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トマール駅から修道院へ

各駅停車は、エントロンカメントの次のラマロザ駅でポルト方面に向かう幹線から分かれ、ローカル線に入るとスピードダウン。単線に片面ホームだけの小さな無人駅に停車しながら、エントロンカメントから30分ほどで頭端式のホームを持つ終着駅、トマールに到着です。

頭端式のトマール駅に到着した普通電車
トマール駅 向こうに国立森林公園

 

世界遺産トマールのキリスト修道院

トマールは、12世紀にレコンキスタ(キリスト教徒によるイベリア半島のイスラム教徒からの奪還活動)で活躍したテンプル騎士団の本拠地。彼らが築いた堅牢な城塞を兼ねた修道院は、テンプル騎士団からキリスト騎士団へと受け継がれ、400年にわたって増改築が繰り返され現在に至っています。

トマール駅から旧市街のレプブリカ広場を目指します。白と黒のタイル模様の石畳の広場に面して建つのが市庁舎。その裏の階段を登って、丘の上に建つキリスト修道院に向かいます。

レプブリカ広場に面した市庁舎 後ろの丘の上に修道院 こんな坂道を登っていく

修道院の近くの高台まで道路が通じていて、クルマで登ってくることもできます。駐車場の観光バスから降りてきたのは、H交通社の団体さん。こんなところまで来るとは、ちょっとビックリ。ヨーロッパ各地を席巻している大陸の団体さんや半島の団体さんは、ここポルトガルはマイナーな国なのかほとんど見かけません。アジア人のツアー客は大半が日本人。

キリスト修道院 墓の回廊

チケットを買って修道院に入ったところが墓の回廊。団体さんの中に巻き込まれてしまったので、彼らがガイドについて移動するまで、しばらく待ってからゆっくり見学です。

墓の回廊は、騎士団の騎士と修道僧のための墓所。隣接する沐浴の回廊では、貯水池があって修道僧がここで沐浴したのだとか。大航海時代の英雄でキリスト騎士団の団長のエンリケ航海王子が増築したゴシック様式の身廊で、優美な2本ずつの円柱をまとめた柱で支えられ、壁面は16世紀のアズレージョで飾られています。

沐浴の回廊
       
沐浴の回廊から鐘楼を望む         エンリケ航海王子の宮殿の跡

沐浴の回廊からは、今は廃墟となってしまったエンリケ航海王子が居住した宮殿跡が見下ろせます。チャペルを通って、この修道院で一番の見所のテンプル騎士団聖堂へ。

       
アズレージョが美しい         チャペル

12世紀末に建造された聖堂は、外周が16角形の円堂になっていて、鐘楼をあわせ持っています。その壁面や天井は彫刻や壁画で飾られ、中央の8角柱は洗礼室になっていてキリスト像が置かれています。

十六角形になったテンプル騎士団聖堂 中央にある洗礼室のキリスト像
騎士達はこの中を馬に乗ったまま回ってミサをおこなった
右は本物、左は二次元のフレスコ画

テンプル騎士団聖堂とつながり、一段高い位置にキリスト騎士団聖堂が設けられたのは16世紀はじめ。ジョアン3世の回廊は16世紀後半のルネッサンス様式。建て増しを重ねているので、内部を回っていると、今どこにいるのかわからなくなってきます。

キリスト騎士団聖堂 ジョアン3世の回廊 ミシャの回廊

サンタ・バルバラの回廊のテラス上部にあるのが、二番目の見所のマヌエル様式の窓。騎士団の十字や国の紋章、大航海時代をモチーフとしたロープ、鎖、サンゴ等で装飾されています。

マヌエル様式の窓 ロープ、鎖、サンゴの装飾 上には騎士団のマルタ十字と国の紋章

その他、パン焼きの竈や食堂の長〜いテーブルと椅子。17世紀のアズレージョで飾られた、長い廊下の両側にならぶ宿坊など、見所がいっぱい。いつも観光客で大混雑のリスボンのジェロニモス修道院より、トマールのキリスト修道院の方が見応えがあります。

長いテーブルと椅子の食堂 長い廊下の両サイドに宿坊がならぶ

 

トマール散策

キリスト教修道院の丘から階段で、市庁舎前のレプブリカ広場に下りてきました。広場に面したカフェで一休み。市庁舎と向き合う形でサン・ジョアン教会が建っています。

レプブリカ広場のカフェで一休み レプブリカ広場とサン・ジョアン教会

15世紀後半に建てられた教会で、正面入口の装飾が綺麗。隣接するとんがり屋根の鐘楼には、16世紀からの時計が埋め込まれています。

  サン・ジョアン教会の内部  

レプブリカ広場からナバオン川へと続く、石畳のトマールのメインストリート。古い建物を使ったペンションの入口の両脇には、キリスト修道院のマヌエル様式の窓や、川岸の風景を描いたアズレージョが。

トマールの繁華街 ペンションの壁にもアズレージョ

狭い裏通りにある、ユダヤ教の博物館。入口の上に掲げられたダビデの星がなければ、ただの民家と区別がつきません。15世紀に建てられたユダヤ教教会、シナゴガがもとになっていて、東洋人の訪問者が珍しいのか、“どこから来た、そうか日本か”と(ポルトガル語なので勝手に想像)店番の中年の女性から大歓迎を受けました。

ユダヤ教資料館シナゴガ シナゴガの中

 


 

 

 

 

 

 

  

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