駅舎の近くに小さな車両と無蓋貨車が置かれています。そばに行ってみると、貨車は標準軌ですが小さな車両は狭軌で、車両の部分だけレールが3線区間になっています。
▲ 業務用の車両と無蓋貨車
この車両、床下にエンジンが付いていて自走できるようです。片側に作業台があり、梯子も固定されています。どんな用途に使っていたのでしょうか。
▲ この小さな2軸車の用途は?
▲ 床下にエンジンを搭載した業務用車両
2基のパンタグラフを持った古典的な電車がいます。こちらは標準軌で、ポポロ広場の近く、地下鉄A線のフラミーニオで接続する近郊路線、ローマ・ヴィテルボ線の旧型車のようです。
▲ 1931年製のローマ・ヴィテルボ線ECD21号
▲ フラミーニオ広場駅のローマ・ヴィテルボ線の電車
運転室の後部に郵便室を備えた合造車、日本の型式ではクモハユですね。車体の側面にあるのは郵便物の投入口でしょうか。
▲ 運転室の後部は郵便室になっている
運転室の機器は、中央の貫通扉をはさんで左にコントローラ、右にブレーキ弁と見受けました。コントローラは、船の舵輪のように縦になったハンドルを回す構造でしょう か。右側の丸いハンドルはハンドブレーキでしょう。運転席にパイプ椅子が置いてありますが、座るとコントローラやブレーキ弁の位置が高くなりすぎるような。
▲ ECD21号の運転室
最後に紹介するのは、凸型の電気機関車05号です。植え込みで足回りが見えないのは、何とかなりませんかね。
▲ ローマ・リード線の電気機関車05号
05号は1925年製で、ローマ・リード線の旅客列車を牽引していたそうです。ここ、ポルタ・サン・パオロ駅にも出入りしていたのでしょう。
▲ 1925年製の電気機関車05号
小さなクレーンがありますが、果たしてこれも展示物なのかどうか。
▲ 電気機関車05号
博物館の見学を終えて駅前に出ると、ローマ市電2047号がいます。今では営業車は全て連接車になっていますが、20年近く前に初めてローマを訪れたとき、この旧型ボギー車がまだ現役でした。今でも動態保存されているのでしょう。車外にいた運転士に聞いてみると、イタリア語はよくわからないのですが、“チネマ”という単語だけ聞き取れたので、映画の撮影のために登場したようです。 車内に撮影に使う小道具が乗っていました。
▲ ローマのトラム2047号
▲ 2047号の側面
2012年11月段階の、ATAC鉄道博物館の開館時間は、月曜から金曜の9時から13時まで。入場は無料です。