HOME  1/2page  2/2page


旅の車窓から

二階建てトラムで巡る 香港島

中国広州から特通列車で香港へ 島の北海岸に沿って東西に走る二階建て路面電車に乗って香港島を巡ります。


9年ぶりの香港

2011年末でANAのマイレージの一部が期限切れとなるため、翌2012年4月の日程で羽田−北京と香港−羽田の経路で無料航空券を手配しました。北京から香港へは、2003年に北京西駅から紅磡駅まで、直通列車の京九特快で走破していますが、その後の10年で中国の鉄道は高速新線の開通により大きく変貌しています。今回は、北京から南京、上海、広州と中国新幹線や夜行列車を乗り継ぎ中国大陸を縦断してきました。

広州東駅で出境手続をして、香港紅磡行きの直通列車に乗ると、圳駅を通過すれば、そこはもう香港特別行政区です。

香港は9年ぶり、4回目の訪問になります。1989年の香港2002年の香港、北京から京九特快に乗ってきた2003年の香港にもリンクしておきます。

※ 2ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。


バスで海底トンネルを抜け香港島へ

中国本土と香港特別行政区を分ける狭い川にかかる鉄橋を渡った列車は、香港側の羅湖駅付近で一時停車。前に電車が詰まっているようで、ここから先はノロノロ運転です。直達列車は、広州東駅から2時間ほどで九龍にある紅磡駅に到着。ホームに降りた満員の乗客が、一斉に入境審査に向かいます。先頭まで行って、機関車の写真など撮っている余裕はありません。

長い行列のあと、パスポートにスタンプを押してもらい、駅構内のATMでキャッシングで香港ドルの現金を入手します。前回の帰国時に払戻ができずに日本に持ち帰ってしまった交通機関のICカード、八達通(オクトパスカード)に、駅構内の観光案内所でチャージしてもらいます。全く問題なく9年ぶりにまた使えるようになりました。

広州東から紅磡駅に着いた列車 紅磡駅横のバス乗り場

日本出発前に香港のホテルを予約したのですが、本土で広州交易会が始まり、世界からの玄関口になる香港がビジネス客で混雑しているためか、立地を加味したリーズナブルな空室がなく、やむなく香港島北角の香港宜必思北角酒店(イビスホテル)を予約しました。中国本土に比べればとても狭いシングルの部屋ですが、残っていたのがハーバービュー限定のためか、円高の当時でも1万円を軽く超えます。今まで3回は九龍半島側にホテルを取っているので、香港島側に泊まるのは初めてになります。

立地は地下鉄MTR香島線の北角駅からすぐですが、紅磡から電車だと、尖東から尖沙咀と中環の2回乗り換えがあるので、バスで行くことに。英国植民地だった香港の地名には、漢字名とは別に英語名がありますが、運転士に北角の英語名、North Point と尋ねても全く通じません。メモ用紙に北角と書いてみせるとOK。紅磡駅横のバスターミナルを発車したバスは、すぐに海底トンネルに入り、香港島に渡ります。

     
ペンシルビル31階建ての宜必思北角酒店       ハーバービューの部屋から雨に霞むヴィクトリア湾

バスは香港名物の二階建てですが、荷物があるのと降りる場所の確認のため一階席でおとなしくしていることに。乗客にメモ用紙を見せて北角到着を教えてもらい、降りしきる雨の中、ホテルに向かいます。ホテルの窓からハーバービューの景色は、対岸の九龍半島が雨で霞んでいます。すぐ目の前は、北角のフェリー埠頭とバスターミナル。


北角から二階建てトラムで上環へ

とりあえずは腹ごしらえと適当に入った近くの店で、プリプリのエビワンタン麺と油菜(茹でた野菜のオイスターソースがけ)を注文します。ワンタンミェン、ヤウチョイ(油菜)で通じると思ったら、店の中年の女性は片言の日本語が話せます。こんな店まで日本人が来るのでしょうか。

蝦雲呑麺と油菜 北角折り返し始発のトラム

北角は、トラムの折り返し系統のがあります。メインの電車通り、英皇道 Kings Road から脇道に入った停留所で、始発の電車が乗客を待っています。二階の最前部、かぶりつき席をゲット。雨の中、香港島の繁華街の銅鑼灣、灣仔、金鐘、中環を通って上環に向かいます。

トラムの二階席 雨が窓ガラスをつたうかぶりつき席の眺め

 


上環散策

上環でトラムから下車したあとも、しばしトラム見物をしていると、向こうから古風な1台のトラムがやってきます。香港のトラムは1980〜90年代に車体を更新していますが、この120号だけは更新前のスタイルを今に伝える貴重な存在です。

上環で下車  向こうから来るのは更新前のスタイルを残す120号
上環を行き交うトラム 車体の広告には日本企業や日本語もあります

ここ上環は、香港の中でも古くから栄えた商業の街。はんこ屋や骨董品屋、漢方薬や海産物の店などが集まる一角があります。山の裾には、19世紀半ばに建てられた香港で最も古いといわれる文武廟があるとのことで、傘をさしながら行ってみることに。

上環の文武廟 螺旋状のお線香が天井から下がる

中に入ると、天井から太い螺旋状の線香がぶら下がっています。これだけの長さがあると、燃え尽きるまで2週間かかるのだとか。でも、どれも火を付けていませんね。文武廟の“文”は学問の神様の文昌帝君、“武”は關聖帝君(関羽)で、ここにお参りすれば文武両道OKという安易なことになるのでしょうか。長い線香を買い求めてお詣りしましたが、あっちこっちにいっぱい神様が大勢いいるので、どれがだれやら。

長い線香に火を付けて
廟は神様のデパートです

上環の道端には、こんな小さな祠を見かけます。安曇野の道祖神か、関西のお地蔵さんのようなものでしょうか。

堅尼地城方面行きと上環で折り返すトラムとが同じ方向に並んで走る一方通行の道に、80M巴士専門店があります。巴士は広東語でバスのことですが、店には二階建てバスの他、二階建てトラムの模型も並んでいて、眺めているだけでもちょっと楽しい。

道端にこんな祠が所々に 上環から先に行くトラムと折り返しのループ線に入るトラム
二階建てトラムや各社の二階建てバスの模型が並ぶ80M巴士専門店

上環の海にはマカオ行きのフェリー乗り場もあり、目の前を双胴の高速船やジェットフォイルが行き交います。

双胴の高速船 浮上して航走するジェットフォイル

 


中環から天星小輪で九龍へ

上環から再びトラムに乗って、中環に戻ります。今度は、二階席の一番後ろをゲット。二階建てのトラムやバスとともに、香港島と九龍半島をむすぶスターフェリーに乗らなければ、香港に来たことになりません。

上環から再びトラムで中環へ

ビルの谷間の中環で降りて、九龍半島へビクトリア湾を渡る天星小輪、スターフェリー乗り場の中環渡輪嗎頭に向かいます。中環と尖沙咀をむすぶ航路はスターフェリーのメインライン。埠頭では、1隻が出ていくとすぐに次の船が接岸します。進行方向に合わせて木製の背ずりが転換できる2階席は1等です。でも、2等との差額は10円ほど。

ビルの谷間の中環 中環渡輪嗎頭
接岸する天星小輪(スターフェリー) スターフェリーの二階1等席

船内から香港島のビル群が遠ざかり、その隙間からビクトリアピークが姿を現します。10分ほどでスターフェリーは九龍半島の先端、尖沙咀天星嗎頭に接岸し、30円のクルージングが終わります。

中環渡輪嗎頭を出港 ビル群の向こうにビクトリアピークを望む
広告塗装のフェリーでしょうか 尖沙咀天星嗎頭に到着

 


戻る

 ← ホームページへ

 ← 中国広州へ戻る

 

 

 

 

 

  

inserted by FC2 system