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“ドイツ ドレスデン交通博物館”  


ドイツ東部、ザクセン州の州都ドレスデンは、エルベ川のフィレンツェと称えられる美しい古都。第二次世界大戦中の連合軍の爆撃で崩壊し、半世紀以上を経て2005年に再建され、ドレスデンのシンボルとなったフラウエン教会教会がそびえる旧市街のノイマルクト広場に面して、ドレスデン交通博物館があります。

交通博物館は、ザクセン王の居城であったレジデンツ城の一部を構成する、厩舎や馬車置き場として16世紀末に建てられた歴史的な建造物の中に、東ドイツ時代の1956年に開設されています。地元のザクセン州や、東ドイツにゆかりのある車両を中心に保存展示しています。

ドレスデン交通博物館

入場券を買って正面から入ると、そこには自動車が並んでいますが、とりあえずは奥にある鉄道車両の展示スペースへ。歴史的な建物を使用しているため、大きな鉄道車両を収容しての展示は困難ですが、これは別の場所にある博物館のデポに所蔵されています。館内の説明は、ドイツ語だけ。以下の解説に誤り等があった場合はご指摘下さい。

側面に“MULDENTHAL”のプレートを付けた軸配置1Bの標準軌の蒸気機関車は、1861年に Hartmann Chemnitz が製造したドイツで現存する最古の蒸気機関車。ザクセン州の Blockwer 鉄道で Zwickau(ドレスデンの西、ライプチヒの南にある町)近郊のローカル輸送に従事し、1956年に博物館に入ったのだとか。

B型蒸気機関車MULDENTHAL号
B型蒸気機関車MULDENTHAL号

極端に間隔の狭い2軸の動輪のバランスウエイトがボルトで取り付けてあり、屋根のないキャブなど特異な形態の古典ロコですね。前方の箱は水タンク、ボイラ側面中央の箱には石炭を積んだのでしょう。出力220PSで速度50km/h。

動輪のバランスウエイトがボルト締め?
屋根のないキャブ

軌間600mmのナローゲージ、双頭型の機関車がいます。軸配置BB。2つのボイラーを背中合わせにつなぎ、その下に2組の走り装置を設けたフェアリー式。1916年に米国フィラデルフィアのボールドウイン社で製造。出力90PSで速度20km/h。

双頭のフェアリー式蒸気機関車

軌間750mmのナローゲージ、1898年製ザクセンメイヤー式 99 535号機。軸配置BBで、ボイラーの下に2軸の動輪を2組持ち、側面からみると2基のシリンダーが中央で向き合っています。後ろの動輪が台枠に固定され、前の動輪だけが首を振るマレー式と異なり、メイヤー式は前後とも首を振る構造になっていて、ドレスデン近郊の路線では現役で活躍する仲間も健在です。出力250PSで速度30km/h。

ザクソンメイヤー式蒸気機関車

屋根上に3本のビューゲルを備えた標準軌2軸の凸型電気機関車は、1899年のシーメンス・ウント・ハルスケ(後のシーメンス)製、3相交流の試験機。縦に3本並べて張った架線から、それぞれのビューゲルで集電したのでしょう。何度か改造をうけたものの、3相交流は20世紀の初期には実用化に至らず。簡素な運転室機器ですが、直接制御の制御器は後年に換装されたようです。出力44kWで速度50km/h。

2軸の凸型電気機関車

軸配置BBの凸型電気機関車、E71型30号機は1920年にAEG社で製造。前後の機械室に1台ずつ大きなモータを収容し、減速ギヤを介してロッドで2軸を駆動する構造です。出力785kWで速度50km/h。車体の外側に熱交換器がありますが、モーターあるいは抵抗器等が水冷式なのでしょうか。

D型ロッド式のE71型電気機関車
車体の外に張り巡らせた熱交換器 運転室

巨大な1台のモーターからクランク軸でつながった4軸の動輪を駆動する、電気機関車の動力部分が展示されています。掲示された写真を見ると、軸配置が前後非対称の2D1、箱形車体で1926年製造のE50型42号機のもので、出力2400kWで速度90km/h。当時としては強力な機関車だったとか。

E50型号42号機の動力部分

ドアに王冠を描いた標準軌の3軸の客車は1885年製ザクセン王のサルーンカー。ダブルルーフの木造車で、内装もさほど豪華には見えませんが、19世紀としてはこんなものでしょうか。

ザクセン王のサルーンカー
サルーンカーの車内

ベスチビュールのないオープンデッキのドレスデンの路面電車。1895年の製造のようで、この頃はまだ鉄道馬車も走っていたのだとか。赤と白の塗色で761号となったのは、1911年のようです。集電装置がトロリーポールではなく、ビューゲルを採用しているところは先進的ですね。また、2軸の台車は、この時代の標準型の米国ブリル21Eに比べ簡素な印象を受けます。

ドレスデンのトラム761号
ウイングバネの台車
ロングシートの車内

ドレスデン交通博物館に保存されている、実物の鉄道車両は以上です。この他に、鉄道車両、自動車、飛行機を保存している博物館のデポがあるのだとか。

また、ドレスデンには交通博物館とは別に路面電車博物館があり、多くの動態保存車を所有しているとのことですが、開館日にスケジュールが合わず、訪問できませんでした。


 

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