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ローカル列車でチンクエテッレの村へ

ラ・スペツィア駅に戻ってきました。これからローカル列車で東リヴィエラの世界遺産地区、5つの土地を意味するチンクエテッレ国立公園に向かいます。ラ・スペツィアから北に向かうイタリア鉄道の幹線が、長いトンネルを抜けて海岸に出ると、その名の通り5つの村のそれぞれに鉄道の駅があります。まずは、一番北のモンテロッソ・アル・マーレまでの切符を券売機で買います。そこから順番に下車しながらラ・スペツィアに戻る計画です。

プッシュプルのローカル列車 1等車の車内

14時過ぎの普通列車の発車時間が迫ってきたので、駅構内のバールでパニーノを買って車内に持ち込みます。始発のローカル列車、レッジョナーレは既に入線しています。片運転台のE464型電気機関車と、プッシュプルの客車の組み合わせ。機関車の次の車両に誰も乗っていないと思ったら1等車。でも、何故かこの列車の1等車と2等車の車内設備には、差はほとんどありません。

2等車の車内 向こうのホームに送れていたICが到着

この列車、車掌さんはホームに降りていて、発車時刻を過ぎても動く気配はなし。どうやら先行するはずのインターシティーがまだ着いていない模様。隣のボックのアジア系の男が英語で声をかけて来ます。イタリアに住んでいるフィリピン人だそうで、列車が遅れていると怒っています。フィリピンの列車ってそんなに正確?とは思いながら、この列車はよく遅れるの?と聞いたら、いつもだとのこと。

遅れてきたICが発車してもまだ動かないと思っていたら、何と向こうのホームから後発のローカル列車、レッジョナーレが先に出て行きます。隣のフィリピン人は怒り心頭。

モンテロッソ・アル・マーレ

やっと車掌さんが乗車して、30分近く遅れて出発です。ラ・スペツィア駅構内の外れに鉄道博物館があるはずですが、車窓からはよくわかりません。同じレッジョナーレでもこの列車は快速で、チンクエテッレの小さな駅は通過します。ラ・スペツィア駅で先行したレッジョナーレを追い抜き、モンテロッソ・アル・マーレには先に到着します。

ここがラ・スペツィアの鉄道博物館? モンテロッソ・アル・マーレに到着
海岸に面したモンテロッソ・アル・マーレ駅 シーズンオフの静かな海岸

駅の時刻表を確認すると、1駅戻るヴェルナッツァに停車しないレッジョナーレもあり、到着列車が遅れたこともあってわずか20分後の折り返しの列車に乗らないとスケジュールが大幅に遅れることに。まずは券売機で、切符を買っておきます。

駅前に出ると、目の前は砂浜で海が広がっています。ここはチンクエテッレで一番大きな町。夏には海水浴で賑わうであろうモンテロッソ・アル・マーレの海岸も、今は誰もいません。浜にはボートが引き揚げられていて、目の前の海で漁をする漁船が1隻だけ。

山が海に迫るモンテロッソ・アル・マーレ 沿岸で漁をする小さな漁船
ホームの一部はトンネルの中まで ラ・スペツィア行きレッジョナーレが到着

駅に戻ると、ラ・スペツィア行きのレッジョナーレがトンネルの中から到着します。ここは駅の両端にトンネルがあり、必要なホームの長さが確保できないため、片側のトンネルの中までホームが伸びていて、断面が大きくなっています。

 

ヴェルナッツア

E464型電気機関車と同じ顔をした、台車間が低床になったプッシュプルの客車は冷房付きで大きな固定窓の明るい車内。シートもプラスチック成形の新しいタイプです。

更新できれいになった部分低床客車の車内 反対側の列車から団体さんが下車

1駅、数分でヴェルナッツァに到着。この駅も2つのトンネルの間に位置していますが、地上に顔を出す区間はわずかだけ。ホームは大半がトンネルの中です。ほぼ同時に到着した対向列車から、添乗員の引率で大勢の団体さんが降りてきます。

駅から海へ、中世の家並みに小さなお店の並ぶヴェルナッツアの狭いメインストリート。坂を下ると港で行き止まり。

ヴェルナッツア駅 ヴェルナッツアのメインストリート
メインストリートのお店 ヴェルナッツアの港と教会
写真を撮りまくる団体さん 漁船が出漁

チンクエテッレは大型バスの入る道がないためか、日本人のパックツアー客は見かけません。先ほどの列車で降りた団体さんは中国大陸から来たのか、大声でしゃべりながら写真をバシバシ撮って、サッと引き揚げていきます。

静けさを取り戻したヴェルナッツアの港。夕刻からの漁に出かけるのか、1人乗りの小さな漁船が海に向かいます。おっ、船外機はヤマハだ。

教会の回廊から見た港 ヴェルナッツアの教会 このモニュメントは何?

港にある小さな教会を見学したあと、列車の時間にあわせて駅に戻ります。この駅には券売機がなく、窓口でマナローナまでの切符を求め、近くのジェラートやさんで買ったアイスをなめながら列車の到着を待ちます。駅裏にあった車輪か石臼のようなものは何?

 


マナローナ

ヴェルナッツアの次の駅はコルニーリア。ガイドブックによると、駅からコルニーリアの村まではミニバスに乗って向かうのだとか。もう夕刻になってきたためここはパスして、その先のマナローナで下車します。ついに、雨が降り出してきました。

コルニーリア駅はパス マナローナに到着
海に面したマナローナ駅の列車 駅から町に続く歩行者トンネル

マナローナでは、20分後の次の列車でリオマッジョーレに向かうつもりだったのですが、駅に降りてみると町は長い歩行者トンネルの向こう。これは20分で戻ることは無理です。トンネルを抜けると、町のメインストリートに小さな漁船が何隻もカバーを掛けて置かれていて、ここは漁村です。狭い通りを下っていくと崖の下に港があり、漁船が停泊していますます。

マナローナの海岸と遊歩道 マナローナの町

海岸に沿った遊歩道から振り返ると、マナローナの町が夕闇に浮かびます。湾の向こうに目をやるとコルニーリア駅が見渡せ、通過する列車の窓からもれる明かりが流れていきます。

遊歩道から分かれて坂道を登ると教会があり、その墓地の前から地中海を背景に崖の上に築かれたマナローナの姿は絶景です。もう少し早く、明るい時間に来たかった。オフシーズンの11月、駅に向かう夕刻のマナローナのメインストリートは店も閉まって人影もなく、もう深夜のような雰囲気です。

湾の向こうにコルニーリア駅 マナローナの町と港
教会の墓地 夕刻でも人気のないマナローナのメインストリート

マナローナと隣のリオマッジョーレの間には、ヴィア・デッラモーレ(愛の小径)と名付けられた海岸沿いの遊歩道があります。でも、日本を発つ前にネットで情報収集をしていたら、何と崖崩れのために通行禁止だとか。それでなくても、夜間は閉鎖ということで移動手段は列車だけ。

駅に戻って切符を買おうと思ったら、券売機がありません。下車したときにはまだ営業していた駅舎内のバールも閉まり、電気が消えています。さあ困った。


リオマッジョーレ

マナローナからリオマッジョーレは1駅で乗車時間は3〜4分ほど。車掌の検札にあうと高額の罰金を取られるので、一番後ろの車両から乗って車掌を捜しながら前へ行ったのですが、車掌を見つける前にリオマッジョーレに到着。ただ乗りをしてしまいました。

リオマッジョーレ駅のホームの大半はトンネルの中 駅から町に向かう歩行者トンネル
坂道に果物屋さんだけが店を開けていた 人気のないリオマッジョーレのメインストリート

この駅も、2つのトンネルにはさまれたわずかな空間にあり、ホームの大半はトンネルの中。列車から降りて町へ向かう人は、鉄道トンネルの端を仕切って設けた歩行者トンネルを抜けていきます。石畳の急な坂道がリオマッジョーレのメインストリート。まだ夕刻の6時過ぎなのに開いている店は少なく、町は既に眠りについているようです。

     
高いところで何かがライトアップ       リオマッジョーレの教会
     
何かの遺跡?       谷間に広がるリオマッジョーレの町

山に向かって坂道を登っていくと、教会がライトアップされています。ここからスイッチバックのように海の方角に折り返してさらに登ると、丸い小さな城のような建造物がライトアップされています。高台からは漆黒の海が望めます。ここは明るい時間に来なければ。チンクエテッレの町を巡る順番を間違えました。リオマッジョーレから始めて北に向かうべきです。


 

 

 

 

 

 

 

  

 

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