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“ドイツ ニュルンベルク DBミュージアム(交通博物館)”  


ドイツ南部、ミュンヘンに次ぐバイエルン州第2の都市ニュルンベルクは、ドイツの鉄道発祥の地です。低床トラムが走る荘厳な駅舎から徒歩で10分足らず、城壁で囲まれた旧市街のすぐ外、オペラ座の隣にあるDBミュージアム(ドイツ鉄道の博物館)を2014年9月に訪問しました。

ドイツ鉄道ニュルンベルク駅前

Wikimediaによると、一般にニュルンベルク交通博物館とよばれているDBミュージアムは、バイエルン王立鉄道博物館として設立された19世紀末の1899年まで歴史を遡るドイツ最古の鉄道博物館で、現在の建物は1925年の建設だとか。

なお、DBミュージアムは、ここニュールンベルクが本館で、コブレンツとハレにも支館があります。5€の入場券を買って中に入ります。展示物には解説のプレートがあるのですが、残念ながらドイツ語だけ。

DBミュージアム

1階は、車両の展示館をL型に配置して、2本並んだ線路が敷かれています。狭くて写真が撮りづらいのですが、順番に見ていくことにしましょう。以下、車両の説明はDBミュージアムのホームページを参考にしています。

まずは、ドイツ鉄道DBの看板列車、ICE3の先頭部。台車を見ればわかりますが、これはモックアップで本物ではありません。でも、運転台の装備や客室内には1等の座席が設けられて、車内に立ち入れるようになっています。ICE3の登場は2000年ですが、このモックアップは設計段階で外観やインテリアを原寸で確認するため、1997年に作られたものです。

ドイツの新幹線ICE3の原寸大モックアップ
台車を見ればモックアップであることがわかる

ICE3の隣の線路が空いています。館内の車両配置図によると、ここにドイツの1号機関車であるアドラー号のレプリカがいるはずだったのですが、動態保存されているので、この日はどこかへ出かけて行っているようです。代わりに、館内にあったアドラー号の1/10スケール大型模型の写真を載せておきます。

本物のアドラー号は、1835年に英国の鉄道のパイオニア、スチーブンソン兄弟の手により製造され、同年、ニュルンベルクとフュルトの間のバイエルン・ルートヴィヒ鉄道で走った軸配置1A1の蒸気機関車で出力41HP、最高速度65km/h、常用速度35km/h。1857年に廃車になっています。

ドイツの鉄道100年を記念して1935年にレプリカが作られたのですが、2005年の博物館の車両を保存していた機関庫(博物館とは別の場所)の火災で焼失。2007年に再び復元後、時々運転が行われているのだとか。

ドイツの最初の蒸気機関車アドラー号の大型模型

本来アドラー号がいるべき場所の奥に見える2軸の凸型電気機関車は、E69型の02号機で1909年シーメンス製。交流15kV16 1/3Hz、連続出力306kWの貨物用で最高速度50km/h。1982年まで使用されたそうです。

凸型電気機関車E69

蒸気機関車ノルトガウ号は、1853年製で軸配置はC型のように見えますが、一番前は先輪で動輪が2軸の1Bの軸配置。最高速度70km/h。現存する、ドイツで製造された最古の蒸気機関車といわれています。1907年の廃車後1925年に鉄道博物館に入り、内部構造を理解するためのカットモデルとなってしまっています。

B型蒸気機関車NORDGAU号
NORDGAU号はカットモデルになっている
蒸気機関車の後部テンダの内部構造もよくわかる
NORDGAU号のプレート

2軸の無蓋貨車がいます。1870年製DBミュージアム最古の貨車で積載量4t、チェコ北西部からエルベ地方へ石炭を運んだようです。

その奥にいる2段屋根で3軸の客車はBerlin1419号。1888年に今はポーランド領になっているブロツワフで製造された郵便車。

2軸の無蓋貨車
3軸の郵便車

プロイセン鉄道の蒸気機関車G3型3143号。1884年にハノーヴァーで製造された動輪3軸の貨物用機関車で、最高速度45km/h。1920年まで使用されました。黒と緑のコントラストが美しい。

C型蒸気機関車G3号 3143号機
蒸気機関車G3号のプレート

郵便車の奥にいる1868年製造の2軸客車161号は、中央に通路を設けた1等と2等の合造客車。窓から車内を見ると、1等と2等の座席の違いは肘掛けの有無と色だけのようにも見受けます。新橋−横浜間に日本の鉄道が開通するのはこの車両の4年後ですが、マッチ箱と呼ばれた日本の客車に対して161号の内装の豪華さは目を見張ります。ドイツ語で Interkommunikationswagen となっていますが、普通の車両でしょうか。

1等2等合造客車161号
1等の車内
2等の車内

窓から下がった革のベルトは、下降式の窓を閉めるときに下から引き上げるときに使います。各窓の上にベンチレータがあるのも珍しい。

一番奥には、急行用の蒸気機関車が2両並んでいます。

フェニックス号とS 2/6型

観音開きの煙室扉と、長い煙突を持つフェニックス号。1863年にカールスルーエで製造された、軸配置2Aの大きな動輪を持つシングルドライバー。この時代に最高速度120km/hとは、すごいですね。

動輪1軸のA型 Phenix号
2軸のテンダ

1906年に高速試験用として1両だけ、王立バイエルン邦有鉄道に登場した蒸気機関車 S 2/6型の軸配置は2B2で、2軸の動輪の直径は2.2m。台枠の中を覗くと2本のロッドが通っていて、両サイドと合わせて複式4気筒1770馬力。1907年ににミュンヘン−アウグスブルク間で実施した速力試験で、客車4両を牽引して当時の世界最高速度154.5km/hを記録しました。200km/hに達した流線型の05型蒸気機関車によって、この速度を破られたは29年後のことだそうです。

B型蒸気機関車S 2/6型
台枠の内部にも2本のロッドがある

この機関車は、DBミュジアムで唯一キャブに立ち入ることができます。ボイラの焚き口の扉が2個所あるのは、2人の機関助手が並んで投炭作業をしたのでしょうか。

キャブには焚き口の扉が2個所
S 2/6型のプレート

1両のみの試作機だったS 2/6型の発展型が、軸配置2C1(パシフィック)のS 3/6型。大型模型が展示されていますが、こちらのスタイルの方がバランスが良いですね。

S 3/6型の模型

 


 

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