“スイス アルプス ユングフラウ |
スイスアルプスにそびえる4000m級のベルナーオーバーラントの有名な3山、アイガー、メンヒ、ユングフラウに向かう基地が、ドイツ語で湖の間という意味のインターラーケンです。ここには世界中から大勢の観光客が訪れます。
標高567mのインターラーケンから、ヨーロッパの鉄道最高地点3454mのユングフラウヨッホへ、ユングフラウ鉄道グループの3つの私鉄を乗り継いで、登山電車の旅が始まります。インターシティーやユーロシティー、ドイツからのICEも乗り入れるインターラーケン東駅から、ベルナーオーバーラント鉄道でグリンデルワルトを目指します。
ベルナーオーバーラント鉄道の列車は、強力な電車が長い客車を牽引します。途中の急勾配区間では、2本のレールの真ん中に敷設されたリンゲンバッハ式のラックレールに、台車のギヤをかみ合わせて登ります。
グリンデルワルトでは、隣のホームのヴェンゲルン・アルプ鉄道に接続しています。レールの幅が違うため、列車は直通できません。ヴェンゲルン・アルプ鉄道は勾配が急なため、車庫の中まで全線にわたってリンゲンバッハ式のラックレールがひかれています。
グリンデルワルトを発車した電車は、次の駅グルントまで一旦急勾配を下り、ここでスイッチバックしてアイガー北壁の下をクライネシャディックに向けて登ります。
クライネシャディックでは、ユングフラウ鉄道に乗り換えです。両社はレール幅が異なるとともに、電力もユングフラウ鉄道は1125V、50Hzの三相交流と特殊なものを採用しており、電車の屋根には小さなパンタグラフが2つならんでついています。
環境保護と冬季の雪崩の被害を避けるためか、ユングフラウ鉄道は全線の7割がトンネルの中。アイガー、メンヒの胎内の暗闇の中、全線にわたってリンゲンバッハ式のラックレールを頼りに、1000分の250の急勾配をゆっくりと登っていきます。