトンネルもあるので、これから下りながら下に見える線路を通るのかもしれません。

     
ロワイヤ川の向こう岸に線路が       山の中腹にある村

やがて、周囲が少し開けてくると、列車はイタリアのヴェンティミーリア方面とフランスのニース方面の分岐駅、プレイル・シュール・ロワイヤに到着します。

渓谷の周囲が開けてきた プレイル・シュール・ロワイヤ駅に到着

 

プレイル・シュール・ロワイヤ駅

プレイル・シュール・ロワイヤ駅は、わずかな集落があるだけの町の規模に対してずいぶん立派な駅で、駅員さんも勤務しています。トリノからのミヌエットが着いたホームの向かい側には、青いフランス国鉄のX76500型ディーゼルカーがすでに到着していて、乗り換え客を待っています。

私は、トリノでニースまでの切符を買ってきましたが、ミヌエットから降りた他の乗客は、乗り換える列車のドアの前で待つ車掌さんから切符を求めています。

山間の小駅でイタリア鉄道のミヌエットとフランス国鉄のX76500型が顔を合わせる
ヴェンティミーリアから来たタンド行きと交換 フランス国鉄ニース行き(左)とタンド行き(右)
そうこうするうちに、地中海に面したイタリア側の国境駅、ヴェンティミーリアから来たフランス国内のタンド行きのディーゼルカーが到着して、山間の小駅に相互乗り入れ2ヶ国3本の列車が並びます。
先にヴェンティミーリア行きのミヌエットが発車 フランス国鉄のX76500型の運転台
ヴェンティミーリアとニースに向かうトンネルが分かれる 女性の駅員さんに見送られて発車

先にヴェンティミーリア行きのミヌエットが発車して、トンネルに吸い込まれていきます。続いて、女性の駅員さんに見送られて、タンド行きとニース行きも発車です。ニース方面とヴェンティミーリア方面の路線は、しばらく併走した後、トンネルで左右に分かれていきます。

X76500型ディーゼルカーの車内 低床部分に車いす対応トイレ

フランス国鉄X76500型は、イタリア鉄道のミヌエットと同様に3車体連接で、ドアの部分が低床になったディーゼルカー。この部分に車いす対応のトイレも付いています。照明がLEDのスポットライトのようで、フランス製の車両は内装もおしゃれなデザインです。また、ミヌエットと同様に、このディーゼルカーと同じデザインの電車もあります。

     
車内の照明もスポットライトでおしゃれ       ベヴェラ川にかかる石橋

プレイル・シュール・ロワイヤからニース方面も山の中を走りますが、起伏は緩やかとなります。車窓には小さな村の中、ベヴェラ川にかかる石橋が現れ、丹念に各駅に停車していきます。検札に来た車掌さんが“メルシー”。車内放送はもちろんフランス語。

     
山々に囲まれた村       ローカル線の無人駅

 

ニースに到着

標高が下がってくると、車窓は山村風景から一変して賑やかな市内に入り、留置線に入れ換え用のディーゼル機関車が見えてくると、終点ニース・ウイル(ニース市)駅に到着。ドーム屋根のホームには、TGVも停車しています。あー、フランスだ。

ニースの街に入り車窓には入れ換え機関車が ニース市駅に到着した列車
パリ行きのTGV 赤煉瓦のニース市駅舎

赤煉瓦のニース市駅の周辺には、リーズナブルな値段で口コミ評判の良いホテルがなかったので、トラムで1停留所先にあるホテルを予約しています。賑やかなトランジットモールを、トランクを転がしながらの移動です。

このあとは、フランス国鉄でモナコ公国に向かいます。モナコ編はこちら


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