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センテンドレ都市交通博物館トラムの保存車両

ここからはトラムの紹介です。ブダペストのトラムの開業は、郊外電車HÉVより古くて明治維新の前年の1866年。初めは馬車で、1889年に電化。

オープンデッキに網の扉を取り付けた長さ8.3mの2軸車418号は1897年、地元のSchlick–Nicholson製。出力30HPのモーターを2台装備。車体幅が狭いためか、車内はボックスシートとロングシートの組み合わせ。

ブダペスト市電19世紀末の2軸車418号

同じくオープンデッキで、長さ10.6mの2軸車21号と22号は1911年のガンツ社製。ホイールベースが長い車両です。出力55HPのモーター1台から70HP1台に換装。車内はボックスシートとロングシートの組み合わせ。2両固定編成になっています。

2軸車22号+21号の編成

オープンデッキで、長さ10.5mの2軸車72号は1910年のガンツ社製。上の22号と同年代ながら、側窓が大きく車内はロングシート。モーターは70HP2台(後に75HPに換装)と出力が大きく、説明板の古い写真では付随車を3両牽引しています。車体の中央に“MDV”の標記があり、仕様が大きく異なるのはブダペストから東北東に200km弱、ハンガリー東部の都市ミシュコルツのトラムと思われます。

ミシュコルツ市電の2軸車72号

長さ8.4mで側窓が大きく、オープンデッキの木造2軸付随車267号は1911年製。同型の214号は折戸がついています。この2両には“MKV”の標記があり、これもミシュコルツのトラムと思われます。

ミシュコルツ市電の2軸の付随車267号と214号

全長8.6m、丸屋根の鋼製車6号は1952年製。モーターは26HPが1台と出力が小さく、1897年製の古い2軸車の車体更新車のようです。車内は1人がけのボックスシート。

2軸の鋼製車6号

全長11.6m、正面中欧の窓に庇のついたブダペスト型の2軸車1625号は1955年製。1897年製の240号の機器を流用しているようです。モーター出力は58.9kWが2台。

旧型車の機器流用更新車1625号

1625号と連結している、同じデザインの1000号は全長11.9mの1959年製。こちらも1912年製の旧型車の更新車のようで、モータ出力は70HPが2台。

旧型車の機器流用更新車1000号

3扉のボギー車は、ブダペストのトラムにシーメンスの低床車コンビーノが大量導入されるまで、主力車種の一つとして活躍したガンツ社製のUV型。1956年製で全長13.5m。出力50HPのモーターを4台装備し、片運転台車を背中合わせにした2連、またはその間に2軸の付随車をはさんだ3連で活躍しました。

3扉のボギー車3200号と2軸の付随車5934号

3200号に連結している付随車5934号は、1949年製の2軸車。

2車体3台車の連接車3750号は全長22.3m、出力66kWのモーターを4台装備して速度は60km/h。1988年製と新しいものの、直後に社会主義体制が崩壊したためか試作車1編成だけにとどまったようです。ブダペストでは1960年代から70年代にガンツ社が製造した3車体連接車が今でも主力車種ですが、この新型車は早々と博物館入り。

新型連接車3750号は1編成にとどまった

147号は1972年製、ハンガリー東部の都市ミシュコルツのトラム。片運転台の2軸車の間に台車のない車体を挟んだ全長21.6mの3車体連接車です。80HPのモーターが2台で速度は40km/h。

ミシュコルツの3車体連節車

全長わずか4.4mの四角い箱、M2号は前に回ると雪かき装置があり、除雪車だとわかります。ミシュコルツのトラムで、1953年の自社工場製。なお、ブダペストと異なりミシュコルツのトラムは終点のループ線で方向転換するため、運転台も除雪装置も片側だけの装備です。

ミシュコルツの除雪車M2号

軌間が760mmのナローゲージ、オープンデッキの客車がいます。この車両の場所だけ、レールが三線式。1912年オーストリアのグラーツにあるWeitzerの製造。ナローゲージの路線はハンガリーの各地にあり、ブダペスト市内の子供鉄道をはじめ一部は今も運行中ですが、この車両の詳細は不明です。

軌間760mmの客車

屋根に台を乗せているボンネットのトラックは、架線修理車でしょうか。

架線修理車?

それでは、屋外に出てみましょう。


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