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今日の阿里山森林鐵路の列車は終わったので、歩いて北門から嘉義駅に戻ります。その途中、嘉義駅からまっすぐ東に延びる嘉義のメインストリート、中山路の交差点の真ん中に噴水のあるロータリーに出ます。この付近が街の中心でしょう。
すぐ近くにあるのが、嘉義名物の七面鳥を載せたご飯の有名店、発売以来60年の歴史を誇る噴水鶏肉飯。まだ夕食時には早いのに、店の外の路地にまでテーブルを出して賑わっています。
噴水のあるロータリー | 路地にまでテーブルを出して営業中の噴水鶏肉飯 |
一口食べると、タレのかかった七面鳥は歯ごたえがあってジューシーでおいしい。タクアンが一切れ乗っているのは、日本統治時代の置き土産でしょうか。
スープもほしいなと思い、中国語では“湯”は確かスープだったと早合点して、壁に貼ってあるメニューの中から“蓮子湯”を指さして追加注文。出てきたのは甘いデザートで大失敗。そういえば、蓮子湯は壁のメニューの中で檸檬汁や珍珠奶茶、冰珈琲や冰紅茶と並んでいました。
これが嘉義名物七面鳥を使った鶏肉飯 | スープのつもりで注文したのだった蓮子湯 |
嘉義から莒光号で台湾の古都、台南へ。台南駅も嘉義駅と同様に築80年近い駅舎を大切に使っています。日本統治時代にはステーションホテルが入ってたのだとか。日本なら、新しい駅ビルになってしまっているのでしょうが、台湾は国鉄です。
台南駅 | 台湾も消防は119番 |
駅近くのホテルにチェックインしてから、夕食に出かけます。駅から南西へのびるメインストリート、中山路を行くと、6方向からの主要な道路が集まるロータリーになっていて、119番の消防署や台南州庁舎を転用した国立台湾文学館があります。近くの丸い建物は台南気象博物館になった旧測候所。いずれも日本統治時代の建物です。
国立台湾文学館 | 台南気象博物館 |
このロータリーから中正路を西に入ったところにあるのが、台湾料理の“担仔麵”で有名な老舗、度小月。台北にもいくつか支店がありますが、ここ台南の本店に来ました。
店に入ると、日本語で“いらっしゃいませ”。何でわかるの? 日本語メニューが出てきます。嘉義の鶏肉飯がまだ少しお腹に残っているので、軽く担仔麵と野菜の炒め物を注文すると、“パクチ入れても良いですか”と聞いてきます。“OK”。日本人の扱いに慣れている。
度小月 台南本店 | 担仔麵を目の前で作ってくれる |
ちなみに隣の席は聞こえてくる話から、現地台南の日本人駐在員が日本から出張で来た社員と夕食を共にしているようで、日本人客も多いのでしょう。
エビ、肉そぼろにもやしが乗った 名物担仔麵と野菜の炒め物 |
台南孔子廟の門 東大成坊 |
ライトアップされている国立台湾文学館の隣は、台南孔子廟。孔子を祀る孔子廟は中国各地にありますが、17世紀創設の台南の孔子廟が台湾では一番歴史があります。台湾における学問の発祥の地を示す“全臺首學”の額を掲げた、東大成坊の門が開いているので入ってみることに。
明倫堂 | 大成門 |
明倫堂は、その昔に学生が勉強をしたところ、大成門は孔子を祀る文廟に続く門ですが、固く閉じられていました。9時半近くになると閉園のためか、係員が照明を消して回ります。東大成坊の門から出ようと思ったら、既に閉まっていたのでちょっと焦った。
台湾4日目は、台南市内観光のあと台北に向かうつもり。ホテルから歩いて赤崁楼に向かう途中で、張りぼての廟の門が建ち、朝から買い物客で賑わう市場のような商店街を見つけました。この通りには入ってみなければ、と立ち寄ります。
商店街の入口 | 魚屋さん |
大きな魚は切り身に | 毛をむしられて逆立ちに |
活気のある商店街です。魚屋には1本ものや3枚おろし、別の店では巨大な魚の切り身が並び、鶏肉屋では毛をむしられた鶏が鶏冠を付けたまま逆立ちしています。豚肉屋は、ブロック肉を常温のままブロックで店先に吊して売っていますが、ちょっとグロテスク。八百屋は、並べきれないキャベツを地面に積み上げています。
肉屋はちょっとグロテスク | 八百屋は道にまで並べてる |
果物屋には、この季節のレンブが山盛り。混ざっている葉っぱもレンブの木からとってきたのでしょうか。東南アジアは外食文化。大きな金だらいのような鍋から湯気が上がっています。魚翅って、フカヒレのことですね。
果物屋のレンブ | フカヒレスープ? |
寿司の屋台も出ています。千客すしの屋のメニュー、海鮮寿司はわかります。総合寿司は盛り合わせでしょうか。素食寿司の素食はベジタリアンだから、カッパ巻きや新香巻き? と、ここまでは想像できても、巧巧寿司ってネット検索しても解らないんだけど? ホテルの朝食をパスすれば良かったかも。
食料品以外に、衣類や雑貨の店も並んでいます。子供服どれでも50元、170円は安い。見ているだけでも楽しくて、余計なところで時間を食ってしまった。
寿司屋の屋台 | 子供服はどれでも170円 |
台湾は、台南のような大都会だけではなく、地方都市に行っても、映画“三丁目の夕陽”の時代のような商店街や市場の賑わいです。日本では、何処へ行っても郊外の国道沿いに並ぶチェーン店と広い駐車場ばかりで、味気ない同じ風景ばかりになってしまい、台湾の元気な商店街を見ると、羨ましく感じます。大都市には家楽福(カールフール)のような大規模なスーパーもありますが、中小企業が主体の台湾では、郊外にイオンモールがないから街中が元気なのでしょうか。
市場をあとに、赤崁楼に向かいますが、間違えて隣の観光バスの駐車場に入ってしまいました。。ここは、紅毛楼とも呼ばれる台南一の観光スポットです。17世紀に台湾南部を支配したオランダ人によって築城された旧跡で、鄭成功によって漢民族が奪還した、台湾における民族統治の象徴となるところです。
ここには過去に2回来ているので、今回は外から写真を撮っただけで次へ。これから廟巡りをはじめます。
赤崁楼 | 鄭成功に頭をたれるオランダ人 |
赤崁楼の前の赤茶色の壁は、台南大天后宮。入口がどこかと探すと、通りの先の方にあります。別名を台南大媽祖廟ともいい、一昨日訪れた高雄の天后宮と同様に、ここも海の守護神で万能の女神である媽祖を祀っています。でも、台湾の廟はいろんな神様を一緒に祀っているところが多く、奥には観音堂もあります。お詣りの若い人を多く見かけると思ったら、縁結びの神様である月下老人も同居しているのだとか。
台南大天后宮 |
狭い道をはさんだ向かいに、高くそびえる主殿を持つのは祀典武廟。別名大関帝廟とも呼ばれ、関羽を祀る関帝廟の台湾における大本山。商業の神様として、台湾の人々の信仰を集めています。
関羽を祀る祀典武廟 |
続いて、天壇に向かいます。ここに祀られているのは、道教の最高位にある天国の統治者玉皇大帝ですが、その他にも20以上の神々が祀られている大規模な廟で、ここに来れば一通り何でも揃う廟の百貨店です。路地裏のようなわかりにくい場所にありますが、集団でお参りに来た人々も多く、内部の賑わいは他の廟を圧倒しています。
天壇 |
日本統治時代の1911年に建てられた台南開館は、台南公会堂として芸術文化活動センターになっています。その裏には、清代の裕福な商人の呉氏が造営した池のある庭園、呉園がビルに囲まれた都心のオアシスのように佇んでいます。当日は日曜日。掲げられた横断幕を見ると“呉園台日文化芸術交流が”午後に行われるとのことで、日本人の若い人も一緒になって会場設営が始まっています。
台南公会堂 | 呉園 |