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セント・ポール寺院

インドの4日目の朝はゆっくりと寝て、ガイドと二人でまずは銀行へ。クレジットカードのキャッシングでCDからインドルピーを出そうとしたのですが、何故かどの機械もカードを受け付けず、やむなく窓口で現金で両替をすることに。その中から、今日1日付き合ってもらうためガイドにチップを渡して、近くのモンダイン公園のセントポール寺院へ。

セントポール寺院とその内部

中央に高さ60mの塔を持つインドで最古のゴシック様式のキリスト教会は、19世紀半ばの建築です。ステンドグラスの美しい聖堂内の天井から、いくつもの扇風機が下がっているのがインドですね。


コルカタの木造バス

セント・ポールポール寺院近くの大通りの歩道では、朝から屋台の食堂が営業中。興味はありますが、お腹をこわさないように手を出すのはやめておきます。

大通りを走るクルマは、インドの国産車でしょう。他では見かけない独特の怪しげなスタイルです。そんな中でも驚いたのが、バスです。デリーのバスもオンボロだなと思っていたのですが、コルカタのバスの多くは木造車体。屋根や腰回りには薄い鋼板を張っていますが、擦って鋼板がめくれあがった車両では裏から木材がのぞいています。窓回りは木製そのもので、強度を確保するためか側窓や後部の窓を極端に小さくしています。車体の中央前よりと、後部の2個所の出入り口にドアはなく、2人の車掌さんが乗務。

歩道の屋台 怪しげな三輪車
手前も向こうも木造車体のバス
こちらは金属製 黄色いアンバサダーのタクシー

正面3枚窓の下には、“TATA”の切り抜き文字があり、その下にはタタ自動車のマークが付いていますが、タタのシャーシを使って地元の業者が木造車体を組み立てたのでしょうか。排ガス規制がないのか整備が悪いのか、黒煙モクモクのバスや、サスペションがダメになっているのか車体が傾いたまま走っているバスも。

正面2枚窓で、1個所の出入り口にドアが付いたバスは鋼製車体ようですが、ポンコツ車としては似たりよったりです。大気汚染対策でCNG車の導入が進むデリーに比べ、コルカタの街を1日歩いていると、シャツのエリの汚れ方が極端に違います。大気汚染は最悪と感じましたが、その後10年で少しは改善しているのでしょうか。


コルカタのトラム

お目当てのトラムの路線は事前にネットで調べてあり、わかりやすいところである程度の距離に乗車できる路線を選定します。市内を南北に走るインド最初の地下鉄の南の終点タリーガンジ駅の近くにトラムの南の終点があります。まずは、都心のマイダン駅から地下鉄に乗ります。ガイドから、地下鉄構内の撮影は厳禁と言われ、カメラはカバンの中へ。

電車は、これといって特徴のない4扉車ですが、走行中は扉が閉まる電車は当時のインドでは珍しい存在でしょう。今では、タリーガンジから先へ地下鉄路線が延長されているようです。

地下鉄マイダン駅の入口 地下鉄タリーガンジ駅

地下鉄タリーガンジ駅は線路が地上に出たところにあり、当時はその先が引き上げ線になっていました。外部から引き上げ線に停車する電車が撮れる場所を探したのですが、道路から近づくことができずに諦めました。

地下鉄駅から道路をはさんで向かい側に、トラムのタリーガンジの車庫があり、その一角が始発の停留所になっています。トラムはポール集電の2車体連接車で、運転台は片側だけのため裏から車庫に入り、表からぐるっと回って方向転換して出発していきます。車庫の方まで写真を撮りに立ち入ったら、職員に怒られてしまいました。

タリーガンジの車庫に並ぶトラム
青いトラムの前と後ろ
運転士さんが来た 車庫前の停留所にはバスも来ます

電車には、方向幕付で側窓がバス窓のタイプと、傾斜した正面の方向幕なしで側窓が2段窓の2種類があるようです。広告塗装のため各車両で色は異なりますが、どれもボロボロになっている点は共通しています。方向幕のある電車も使用せず、正面窓下に系統番号の書いた小さな板ををぶら下げるか、車体に直接チョークで書いています。出入口は左側だけ、車体中央部の乗客用が1車体に1個所ずつと、先頭の運転台用の計3個所。いずれも扉はありません。

 

トラムに乗車

タリーガンジ始発で地下鉄路線に沿って北に向かい、途中のカーリー女神寺院の近くで西に向きを変え、大きく迂回して都心の地下鉄、バス、トラムのターミナルのエスプラネード方面に向かう系統に乗車します。

運転士さんが乗ってきます。運転台の窓にガラスはなく、金網がはまっていて、運転士の視界を妨げないように、中央部分が丸または四角に欠きとられています。雨が降ると濡れると思われ、カッパを着ての運転でしょうか。この電車、衝突の跡なのか正面中央が内側に凹んでいて、直接制御の制御器も後方に少し傾いているようですが、この程度のことでは修理はしないのでしょう。

衝突の跡か窓下が凹んでいる コントローラも傾いている
運転台からの視界 前の車両は1等車
後ろの車両は2等車 カバンを提げた車掌さん

階級社会を表しているのでしょうか、2車体連接車ですが前が1等車、後ろが2等車に分かれていて車両間の通り抜けはできません。1等車は前向きのシートで天井に大きな扇風機付き、2等車はロングシート(セミクロスシートの車両もありました)で運賃に差があり、それぞれに車掌さんが1人ずつ乗車し、運転士を含め3人乗務です。

1等車に乗車して、一番前の一人がけのシートに座ると、前も横もよく見えます。しばらくは、広い通りの中央が緑の専用軌道になったセンターポールの区間を走ります。線路の状態は相当ひどく、人力車よりは多少速い程度でスピードは出せません。レールの継ぎ目の部分に高低差があると、下からガツンと突き上げられる衝撃もあり、よく脱線しないものだと思います。木造バスやアンバサダーのタクシーが追い抜いていきます。

センターポールの専用軌道 人力車が横断
木造バスに追い抜かれる 人力車が活躍

カーリー女神寺院の近くで西に曲がると、そこは併用軌道。クルマは一方通行で、路面電車だけが交互通行。軌道内を向かってくるクルマに対して、電車はカンカンとベルを鳴らしながら突っ込んでいきます。向かってくるクルマは、電車の直前で右か左に逃げますが、急ブレーキをかけたもののギリギリで避けきれなかった小型トラックの荷台の側面と電車の側面が私のすぐ横でガリガリガリ。

窓から手を出していたら、腕から先がなくなるところでした。小型トラックは傾いてしまって動けません。電車の運転士は舌打ちをして少しバックさせてトラックを解放すると、お互い何もなかったようにそのまま走り去ります。ガイドに聞くと、これで普通なのだとか。

渋滞の併用軌道へ左折 モンダイン公園で下車

緑溢れるモンダイン公園の専用軌道まで戻ってきたところで下車します。なお、Google map で確認すると、カーリー女神寺院から西に向かう一方通行逆走の併用軌道の路線は、現在では廃止になっているようです。


 

 

 

 

 

 

  

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