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バンコクフアランポーン駅の列車
ホームに停車中の列車を見て回ります。ステンレス車体の寝台車と在来の3等車の間に連結された紫色の2等客車は、車端部の窓が埋められているのももの、もとJRのオハフ15。隣の3等車の3段ステップに対し、デッキは日本当時のままで低いホームへの対応ができていません。ドアの下のステップの金具は日本では職員用で乗客が使うことは考慮されていなかったでしょう。あるいは、このドアは閉めきり扱いかも。
GE製ディーゼル機関車 | オハフ15の改造車 |
オハフ15の2等車とタイの3等車の連結面 | ステンレス車体の2等寝台車 |
別の編成の中に1両だけ挟まれたステンレスの寝台車には、窓の間に女性と子供専用車のステッカーを貼っています。この客車、日本製かと思いますが、台車の横にあるトイレの垂れ流し管の先端に板状のものが付いていますね。日本で20系のブルートレインが装備していた汚物粉砕装置より構造は簡単なようで、遠くまで飛ばないようにする装置でしょうか。
スプリンターと呼ばれる、ステンレス車体の3両編成のディーゼル特急が発車していきます。韓国大宇製で、製造時期の違いか1両目と2両目以降で側窓の構造に違いが。
2等寝台車の女性子供専用車のステッカー トイレの下に注目 | スプリンターと呼ばれる韓国大宇製の特急用ディーゼルカー |
スプリンターと呼ばれる英国製の特急用ディーゼルカー |
同じスプリンターでも、最初に導入された鋼製車体のディーゼルカーは英国製。正面窓下のヘッドライトが似合いませんが、最近改造で取り付けたようです。ホームでは、ホースで水をかけて掃除中。
日本製のステンレス車体のディーゼルカーは、ステップ付きの両開きドアを設置しています。3等車は冷房無しで、急行から各駅停車まで広く使われています。
英国製ディーゼルカーも掃除中 | 日本製ディーゼルカー |
客車列車に給水しながら窓を開けたまま放水して掃除中 |
日本製と思われる、冷房無しの客車で揃えた北本線の快速列車。床下の水タンクに給油しながら窓を開けたままで放水して掃除中。3等車に乗り込む人々は、担ぎ屋さんの帰りでしょうか。さすがに本線だけあって、3等車もクッションのあるボックスシートです。
3等車に乗る人々 | 3等車内 |
冷房のない2等車 | 2等車内 |
2人がけのシートが並ぶ2等車の車内。冷房はなく、内装は木製ニス塗りで隣の3等車より古いタイプ。窓と座席が一致せず、横が壁の席も。間の仕切り壁で車内を2等と3等に別けた合造車も連結されています。
何に使っているのでしょうか、在来型客車の改造と思われる展望車もいます。
2等と3等の合造車も | 展望デッキのある客車 |
緑の3等車はオーストラリアの中古車 タイの車両にも落書きが |
留置線に並ぶ編成の中に、緑色の変わった客車が挟まっています。ネットで調べると、オーストラリアの北東部、クイーンズランド鉄道の中古車でステンレス車体。両開き扉が低いホームに対応できないので、これを閉鎖して新たに両端にデッキを設け、ステップを取り付ける改造を行ったのだとか。車端部にヘッドライトの跡のようなものが残っているので、クイーンズランドではプッシュプル編成の制御客車だったのかもしれません。
快速列車の最後尾に1両だけ連結した、ステンレス車体で三角屋根の2等寝台車。JRの開放式A寝台相当の設備で、昼間は1人がけの椅子になって2人のボックス席。通路に梯子と荷物置き場が固定されています。
最後尾に1両だけ2等寝台車 | 2等寝台車の車内 |
エンジンまでスケスケのGE機 | 入れ換え作業に余生を送るGE製ディーゼル機関車 |
古いGEのディーゼル機関車は、放熱のためでしょうが車体のベンチレーターは大きな穴に網を張っただけでスケスケ。そのGE機が客車の入れ替えに余生を送る姿も。
JR12系・14系改造車 SRT PRESTIGE
到着した夜行列車の寝台車の向かいには、車体に SRT PRESTIGE の表記に金色の帯、固定窓に金の縁取りがあるブルートレインが停車しています。SRTは State Railways of Thailand タイ国鉄のこと。車端部から側面に回り込む曲面ガラスの窓に続く3つの大きな窓、その先には横長の窓が続き、JRのオハフ13を固定窓に改造したように思われます。それにしても、貫通路にはお化けのようなゴムの幌ですね。
留置車両 黄色の斜め帯は冷房無しの食堂車 | 寝台列車の向こうにブルートレインが |
SRT PRESTIGE JRのオハフ13の改造でしょうか |
車内は会議用でしょうか、マイクを置いた長いテーブルに何脚かの椅子が並んでいます。椅子はキャスターが付いた事務用で、運行中に急ブレーキがかかれば滑っていきそう。
これに連結している2両目は、床下のエンジンからの排気管が車端部に立ち上がるスハフ12の改造車と見受けます。車端部には車掌室の窓が残っていて、ドアを埋めたあとに貼っているのは、赤に金のタイ国鉄のマーク。
車内には会議用のテーブルと椅子 | スハフ12の改造車でしょう |
3両目もスハフ12の改造車のよう |
その隣の3両目も車端部に排気管が立ち上がり、スハフ12の改造車のようです。車掌室の窓は車端部も側面も埋められデッキも閉鎖。他端にはデッキが残りドアの下部が延長されているものの、トイレと洗面所は撤去されているようです。
4両目はエンジンのないオハフ13の改造車でしょう。車端部も含め車掌室の窓やデッキも残っています。その先には、バンコクの名所をラッピングした12系と14系客車がつながっています。
1両目のドアが開いていたので、ホームにいた職員にカメラを見せて車内を撮りたいと言ってみたが“ダメ”との返答。ネットで見つけた SRT PRESTIGE のフェイスブックに車内の写真があります。こちらをご覧ください。
JR12系ラッピング車 | 1両目と2両目の連結面 幅を狭めステップを下に延ばしたドア |
隣にもう1編成 2段窓の残る12系 | 2両目はロビーカーの改造? 汚物タンクが残っている |
その外側にもう1編成、3両の SRT PRESTIGE が停車中。1両目はスハフ12の改造車で車端部の車掌室窓は埋められているものの、デッキや2段窓のサッシ等、他の12系車両より原型を残しています。
2両目は、一部の側窓が埋められているものの、角にRのない固定の広窓からみて、ロビーカーのスハ25の改造車と思われます。この2両にはトイレの汚物タンクが撤去されずに残っていますが、使ってはいないでしょう。
3両目は寝台車を改造したと思われる展望車。オープンデッキに出る引き戸が開いていたので車内を覗くと、テーブルと椅子が置かれています。2016年秋から中国製客車の大量導入が始まったタイ国鉄ですが、ここにいる SRT PRESTIGE が最後まで残るJRの車両になるのでしょうか。
JRの寝台車改造の展望車 | 車内には椅子とテーブル |
側面に扉を増設した3等車 | ロングシートと自転車 |
その隣は、ロングシートの片側のシートを撤去して自転車固定用の金具を配置した、吊革のぶら下がる3等車。車体側面に自転車積み込み用のドアを設置しています。
フアランポーン駅には、数多くの興味深い車両があり、楽しいところです。