奈良線 |
奈良線ホームの 臨時列車明治号 '68.9 京都 |
C58のひく 臨時列車明治号 '68.9 京都 |
臨時列車明治号 の客車 '68.9 京都 |
C58のひく 貨物列車 '71.9 京都 |
105系の 奈良線普通 '84.10 京都 |
105系の 奈良線普通 '84.10 京都 |
奈良線は、東海道本線の京都と関西本線の木津を結ぶ路線ですが列車は関西本線直通して奈良まで乗り入れています。今では一部区間は複線となり、103系に加えて211系の“みやこ路快速”も運転される都市近郊路線ですが、ここに写真のある60年代の運転間隔はラッシュ時1時間、閑散時は1〜2時間で、朝から昼はこの間に京都−新田間の区間運転が入るダイヤでした。同じ京都駅から発車する山陰本線では、ラッシュ時を中心に57やDF50のひく客車列車が運転されていましたが、奈良線の旅客列車は全てDC化され、キハ10系や20系、30系などの混結で面白みの無い路線でした。貨物列車はC58が牽引しており、1971年春の山陰本線の無煙化に引き続き、同年秋にはDL化され、京都駅から蒸気機関車の牽引する定期列車が見られなくなりました。
奈良線唯一の優等列車、桜井線、和歌山線、紀勢本線経由で京都と白浜を結ぶ急行“はまゆう”が、京都から奈良まで奈良線内はノンストップでキハ55系や58系で1往復運行され、1等車(後のグリーン車)も連結していました。
京都と奈良の間には、奈良電鉄を買収した近鉄京都線が並行しており、所要時間も運転頻度も比較にならず、奈良線はこの区間の直通客には見向きもされない路線でした。
そんな奈良線に、明治100年を記念して“明治号”が運転されたのが1968年の9月です。窓の下に三等車を示す赤帯を入れた客車をC58が重連で牽引しています。始発は京都ですが、行き先はどこだったのでしょうか。
奈良線が大きく変わるきっかけは、1984年の電化です。当時の輸送量からみて、103系4連では過大だったのでしょう。ディーゼルカーに代えて用意された電車は、千代田線直通の常磐線緩行の203系化で転属してきた103系を1M車に改造した105系です。奈良線ホームも、まだ新幹線に隣接した8番線片面1線だけの時代です。
2010/5記