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モナコの市バス

坂道や階段のあるモナコの街を歩き疲れたので、日本庭園の前の停留所からバスに乗って移動です。モナコのバス路線は、海岸線に沿って狭い幅で延びるモナコの海岸沿いの道路と、これと平行する一段と高くなった山沿いの主要道路を走る系統があり、一部は海に突き出た岩山の半島の上にある旧市街まで登って いきます。

国の東にある1系統の折り返し点
4系統は先の国境近くまで行く
モナコ市内バスの車内

やってきた1系統のバスに乗ります。運転士に運賃を尋ねたら、無料との返答。観光立国だけあって、フランス語圏で英語が通じます。モナコはお金持ちの国なので、公共交通は無料なの、と思ったのですが、バスにはちゃんと料金箱がセットされています。 あとで知ったのですが、バスの前に国旗が掲げられていて、この日がナショナルデーの祝日のため、無料での運行になっていたようです。

港の向こう 岩山の上の旧市街 モナコ・ヴィル地区 旧市街の博物館前がバスの終点

バスは、モナコグランプリのヘアピンカーブを通って高台に向かい、東に向きを変えてしばらく行くと市街地の端で終点です。1系統はここで折り返して今度は旧市街に向かうはず。無料なら終点で降りなくてもいい かなと思い、そのまま乗っています。


岩山の上のモナコ旧市街

しばし休憩の後、バスは市街地を西に向かい、港を回り込む道路から岩山の上に築かれた旧市街、モナコ・ヴィル地区へ、急な坂道を登ります。半島の先端をぐるっと回って、旧市街の入口にある博物館前で折り返します。ここから先の旧市街は、大型車が入れない狭い一方通行の道が続きます。

     
国旗がはためく旧市街の路地       モナコ市庁舎

新市街では見かけなかったのですが、旧市街のほとんどの建物には赤と白のモナコ国旗が掲げられています。工事で石畳が剥がされた路地から市庁舎前を抜け、さらに進むとモナコ大聖堂が姿を現します。

モナコ大聖堂 モナコ大聖堂の内部

13世紀に、この地にイタリアの海洋都市国家、ジェノバ共和国が海軍基地を築き、その後に建てられたサンニコラ礼拝堂がルーツで、現在のモナコ大聖堂は19世紀の改築によるものです。聖堂の内部には歴代のモナコ大公とその一族の霊廟があり、ハリウッドのスターからモナコ公妃になったグレース・ケリーも、この聖堂に眠っているのだとか。

モナコ裁判所 大公宮殿前広場につながる旧市街の道

大聖堂の隣は裁判所。道路をはさんで国会があり、旧市街のこの周辺はモナコの官庁街のようです。裁判所の横の通りを進むと宮殿前広場があり、正面に大公宮殿がそびえています。宮殿前広場では、ナショナルデーの式典が行われたのか、国旗が掲げられる中で会場の後片付けが行われています。

大公宮殿 大公宮殿前広場

大公宮殿のある場所は、イタリアの海洋都市国家ジェノバ共和国が築いた岩山の上の要塞の跡地で、ここに13世紀に貴族の城館が築かれ、18世紀にイタリアルネサンス様式の豪華な宮殿に改築されて今に至っています。モナコの街を見下ろす崖の 近くに、大砲と砲弾を積み上げたモニュメントがあり、この小国が独立を守ってきた象徴でしょうか。

大公宮殿前広場の大砲と砲弾のモニュメント 市の西側 フォンヴィエイユ地区

この広場から見下ろすモナコの街は絶景です。西を見ると、フランスの山かげに秋の夕陽が落ちていきます。東を見ると、モナコ港に数多くのクルーザーが停泊し、向こうの高台のモンテカルロ地区には、カジノの姿がのぞめます。港を取り囲む、高層ビル群の後ろはフランスです。

狭い旧市街を歩いて博物館前まで戻り、バスに乗って山から下りて駅に向かいます。

大公宮殿前広場から見下ろすコンダミース地区とモナコ港

 


フランス国鉄でニースへ

フランス国鉄モナコ・モンテカルロ駅に出札窓口があるのか、よくわかりません。券売機で切符を買おうとしている男性が手間取っています。使い方がわからないらしく、私に順番を譲ってくれます。ニース駅にあった券売機とは違う古いタイプのようで、画面にタッチしても反応せず、日本のようにボタンが並んでいるわけでもなく、お手上げです。

     
モナコ・モンテカルロ駅のフランス国鉄 ter

諦めてホームに上がってみましたが、他に券売機は無し。往路のニース−モナコ間で検札に来なかったので、このまま乗ってしまおうかと思ったのですが、モナコ駅に下車したときに間違えて高台の出口方面に行ってしまったとき、エレベータの手前にニース駅と同じ色の券売機があったことを思い出して、その券売機を探しに行ってみます。

タッチパネル式の券売機があり、ICチップのないクレジットカードは拒否されたものの、3枚目のカードが通り、無事に切符が買えました。やれやれ。往路と同じ二階建てのterでニースまで戻ります。でも、やっぱり検札は来なかった。

ニース市駅に戻ってきた
夕刻のTGV ゲンコツ型電気機関車も

夕闇迫るニース市駅で、TGVやゲンコツ型電気機関車の写真を撮ってから外に出ようとすると、大勢の駅員が待ち構えていて、一人ずつ乗客をチェックしています。モナコからの切符を見せると、“メルシー”。あ〜買っておいて良かった。

トラムと歩行者だけのトランジットモールになっているニースのメインストリート、ジャン・メドサン通りをホテルに向かいます。

ニース市駅での切符のチェック ニース市駅前のトラム

フランス、ニース編の続きはこちら


旅のヒント

モナコは面積わずか2平方キロメートルながら、立派な独立国です。その中にある鉄道駅は、フランス国鉄のモナコ・モンテカルロ駅のみ。1日1本だけとはいえ、TGVも停車する駅ですが、フランス国鉄も自国ではないためか、駅員を見かけませんでした。旧型券売機は使い方がわかりません。新型券売機はタッチパネル式のため、英語に切り替えれば使えます。

モナコ・モンテカルロ駅にコインロッカーや荷物預かりは無いそうで、大きな荷物がある場合は途中下車をして観光することが困難です。また、切符も、あらかじめモナコ往復で買っておいた方が安心です。

狭い国ですから、バスの路線図をネットからダウンロードしておけば、市内観光は半日で可能でしょう。計画段階では、ニースとモナコの間にあるエズという鷲巣村(下からは見えないような山の上にある村)りにも寄りたかったのですが、鉄道の場合は駅から標高差400mの山道を登るとなっていて、またモナコからのバスは便数が少なく、今回はあきらめました。また次の機会があれば、ニースからバスで往復したいと思います。

2012年11月旅
2013年6月記


お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました

 


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