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“イタリア ナポリ ピエトラルサ国立鉄道博物館”

イタリア南部カンパニア州の州都ナポリは、ローマ、ミラノに次ぐイタリア第三の都市。ナポリ中央駅の地下にあるナポリガリバルディ広場駅からイタリア鉄道のローカル線で3駅のピエトラルサ駅に隣接して、ピエトラルサ国立鉄道博物館があるので行ってみることに。

地上にあるナポリ中央駅の頭端式ホームに対し、ナポリガリバルディ広場駅を通るイタリア鉄道の路線は、ナポリ市内を地下で通り抜けるメトロ2号線の名前が付いています。横須賀/総武快速線の品川-錦糸町間を地下鉄と称し、東京駅の地下ホームに別の駅名を付しているイメージです。

▲ ナポリモンテサント駅のメトロ2号線

地下鉄やバスに共通の1日券を持っているので、旧市街に近いメトロ2号線のモンテサント駅からサレルノ行きの各駅停車に乗車。

ナポリガリバルディ広場駅を発車すると電車は地上に顔を出し、ナポリ中央駅に出入りするフレッチャロッサやイタロなどの高速列車が留置されている横を通り抜けます。

▲ イタロとフレッチャロッサ1000

車窓にはナポリのシンボル、ヴェスヴィオ火山。この日は寒波襲来で山頂付近が雪景色。

▲ 車窓のヴェスビオ火山

電車はのんびり走り、ナポリガリバルディ広場から3駅に15分もかけてピエトラルサに到着。一駅手前のナポリサンジョバンニバッラ駅で折り返しが多く、昼間はピエトラルサ駅に停車する電車は1時間に1本程度。事前の時刻確認は必須です。また、この駅までナポリの市内交通1日券の有効範囲に含まれているかは不明です。

▲ ピエトラルサ駅 左の建物は鉄道博物館

地下道で線路の下をくぐると、向かいのホームに14か国語で歓迎の看板があり、日本語や繁体中国語も。fsのマークがあるので、イタリア鉄道直営の鉄道博物館のようです。

▲ ホームには各国語で歓迎の言葉が

窓口で切符を買って構内へ。

▲ この建物が鉄道博物館の入り口

▲ チケット売り場

切符売り場のお姉さんが教えてくれた、向かい建つ長い建物に入ります。

▲ まずは大きな車両の展示館へ

ここは鉄道車両の整備工場だったのでしょうか。中央が一段低くなっているのはトラバーサーの通路で、その両側に数多くの蒸気機関車と数両の電気機関車が並んでいます。車両の間に立ち並ぶ、屋根とクレーンの桁を支える柱が撮影には邪魔。

▲ 両側に数十両の機関車が並ぶ

一番奥にはトラバーサーがあり、その上には緑のテンダと赤と緑に塗り分けた馬車のような形態の古典客車。イタリア統一前の1839年、ナポリに最初の鉄道が開通した当時のもの(あるいはレプリカ?)ようです。看板には、軸配置1A1のテンダ式蒸気機関車の図面があるものの、テンダを残して機関車本体はどこに行ったのか。

▲ 一番端にはトラバーサー上に蒸気機関車のテンダと古典客車

続いて窓にはカーテンがあるだけの2軸客車が2両。3両目には機械室でしょうか、側面にベンチレータを設けた部屋があります。これらの客車の正体は不明。

▲ オープンカー

▲ 機械室でしょうか車体の側面にベンチレータの付いた部屋

それでは、並んでいる蒸気機関車を順番に見ていきましょう。

軸配置Cのテンダ機290型は1899年から1913年に338両製造し、1954年まで使用。動輪径1510mm。出力370kW。最高速度60km/h。

▲ テンダ機290型319号

軸配置2Bのタンク機MMOは1895年から1906年に251号から262号としてベルギーで12両製造し、1955年まで使用。動輪径1600mm。最高速度70km/h。

▲ MMO N22号

軸配置Cのタンク機851型は、1898年から1911年に207両製造し、1971年まで使用。動輪径1510mm。出力294kW。最高速度60km/h。

▲ 851型110号

軸配置Eの貨物用テンダ機447型は、1901年から1909年の製造。動輪径1300mm。出力670kW。最高速度50km/h。観音開きの煙室扉が特長のオーストリア製で、第一次世界大戦時にイタリア北部のもとオーストリア領にいたのでしょう。戦利品として77両取得。1918年から1950年まで使用。

▲ 447型011号機

軸配置1C1のタンク機910型は、1905年から1908年に54両製造。動輪径1510mm。最高速度75km/h。1955年まで使用。

▲ 910型001号機

軸配置Cのタンク機835型は、1906年から1922年に370両製造。動輪径1310mm。最高速度55km/h。1984年まで使用。

▲ 835型001号機

軸配置Cのタンク機835型は、1882年から1905年に8両製造。動輪径965mm。最高速度40km/h。1959年まで使用。

▲ 899型006号機

軸配置Bのタンク機800型は、珍しい縦型ボイラ。1907年に16両製造。動輪径1095mm。出力190kW。最高速度50km/h。1967年まで使用。

▲ 800型008号機

▲ 車体の中央に縦型ボイラ

軸配置1Cのテンダ機640型は、1907年から1911年に169両製造。動輪径1850mm。出力589kW。最高速度100km/h。1976年まで使用。

▲ 640型088号機

軸配置Cのタンク機980型は、1908年から1913年に12両製造。動輪径1040mm。出力323kW。最高速度40km/h。1958年まで使用。1000分の100の勾配のある、イタリア北部のチェーチナ-ヴォルテッラ線の延伸区間に導入したイタリア初のラックレールの蒸気機関車。

▲ 980型002号機

▲ ラックレール

▲ ラックレールに噛み合うギヤ

▲ 980型002号機の後ろ姿

軸配置1C1のテンダ機680型は、1907年から1909年に151両製造された4気筒の旅客用。動輪径1850mm。出力846kW。最高速度110km/h。1956年まで使用。車体長が長くため展示スペースに入らないのか、テンダが取り外されています。

680型037号

軸配置1Cのタンク機905型は、1908年から1912年に84両製造。動輪径1360mm。最高速度70km/h。1970年まで使用。

▲ 905型032号

▲ 905型032号とテンダがはずされた680型037号

軸配置1Cのテンダ機625型は、1910年から1923年に188両製造。動輪径1510mm。出力846kW。最高速度80km/h。1976年まで使用。

▲ 625型030号


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