黒石線

黒石線の列車

黒石線の想い出

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黒石線のキハ22 黒石 '83.9

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奥羽本線の川部から西へ、日本海に向かって五能線が分岐していきます。かつては、その川部駅から東へ、途中駅前田屋敷の次は終点の黒石という、全長わずか6.2kmの短いローカル線がありました。
1両の気動車が行き来するかたちで運行されていた弘南鉄道黒石線です。もうすぐ廃止から10年になろうとしています。

弘南鉄道は、青森県弘前市から黒石に至る弘南線と、大鰐に向かう大鰐線があり、いずれも電車が運行されています。黒石線が電化されずに、廃止まで気動車を使用していたのは、黒石線が1984年まで国鉄線だったからです。

黒石線に初めて、そして最後に訪れたのは1983年のことです。弘前から弘南鉄道の電車に乗って、終点の弘南黒石駅に降りると、すぐ目の前に国鉄の黒石駅がありました。

ホームは片側1面だけの駅ですが、駅員さんも勤務していました。乗り継いだ川部に向かう列車は、北海道仕様の気動車キハ22型が1両のみ、でも写真でわかるように黒石駅構内には貨車も留置されているので、国鉄黒石線にはまだ貨物列車も運行されていたものと思われます。

当時すでに黒石線は、国鉄再建法による赤字ローカル線廃止対象の第1次特定地方交通線に指定されていましたが、弘南鉄道が運行を引き継ぐことで廃線を免れました。多くの特定地方交通線が第三セクターを設立するか、バスに転換するかの選択を迫られていたときに、黒石線と同じ青森県の大畑線を純粋な民間企業が引き受けたことは注目に値しました。

1984年の国鉄からの転換にあたっては、国鉄の黒石を廃止して、列車を弘南黒石駅に乗り入れる等の合理化も行われましたが、輸送量の減少により転換特定地方交通線のトップを切って1998年に廃線になっています。民間企業として、必要な決断は迅速に行われたのでしょう。

2007/07記

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